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ハーレムパーティーとの会話

ルハラ:ケブルの村


 変な空間から飛ばされた……というかなんて言うか分からないけど、とにかくまぁ空間に飲まれて私たちは別の世界に来たようだ。邪神との戦いでニホンというケンジとナルセがいた世界に行くことになったってのがあったけど、まさかニホン以外で別の世界があるなんてねぇ。漫画とか本とかで別の世界が存在するんだ! な……何だってー! みたいな感じの展開があったけど、本当にあるとは。


 で、飛ばされて最初に会ったのはシュウとクリムという二人組。どうやらカップルらしい。で、そのお仲間がミゼリーとシュガー。ミゼリーは私好みの女性で、シュガーは見た感じはのほほんとしていて大人しそうな雰囲気だけど、どこからか殺意に似た恐怖を感じた。で、エイトガーディアンとかいう変な名前の集団もいたけれど、それを束ねているのがシュウのお父さんのタルト。顔の形とか顔のパーツとかでなんとなーくこの二人が親子だなってのは感じた。そして、ローラとラーソンという老夫婦。あの二人からはとんでもない魔力を感じてる。恐らく、ナルセと同じ強さだ。クリムって子も幼い顔をしている割には強い魔力を感じていた。


「俺たちの紹介は以上だな」


「じゃ、次は俺らの番か」


 ケンジはそう言って私たちの紹介を始めた。その中で、私たちが夫婦であることを告げると、皆は驚いていた。


「おいおい、多重婚って可能なのかよあんたらの世界って」


「羨ましいというかなんというか……」


 エイトガーディアンのスネックとボーノって野郎が驚きつつこう呟いた。この世界は多重婚が不可能なのか。そうなんだ。そんな中で、ハヤテってガキが変なことを考えているのか、上を向いていた。


「もし俺があんたらの世界に行ったら……」


「あんたみたいなのがモテるわけないでしょ。シュウさんレベルになったら考えなさい」


 横にいたナギって子がハヤテの耳を引っ張った。タルトがナギを止めている中、ヴァリエーレは私に近付いた。


「どしたのヴァリエーレ? 乳揉まれたいの?」


「違うわよ。あのおじいさん、ずっと私の胸を見てるのよ……」


 ありゃま。ヴァリエーレの言う通り、ラーソンというじーさんがヴァリエーレの方をガン見してるよ。まーヴァリエーレ並みのボインを見たらスケベな野郎は誰だって見ちゃうよね。


「お嬢さん、よかったらわしと一緒にお茶でも」


「人妻に手を出すなバカジジイ!」


 ローラっていうばあちゃんが、魔力を開放しながらラーソンにかかと落としを決めた。歳の割に綺麗に技を決めている。このかかと落としでラーソンは白目を向いて倒れた。その後、ローラのばあちゃんはラーソンを引きずって一度部屋に戻って行った。


「さて、これからどうしましょう。何か戻れる手を考えますか?」


 クリムが立ち上がってこう言った。そうだね。戻らないとどうにもこうにもならない。きっと、私たちが消えてコセントの村は大騒ぎだ。


「そうね。どんな手を使ってでも戻らないと」


「ああ。それじゃ、一度石碑の方に行こうぜ」


 会話を終え、私たちはユエスビっていう石碑に向かった。




 クリムと成瀬はユエスビの席に向かって魔力を放っていた。しかし、二人の強い魔力を浴びてもユエスビの石碑は反応しなかった。


「うーん。何も起こりませんね」


「ええ。魔力を与えれば何とかなると思ったんだけど……」


「叩いてみるか?」


 剣地は石碑に近付き、平手で叩き始めた。それに合わせ、ハヤテとフィアットも石碑に近付いて叩いたが、成瀬とキャニーが剣地たちに近付き、蹴り飛ばした。


「何やってんのよバカ!」


「石碑が壊れたらケンジさんたちが戻れないでしょうが!」


「うう……痛い」


「わーったよ、殴らなくてもいいじゃないの」


「あ……が……う……」


 剣地たちは悶絶しながら後ろに下がった。そんな中、バカップルは手をつないで話をしていた。


「先輩、何か手はありませんかね?」


「うーん……魔力を与えても叩いても何も変化がなければどうしようもないな……」


「ですねぇ。本か何かで書いてあればいいんですが」


「だな」


 この状況に対して真剣な話をするバカップルであったが、どこからどう見てもこのバカップルはイチャイチャしていた。それを見たティーアは呆れながら近くのミゼリーに尋ねた。


「何なのこの二人? 真剣なのかイチャイチャしてるのか分からないんだけど」


「多分真剣よ。まぁ、いつもこんなだけど、やる時はやるわ」


 ミゼリーがこう言った直後、バカップルは何かを感じ取ったのか、後ろを振り向いた。それに合わせて、剣地は剣を手にした。


「誰だ? 魔力なんて開放してこっちに来やがって」


「どうやらケンジさんもあの魔力を感じたみたいですね」


「みたいだな。どうやら、結構優秀な戦士みたいだな」


 バカップルが会話をする中、後ろの木の陰に隠れていた黒いマントの人物が姿を現した。そして、ハーレムパーティーに近付いてこう言った。


「よく来てくれた。この世界を滅ぼす者よ」


 この言葉を聞き、剣地は言葉を返した。


「何言ってんだテメー? 俺はこの世界を滅ぼすつもりはねーぞ」


「なぬ? 私はこの世界を滅ぼすために異世界の戦士を……」


「当てが違ったみたいだな。とにかく話をしてくれ」


 剣地はマントの人物に近付いたが、マントの人物はナイフを構えた。それを見た剣地は、ため息を吐いた。


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