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ゴウソの大胆作戦?

「クソッたれ! 隠しカメラの事がばれてしまったわい!」


 ゴウソ本社社長室で社長であるロスロは叫び声を上げながら、奴辺りで机の上に置いてあった黄金の招き猫を殴った。しかし、黄金の招き猫の方が頑丈であったため、ロスロは手を痛めてしまった。その様子を見た秘書が、苦笑いでこう言った。


「何やってんすかダメ社長? そんなんだから作戦は失敗するんですよ。つーか、悪い事しかしてないから罰当たったんじゃないんすか~?」


「うるさい! つーか、お前は社長相手に何ため口聞いてんだ?」


「別にいいじゃないっすか~、俺とあんたの仲じゃないですか」


「変なことを言うな! 仕方ない、次の作戦を始めよう」


 ロスロは秘書を連れて社長室から出て、会議室へ向かった。向かう途中、秘書が欠伸をしながらこう聞いた。


「次は何考えてるんですか? 社長知ってるんですか、キズースは俺たちの妨害を察してギルドの連中を雇ったんですぜ」


「その位把握しておる。じゃが、たとえギルドのむっさい戦士でも色気ムンムンのセクシーレディーを見たらコロッと騙されるじゃろ」


 ロスロの答えを聞き、秘書はいやらしそうな顔をした。しばらくし、会議室へ到着した。その中には、グラビアアイドルのようなスタイルを持ち、誰もが見惚れるような顔の三人の美女が立っていた。秘書はすぐに人数分の名刺を用意し、美女に渡した。


「私はあのダメ社長の優秀な秘書でございます。名前は作者が用意してないのでありませんが、今後ともよろしくお願いします。それと今夜開いてますか?」


「バカやっとる場合か! 今からこの美女たちをキズースに送り込むんじゃ! ゆけぃ、色仕掛けトリオ、何が何でもあの会社の新システムを盗み、我が社に貢献するんじゃ!」


 ロスロがこう言うと、美女はロスロに近付いてこう言った。


「分かったけど、成功したら報酬はたんまりもらうからね」


「この会社が赤字だろうが大赤字だろうが、金は貰うわ」


「ちゃ~んとお金を用意して待っててね、社長さん」


 金の事を言い、美女トリオは去って行った。金の話が出たため、秘書はロスロにこう聞いた。


「社長、報酬はいくらに設定したんですか?」


「一人一千万」


「我が社が赤字なの知ってます? マスコミのせいでいろいろと叩かれて車が売れてないことも?」


「一か八かじゃ」


「あんた、ギャンブル運ないって自覚してよ。全くもう」


 そう言って、秘書は携帯を手にし、転職サイトを開いた。




 バカップルは手をつないでイチャイチャしながらキズースの周りを見ていた。先ほど隠しカメラが埋め込まれていた石があったため、それを気に警備を強化しているのだ。他の人から見たらこいつらちゃんと警備してるのかと思われているが、その辺はちゃんと仕事をしている。


「どうだクリム? 変な奴はいたか?」


「ええ。魔力で作った察知玉には何も異常はありません」


 クリムは魔力を使って作り出した不審者察知玉をキズース全体に発している。もし不審者がいればアラーム音を流して周りに報告し、察知玉が自身を武器として不審者に攻撃する。普通の魔法使いでは魔力をここまで使うのは難しいが、クリムはすでにこの領域に達しているため、魔力の常識を外れたような使い方をできるのである。


 しばらく見回りをしていると、シュウの携帯に連絡が入った。シュウは別の所を警備しているハヤテとボーノから電話が来たと思い、すぐに連絡をした。


「もしもし?」


『シュウか。実は変な美女がこっちに来てるんだよ』


「変な美女?」


 シュウは窓から入口の方を見た。そこには際どい恰好をしてこちらに向かって来ている三人の美女がいた。それを見た外にいる男性陣は美女を凝視し、鼻の下を伸ばしている。女性陣はそんな野郎を見て呆れているが。シュウの横にいたクリムは呆れたような表情で美女を見て、シュウにこう言った。


「あいつらゴウソの回し者ですよね」


「だな。捕まえて取り調べしよう」


 その後、バカップルは堂々と入って来たロスロの刺客を捕らえ、会議室へ向かった。


「で、あんたらはロスロの回し者ですか?」


 クリムがこう言うと、美女はシュウを見つめて近付いていた。


「ねぇ坊や。あんなちんちくりんなガキと一緒にいるよりも私たちと一緒にいない?」


「そっちの方が楽しいわよ」


「いろいろと教えてあげる」


 クリムは苛立ち、魔力を開放しようとしたが、シュウがクリムに止まるように合図をした。シュウが何かを考えていると思ったクリムは魔力を抑え、席に座った。クリムが収まった子をと察したシュウは、咳ばらいをして美女にこう言った。


「香水が臭い、化粧が分厚い。そもそも胸のラインに整形した痕がある。そんないじくりまわった体で誘惑されるのはスケベだけだ」


 その言葉を聞いた美女は動揺し、冷や汗をかいた。だが、それにも負けずシュウを誘惑した。


「ねぇ、この会社の事を教えてほしいんだけど」


「ロスロの回し者だろ。というか、不審者にあれこれ教えるわけねーだろ」


「そんな事を言わずにねぇ」


「お姉さんからのお、ね、が、い」


 呆れたシュウは銃を突き付け、美女にこう言った。


「悪いが俺はクリム以外の女に興味はないし、敵や裏ギルド、悪い奴らには容赦はしない、情けはかけない。たとえ女でもな」


「キャアアアアアアアアアアアアアアアアア! 先輩カッコイイですー!」


 カッコよく決まったシュウを見て、クリムは歓喜の声を上げていた。だが、三人の美女は突き付けられた銃を見て腰を抜かしていた。その後、美女たちはあっさりと身元をばらした。


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