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グルバンウルフの群れを殲滅せよ

 グルバンウルフを倒した後、シュウたちは更に森の奥深くへ向かった。まだボスらしきグルバンウルフを討伐していないことを察知しており、ボスを倒すために向かったのだ。


「ボスっていうから、さっき戦った奴らよりでかいんだよなー」


「その可能性がありますね。それに、群れを束ねておりますので頭も回るかと思います」


「いずれにしろ厄介な存在だねー。それに、さっき一匹わざと逃がしたでしょ」


 と、ドゥーレが欠伸をしながらこう言った。その言葉の後、シュガーが笑顔でこう言った。


「ボスをおびき出すための作戦だよ。私の予想だけど、一匹が生き延びたら必ず被害を受けたことをボスに報告すると思うんだ」


「狼のモンスターでも、ちゃんと報告連絡相談があるんだよな」


 シュガーとシュウがこう言った後、クリムが立ち止まった。ドゥーレが耳を澄ますと、微かに狼の唸り声らしきものが聞こえた。


「話をすれば何とやら」


「探す手間が省けましたね」


 クリムは杖を出し、シュウは銃を構えた。ドゥーレは風の槍を作り出して装備し、周囲を見回した。


「囲まれてるみたいだね。狭いけどここで戦う?」


「ここで暴れると木を倒して後々めんどくさい事になるし、村人にも迷惑がかかる。広い所を探そう」


「待ってました。皆さん、私に捕まってください」


 クリムの言葉を聞き、シュウとシュガーはクリムの手を握り、ドゥーレはクリムに抱き着いた。


「ドゥーレさん、先輩以外の人に抱き着かれるのはちょっと……」


「女の子同士だし問題ない。さっさと飛んで」


「はいはい分かりましたよ。ちゃんと捕まっててくださいね‼」


 その後、魔力を開放したクリムは空を飛び、森の中で安全に戦える場所を探した。すると、木がない草原を見つけ、そこに降り立った。


「さて、いずれ奴らがここに来ます」


「その前に準備をしておかないとな」


 シュウの言葉の後、クリムたちは各々の戦闘準備を始めた。数分後、クリムの後を追って走って来たグルバンウルフが現れた。


「おいでなすった‼」


 シュウはこう言うと、グルバンウルフに向かって銃を放った。何匹か弾丸に命中したが、致命傷にはならなかった。ドゥーレは風の刃を発し、グルバンウルフを攻撃した。シュガーはもう一度シビレリュー草を準備し、グルバンウルフを痺れさせようとした。だが、突如火の玉がシュガーに向かって飛んできた。


「私の考えを読んだみたいだね」


「シュガーさん‼」


 クリムは水を発し、シュガーに向かって飛んで来る火の玉をかき消した。シュガーに被害はなかったものの、グルバンウルフの群れは一度後ろに下がり、一斉に魔力を開放していた。


「まさか、同時に火の玉を出すつもりか!?」


 魔力を開放するグルバンウルフを見て、シュウは身構えた。その後、シュウの予想通りグルバンウルフは一斉に火の玉を発した。無数の火の玉がシュウたちに向かって襲い掛かったが、クリムが目の前に巨大な水のバリアを発した。


「その程度の火の玉で私のバリアは壊せませんよ」


 クリムがバリアを張ってくれたおかげで、火の玉攻撃を防ぐ事が出来た。自分たちの攻撃が無効化されたことを察したグルバンウルフの群れは、隊列を組んで襲い掛かった。


「隊列を組んだか。そこまでの知能があるとはな」


「違いますよ。あれは後ろの奴が指示しているかもしれません」


 と、クリムは後ろにいる一回り大きいグルバンウルフを見てこう言った。シュウは襲ってくるグルバンウルフを撃退しつつ、大きいグルバンウルフを確認した。片目に傷があり、体中に爪や牙を受けたような傷が無数ある。そして、他のグルバンウルフよりも魔力が強いあれがボスだと確信した。


 シュウはグルバンウルフの攻撃の隙を見つつ、ボスらしきグルバンウルフに向けて発砲した。だが、部下のグルバンウルフが飛び上がって盾となり、シュウが放った銃弾を受けた。


「自分が盾になった‼」


「ボスを守るため、自分の身を犠牲にしたのですね……」


 攻撃後、犠牲になったグルバンウルフを見て、ボスは大きなうなり声を上げた。それに合わせるかのように群れが遠吠えをし、シュウたちに襲い掛かった。


「攻撃の合図をしたか」


「弔い合戦でもやるつもりでしょうかねぇ」


「話してる場合じゃないよ。来るよー」


 ドゥーレの言葉を聞き、バカップルは攻撃準備をし、襲ってくる群れに対して反撃を試みた。しかし、先ほどの攻撃を見て動きを学んだグルバンウルフはバカップルの攻撃をかわし、迫ってきた。


「危なっ‼」


 まずいと思ったドゥーレが風のバリアを発し、迫ってくるグルバンウルフに反撃をしようとした。だが、後ろのグルバンウルフが火の玉を発し、ドゥーレの風のバリアを相殺して消滅させた。


「なっ!?」


「こりゃまずい‼」


 クリムは魔力を開放し、シュウたちを連れて後ろに下がった。距離はとったものの、グルバンウルフは依然追ってくる。これまでの攻撃を学んだグルバンウルフはシュウたちの攻撃をかわすようになった。まさかこんな所で苦戦するとは。と、シュウは心の中で思った。




 苦戦する中、シュガーは何かこの状況を打破する道具はないかと思い、ポケットの中を探った。中にあったのは少し残っているシビレリュー草。これで何かできないかと考えていると、シュガーはあることを思いついた。これなら、グルバンウルフを倒す事が出来る。そう思い、クリムとドゥーレに近付いた。


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