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侵入者との戦い!

 ジャックはスネックが倒したという湖の侵入者の近くに来ていた。湖のほとりにはダイバースーツの男性が足を抑えて転げまわっていた。


「イテェ、イテェ‼ 何でここが分かったんだよ……」


「ギルドの戦士を甘く見ていたお前が悪かったってことだな」


 ダイバースーツの男性に近付き、ジャックがこう言った。ジャックの姿を見たダイバースーツの男性は意地でも起き上がろうとしたが、痛みのせいで立ち上がることは出来なかった。


「止めとけ。それ以上動いたらやべー事になるぞ」


「グッ……こんな事って……」


「あるもんだよ。ま、自業自得って奴だな。裏ギルドの奴にかける情けはこれっぽっちもないんでね」


 ジャックはため息を吐きながらダイバースーツの男性を連れて戻ろうとしたが、突如殺意を感じた。それと同時に、ジャックに向かって何かが飛んできた。それはダイバースーツの男性の背中をかすった。


「ガァッ‼ クソ……あの野郎、仲間を消すつもりなのか……」


「へまをこいた仲間など用はない。下手に情報を漏らす前に殺した方がこちらにとって都合がいいからね」


 男の仲間が来たとジャックは確信し、ダイバースーツの男性を地面に下ろして武器を構えた。


「ほう。ギルドの戦士か。パンジー王女を殺しに来たのだが……やはり腕のいい戦士を雇ったか」


 男は端末を手にし、操作を始めた。その隙を見てジャックは剣で斬りかかったが、男はジャックの動きを読んでいるかのように攻撃をかわしてしまった。


「ハリアの村のジャック・スパウロ。剣を主に使う戦士。魔力も一応あるが、ほとんど使う気配はない」


「ハッ、俺の個人情報を見て動きを把握しているつもりか!?」


「確認だよ。敵と戦う前はこうやって事前に情報を集めておかないとね」


 男はそう言うと、端末をしまって水の魔力を発した。その水を操るかのようにジャックに襲い掛かったが、一部の水は離れた所に置いてあるダイバースーツの男性に向かって飛んで行った。


「ヤベェ‼」


 ジャックは慌てて槍を装備して水をかき消したが、その時に左足に鋭い痛みを感じた。


「隙だらけだな」


「グッ……水を凍らせて……」


 男はジャックの足から氷の刃を引き抜くと、笑いながらジャックに近付いた。


「やはり、所詮はクソ田舎のギルドか。こんな奴らを応援に呼ぶとは、ワラフ王国も終わりのようだな」


「クソ田舎のギルドか……」


 ジャックは魔力を開放させ、受けた傷をすぐに治療した。その治療速度に驚き、男は後ろに下がった。


「何だと!? お前は魔力がなかったはずでは!?


「治療とか基本的なことは一応使えるんだよ。分かったか? この端末野郎‼」


 ジャックは大声と共に、強烈な斧の一撃を男の腹に命中させた。




 一方、タルトとラックはスネックが撃ち落とした男の所にいた。すでに男はラックによって身柄を確保されており、悔しそうに呟いていた。


「他の敵の姿は見えませんね」


「いや、油断してはいかんぞ」


 と、タルトは静かにラックにこう言った。ラックも周りを見て、すぐにその言葉の意味を理解した。木の周りは草が茂っている。長さとしてはラックの腰辺り。ほふく前進してくるなら、姿が見えない。


「ジャックさんの方で魔力を感じます」


「仲間がいるんだな」


 二人がこう会話をしていると、縛られている男が悲鳴を上げながらこう言った。


「た……助けてくれ‼ へまをしたら殺される、殺されるんだァァァァァァァァ‼」


「それ程キツイ裏ギルドにいるのか、君は」


「自業自得と言いたいところだが、情報が欲しい。君にはまだ生きなければならない。罪を償うためにもな」


 タルトはそう言った後、ラックに指示をした。話を聞いたラックは剣を装備して足元を突き刺した。その直後、周囲の地面に電撃が走った。すると、地面から男の悲鳴が聞こえた。


「そこか‼」


 タルトは剣を装備し、電撃を喰らって飛び上がった男に向かって飛びかかった。男はまずいと思い、銃を持ってタルトに向けた。その動きをすぐに察知したタルトは顔を横にずらし、男が放った弾丸をかわした。


「タルトさん‼」


「大丈夫だ、頬をかすっただけだ」


 タルトはそう言うと、頬にできた切り傷の血をぬぐい、目の前の男を睨んだ。


「俺の居場所がよく分かったな」


「こういう所で戦うとしたら、大体の卑怯者はそう動くからな」


「卑怯者か。ま、そう言われてもしょうがねーけどね」


 男はそう言うと、再び姿を消した。またほふく前進をして移動するかと思ったラックは再び電撃の魔力を開放した。しかし、タルトが止めろと言った。


「同じ手は通じないと思う。相手も何かしら対策をするだろう。今は倒した男を守るため、その近くにいよう」


「了解です」


 二人は倒した男を囲むようにし、辺りを注意深く見回した。銃を持っているため、どこからか銃が飛んで来てもおかしくない。いつ、どのタイミングで襲われても不思議ではないのだ。緊張感が辺りを支配する中、銃声が響いた。だが、ラックが張っているバリアで弾丸は止められた。


「そこか‼」


 弾丸がめり込んだ所を見て、男の居場所を推理したタルトが刃の衝撃波を放った。だが、そこに男の姿はいなかった。


「かなりの強敵ですね」


「ああ、こればかりはきつい戦いになりそうだ」


 と、二人は短く会話をした。


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