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リミットまであと少し!?

 ミゼリーとリナサが得た情報を聞き、バカップルとタルトは爆弾を見つける事が出来た。しかし、どのケーブルを切ればいいのか分からないのである。


「赤と白……どっちを切ればいいんだ?」


「どっちかを切れば止まる仕掛けだと思います。タルトさん、ミゼリーさんにどれを切ればいいか聞きだしてほしいと伝えてください」


「大丈夫、今連絡をしている。おっ、つながったぞ」


 タルトが持つトランシーバーから、ミゼリーの声が聞こえた。タルトは今の状況をミゼリーに伝え、更に情報を聞きだすように話した。


『分かったわ。いろいろあってあいつらは寝ているけど、たたき起こして聞きだすわ』


「頼む。時間はまだあるから余裕を持って行動をしてくれ」


『ええ。シュウとクリムに無茶しないように伝えてください』


 と言って、ミゼリーからの連絡は終わった。タルトはその場に座り、深く息を吐いた。


「しばらく待機しよう。爆発時間までまだ十分時間はある。それまで作戦でも練ろう」


「そうだね。何か手はあるはずだ」


「いざとなったらバリアで爆発を封じ込めます」


 バカップルはタルトの傍へ移動し、同じように座りだした。




 その頃、不審者を見つけたハヤテはこっそりとそのあとを追いかけて行った。不審者が向かったのは人目が付かない船の端の方だった。ハヤテは隠れる場所を探し、ばれないように不審者の行動を監視した。不審者は辺りを見回した後、携帯電話らしきものを持って話し始めた。


「こちらコードネームA。船の中に侵入する事が出来た。爆弾も無事に仕掛ける事が出来た。今から港に戻るため、出迎えを頼む」


 ハヤテの耳に不審者の会話が聞こえた。この会話を聞き、ハヤテはこの男が爆弾騒ぎの張本人として、捕らえることを決めた。魔力と気配を消しつつ後ろへ回り、そのまま男の背後へ移動した。


「おいどうした? 返事を頼む。もしもし? もしもーし‼」


 不審者が慌てながら声をかける中、後ろにいたハヤテが不審者を取り押さえた。いきなり抑えられたため、不審者は大声を上げながら携帯電話を落としてしまった。


「残念だったな爆弾魔! テメーの目的は達成されねーぜ‼」


「なっ……何だ貴様は!? 離れろ、俺から離れろ‼」


「悪いな、俺はギルドの戦士だからテメーのような犯罪者の言う事を聞くわけにはいかねーんでな‼」


「ギルドの戦士!? まさか……」


「シェラールのエイトガーディアン。これさえ聞けば俺がどんな奴か分かるだろ」


 ハヤテの言葉を聞き、不審者は残念そうに大人しくなった。それからナギが後ろから走ってきて、ハヤテが捕らえた不審者を見た。


「案外あっけなく解決したわねー。これで一応安心なのかしら?」


「だといいんだけどなー。ただ、まだタルトさんたちの連絡が来てねーし……」


 ハヤテとナギの会話を聞き、不審者は奇妙な笑い声を上げた。


「まだ終わってないさ。爆弾はもう仕掛けた。お前たちは絶対にこの爆発を止めることは出来ない」


 不審者の言葉を聞き、ハヤテとナギの中に嫌な予感が走った。




 リナサは気絶させたリア充撲滅隊に海水をかけ、無理矢理目を覚まさせていた。


「うげぇ! しょっぱい‼」


「目を覚ましたわね。さ、どうやって爆弾を止めるか教えてください。赤と白のケーブル、どれを切れば止まるんですか?」


 と、リナサは海水が入ったバケツを持ってこう聞いた。リナサの言葉を聞き、リア充撲滅隊の連中は笑いながら答えた。


「残念だったな。あのケーブルを切っても無意味だ。どっちを切っても爆発を止めることは出来ない!」


「じゃあ、あのケーブルは……」


「装飾品みたいなもんだよ! 漫画やアニメみたいにどっちかを切れば止まると思っただろ? そうはいかねーよ。それと、もうひとつ面白い事を伝えてやろう。魔力が爆弾に触れればその時点でドカンとする仕掛けだ。アーッハッハッハ‼」


 笑い声を聞き、腹が立ったリナサは魔力を開放して光と闇をリア充撲滅隊に命中させた。その後、すぐにこの事をミゼリーに伝えた。


「爆弾を止められない!?」


「それに、魔法を使っても無意味だって。爆弾に触れたらその時点で爆発するみたい」


「それじゃあクリムの力でも無理なのね……」


 ミゼリーは少し考えた後、トランシーバーで連絡を始めた。




 待機しているバカップルとタルトはあれこれ色んな案を考えていた。だがそんな中、ミゼリーからの連絡が入った。


「もしもし?」


『ミゼリーよ。大変よ……爆弾は止めることは出来ない』


「えええええ!? じゃああのケーブルは一体何ですか!?」


『装飾品とのことよ。それに、魔法を使っても無駄と言ってたわ。魔力が爆弾に触れたらその時点で爆発は始まるわ』


「そんな……」


 ミゼリーの話を聞き、シュウたちは悔しそうな顔をした。だが、タルトはすぐに立ち直ってこう言った。


「客の避難を始めよう。爆発に巻き込まれたら大変だ」


「そうですね。運営会社には悪いですが……」


「爆弾を仕掛けた奴らに船の賠償金を払わせよう。それで何とかなるはずだ」


「よし、急ぐぞ‼」


 会話を終え、シュウたちは急いで船の上へ向かった。だが、この瞬間にも爆発のタイマーは動いていた。残り時間はあと五分。


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