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貴重な情報源

 ワカゲが雇ったと思われるリボルバーの男と戦っていたラック。苦戦する中、ドゥーレとヴァーナがラックの元へやって来た。三人は魔力を開放し、リボルバーの男を追い詰めていた。


「クッ……」


 タイマンなら勝てるとリボルバーの男は考えていた。しかし、後からやって来たドゥーレとヴァーナの魔力を感じ、一気に自分が不利になったと男は思った。


「さーてと、あんたがワカゲとどんな関係があるか教えてもらうよー」


「最初に言っておくが、貴様に拒否権はない‼ 貴様は話すしか道はないのだ‼」


「僕達は荒い手を使いたくはありません。大人しく話をしてくれませんか?」


 三人の言葉を聞き、自棄になったリボルバーの男は火の魔力を開放して叫んだ。


「調子に乗るなよガキ共が‼ 本気になった俺の実力を見せてやる‼」


 男は火の魔力を操り、三人に向かって投げた。だが、ヴァーナが放った電撃の刃が火を消滅させ、ドゥーレが残り火を強風で消し去ってしまった。


「無駄だって」


「諦めるんだな。こんな威力の火では我らを倒すことは出来ぬぞ」


「クソ……」


 その時、男はラックの姿が見えないことを察した。探そうと周囲を見回したが、首元に何かが当たった。それを調べようとした瞬間、ラックの声が聞こえた。


「終わりです。死にたくなければ僕たちの言う事を聞いてください」


「……クソが……」


 リボルバーの男はその場に項垂れ、負けを確信した。




 その後、ラックたちはリボルバーの男を連れてサンラバンのビルに戻っていた。ライズが取り調べを行っているようなのだが、部屋の中からは男の悲鳴とライズの叫び声が聞こえる。それを聞き、ラックはため息を吐いていた。


「自然の為にって言ってるけど……何をやってるんだろう?」


「深く考えない方がいいよー。とりあえず私たちは休も~」


 と言って、ドゥーレは用意された部屋に戻って行った。ラックも何も考えるのは止めようと思い、部屋に戻った。その時、携帯の通話音が聞こえた。


「誰からだろ?」


 そう呟きながらラックは携帯電話を手に取った。電話の相手はシュウだった。


「もしもしシュウ?」


『ようラック。仕事の様子はどうだ?』


「一応順調に進んでるよ。シュウとクリムちゃんはどう? 風邪はよくなった?」


『大分な。かなり前に飲まされたシュガーの薬が効いたと思う』


 シュガーの薬と聞き、ラックは少し不安になった。その時、電話の向こうからクリムの声が聞こえた。


『せんぱ~い、なんだか気持ち悪いです……傍にいて下さ~い』


『分かった。悪いなラック、クリムの所に行くから』


「うん。お大事に」


 そう言ってラックは携帯の電話を切った。話を聞いていたドゥーレはラックに近付いてこう聞いた。


「クリムとシュウさんは無事ー?」


「だいぶ良くなったみたい。シュガーさんの薬が効いたんだと思いたい」


「だね」


 話していると、取り調べが終わったのか、部屋からライズとリボルバーの男が現れた。何をされたか分からないが、リボルバーの男はかなり痩せこけていた。


「一体中で何が行われたのだろう……」


「考えない方がいいよ」


 ラックはドゥーレにこう言った後、ライズに近付いた。


「何か分かりましたか?」


「はい。やはり奴はワカゲに雇われた戦士です。金のためなら汚い仕事を喜んでやるような男でした」


「おっかない人を相手によく取り調べが出来ますね」


「力を使う相手には力を持って話しをします。その意味が分かりますか?」


「分かります」


 ラックはそう言うと、リボルバーの男を見ながら話を続けた。


「自然を守るためなら何でもすると言いましたが、あまり目立つようなことをしない方がいいですよ」


「その辺は理解しています。我々もギルドにお世話になりたくありませんので」


「理解しているならいいです。今後、あなたたちとまた会うようなことになったら動揺しますので」


「我々はバカではないので、その辺は大丈夫です。今日はもう遅いので私は帰ります。取り調べで得た情報は明日伝えます。それでは」


 ライズは少し笑ってこう言うと、歩いて去って行った。




 同時刻、ワカゲの会長は不安の気持ちで押しつぶされそうになっていた。あれからもう一度資料保管庫を調べたのだが、鍵は何者かに開けられたと鍵の業者に言われたのだ。自分たちが違法なことをやっていることを知られたら自分は逮捕され、世間へのイメージもダウンする。


「何でこんなことに……一体誰が我々を陥れようとしているんだ?」


「サンラバンの連中じゃありませんかねぇ? 会長さんよぉ」


 と、会長室の中にいた一人の男が欠伸をしながらこう言った。


「俺に金さえ払えば、どんな汚い仕事でもやるぜ。いっつもそうしてきただろ?」


「確かにそうだが……この際だ、サンラバンに潜入して情報を集めて来てくれ‼ 金は後で払う‼」


「了承。必ず戻るから、金は現金でちゃーんと用意してちょーだいっと」


 男はそう言って窓から外へ飛び出していった。落ちると思われたが、男は壁を走りながらそのままビルの壁を蹴って飛びながら移動し始めた。


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