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ギルドの戦士VS違法ハンター軍団

 貴重な動物を狙う違法ハンターたちは、束になって行動していた。その中で魔力を感じる一人のハンターが、何かに気付いて慌ててこう言った。


「強い魔力を感じる」


「ギルドの戦士だろ。遠くから銃を撃てば問題ない」


「これまで俺たちは何人の警官をこいつでぶち抜いたと思ってるんだ? 自分の腕を信じろって。ギルドの戦士も警官も似たようなもんだよ」


 と、ハンターの一人がライフル銃を持ってこう言った。だが、魔力を感じるハンターは慌ててこう続けた。


「かなり強い魔力だ。それに思い出してくれよ、この辺にはハリアの村がある」


「ハリアの村……ハハハ、シュウとクリムのバカップルの事が気になってるんだな?」


「考えすぎだよ。ああいう有名人は今頃遠くでお仕事中さ。他の連中は大したことないから大丈夫だ」


 その直後、空から小さな雷が雨のように落ちてきた。それを喰らったハンターたちは悲鳴を上げながら感電した。


「グワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア‼」


「雷……何で……今日は雨が降らないのに……」


「まさか……まさか‼」


「そのまさかですよー」


 木と木の間から、クリムが姿を現した。クリムの姿を見たハンターたちは、悲鳴を上げて逃げ出そうとした。しかし、先ほど喰らった雷のせいで体が感電してしまい、動くことは出来なかった。


「クソッたれが……」


「噂通り、クソ強い……」


 ハンターたちはその場に倒れたのだが、運よく雷から回避できたハンターは銃を構えてクリムに狙いを付けていた。


「ハッ‼ 賢者と言えどもただの魔法使い‼」


「心臓に風穴開けてやらぁ‼」


 そう言ってライフル銃の引き金を引こうとした。だがその前にライフル銃の銃口に何かが入り、ライフル銃は爆発を起こした。


「うぎゃぁぁぁ‼」


「な……何で爆発したんだ? メンテはちゃんとやったのに」


「俺の世界一大事なクリムを傷つけようとする奴は、俺が半殺しにしてやるよ」


 クリムから少し離れた所にいたシュウが、リボルバーを持ってこう言った。クソッたれと思いながらハンターたちは銃を構えなおしたが、シュウが素早くリボルバーの引き金を引き、ハンターたちの銃を破壊していった。


「そんな……」


「強すぎる……」


「さ、観念して俺たちの言う事を聞きな」


 シュウは戦意を失ったハンターたちに近付いてこう言った。だがその時、筋肉モリモリの男がシュウに近付いた。


「悪いな、俺はお前の言う事を聞く気は一切ないな」


「すげー筋肉だな。元プロレスか何かやってたのか?」


「傭兵だよ。ただ俺は金のためではなく、人を殺すために傭兵になったんだがなぁ‼」


 と言って、元傭兵の男はシュウに襲い掛かった。




 同時刻、ストブは周囲を気にしながら歩いているが、ティラは何も考えずに欠伸をしながら歩いていた。苛立ったストブはティラの方を振り返り、こう聞いた。


「あのなー、あんたやる気あるのかー?」


「だってシュウとクリムがこの依頼に入ったせいで20万ネカが5万ネカになっちゃんたんだぜー。そりゃーやる気なくなるでしょ」


「ったく、本当にシュウの師匠でクリムの育ての親か? あんなんだから2人がしっかり育ったんじゃねーのか?」


 ストブはぼやきながら歩いていたが、ティラが急にストブの尻を掴んで動きを止めた。


「何すんだ!?」


「敵がいる」


 ティラの言葉を聞き、ストブはすぐにしゃがんで望遠鏡を覗いた。ティラの言うとおり、遠く離れた所に二人組のハンターが歩いていた。


「すげぇ、あんたの言うとおりだ」


「一応狙撃手だからね。周囲に何があるか耳を澄ませて歩いてたってわけ。望遠鏡貸して」


 ティラはストブから望遠鏡を受け取り、ストブが見た二人組のハンターを実際に見てみた。


「奴らはオイジーブラザーズって言われている凄腕のハンターだ」


「有名なのか?」


「まーね。私もギルドの戦士である以上、ああいう悪い連中の話は噂でも耳にするようにはしているのさ」


「そうなのか?」


「ああ。ただの酒好きねーちゃんじゃないよわたしゃー」


 ティラはこう言った後、深呼吸をしてライフル銃を構えた。その時、ストブに望遠鏡でオイジーブラザーズの事を見張るように告げた。ストブは望遠鏡を見てると、オイジーブラザーズの二人が慌てて銃を構え、こちらに銃を向けている姿を見た。


「おい、こっちに気付かれたぞ‼」


「やっぱりね。奴らも私みたいに一流の狙撃手だ‼」


 ティラはストブに抱き着き、そのまま伏せた。その直後、銃声と共に銃弾が草をかする音が聞こえた。


「あっぶね~」


「さーて、一旦ここから逃げますか。こっちに来い」


 その後、ティラとストブはその場から離れ、枝がたくさんあり、葉が多い木の上に上った。


「ここなら奴らの目をごまかせるな」


「いーや、そうでもないさ」


 望遠鏡を見ているティラはストブにこう言った。ティラはオイジーブラザーズがゴーグルのような物を付けているのを見たからだ。


「あいつら、多分熱を感知するゴーグルをつけたよ」


「熱を感知する?」


「難しすぎたね。簡単に言えば熱で私らの位置を把握するゴーグルだ。こりゃー久しぶりに面白いバトルになりそうだねー」


 と言いながら、ティラはにやりと笑っていた。


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