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修羅場発生!?

 シュウは予想外の出来事で身が固まっていた。シュウはシュルが男性だと思っていたのだ。しかし、目の前にいるシュルは女性ものの下着を付けている。


「先輩‼ どうかしまし……た……か……」


 クリムがシャワールームに入ってきて、目の前の状況を見た。見てしまったのだ。だが、すぐに状況を把握してシュウに近付いた。


「何かありましたか?」


「ゴキブリが出たらしい。すぐに対処したけど……その……」


「シュルさんの秘密を知ってしまったんですね」


「うん」


 その後、シュルは立ち上がって急いでバスタオルを体に身に着けた。


「すみません。たかがゴキブリで騒いでしまって」


「仕方ありませんよ。あれは気持ち悪いので」


 クリムはそう言った後、シュルに近付いて再び口を開いた。


「一応言っておきますが、先輩は私の彼氏なので」


「は……はい」


 クリムの勢いに負け、シュルは後ろに下がって行った。その後、クリムはシュウを連れてシャワールームから出ようとしたが、シュルはシュウに向かって声を出した。


「あ、あの! シュウさん」


「ん?」


「さっきはありがとうございます」


 礼を言われ、シュウは笑顔を作って言葉を返した。


「無事でよかったです」




 その後、バカップルは用意された部屋の中にいた。そこにはシュガーとクララもいる。そして机の上にはシュルの部屋の映像とシュルとの通信用の器具が置いてあった。


「しかしまあ、シュルさんが女性だったとは思わなかったよ~」


「私は男と思ってましたけど、予想外でした」


 シュガーとクララはお茶を飲みながら話をしていた。だが、クリムは少しムッとした顔をしていた。


「どうしたのクリム? 何かあった?」


「シュルさんが先輩の事をお気に入りじゃないかって思ってるんです」


 その言葉を聞き、シュガーとクララは笑い始めた。


「そんなことないわよクリム‼」


「そうだよー、流石にシュウ君が他の女にホイホイついてくようなことはないってー」


「そうですよね。でも、相手は芸能人。マスコミを使ってあーだこーだやる可能性が……」


「考えすぎよクリム」


 クララはクリムを落ち着かせ、一緒にお茶を飲もうと伝えた。そんな中、シュガーは部屋を見回してシュウにこう言った。


「どうしたのシュウ君?」


「いや、何であんなキャラで売り出してるのかなーって気になって」


 シュウの言葉を聞き、クリムはシュウに近付いて上から抱きしめた。


「そんなこと考えなくていいです‼ 先輩は私の事を考えてくださーい‼」


「クリム落ち着いて、仕事の事をシュウさんは考えてたんでしょ?」


「そうだよクリム。それに俺はクリム一筋だ」


「先輩ったら~」


 と言って、バカップルはいちゃつき始めた。呆れたクララはため息を吐いた後、シュウにもう一度話を聞いた。


「で、仕事の事を考えてたんですよね?」


「ああ。今回の事で何か関係あるかなーって思って」


「ふーむ……ここは一度ハインドさんに聞いてみましょう」


 その後、シュウたちは部屋から出てハインドの元へ向かって行った。




 同時刻、別の部屋で週間いい男の撮影に巻き込まれていた犯人は、荒く呼吸をしながら部屋から出て行った。


「はぁ……はぁ……何で汗臭い所で撮影しなきゃなんないんだ。というか、あんな雑誌誰が買ってるんだ?」


 小さな声でぼやきながら歩いていると、彼は部屋の中にいるシュウたちを見つけた。彼もバカップルの活躍を知っており、まさかと思い部屋を覗いた。そこにはシュウたちとハインド、そしてシュルが座っていた。シュルを見つけた犯人は心の中で喜んだが、部屋の中の状況を察し、すぐに離れて行った。本当はすぐにでもシュルを襲って連れ去りたいのだが、バカップルがいる以上、行動を起こしたらすぐに塵になる。そう思った後、シュルはある事を思いついた。


 一方、部屋の中でシュウたちは話をしていた。


「へー、じゃあ中性的な見た目を利用して世間に売り出したんですね」


「はい。ミステリアスな雰囲気のおかげでCDが大ヒットしているんです」


「どこか人を引き付ける雰囲気があるからねー」


 シュガーはシュルをまじまじと見て呟いた。だが、シュガーはシュルの視線の先を見てこう言った。


「シュウ君に気があるの?」


 この言葉を聞き、シュルの顔が真っ赤になった。それを察したクリムがすぐにシュウに抱き着いた。その時、ハインドがこう言った。


「実は、前々からバカップルのシュウさんの事が気に入ってるらしくて、もし護衛をするならこの人がいいと前言ってたんですよ」


「ハインドさん‼」


 むきになったシュルを見て、クララはこう言った。


「アイドルもやっぱり人間なんですね。私は本当にクールで感情があまりない人だと思ってましたが……」


「大丈夫です。私は人ですよ」


 と、シュルはクララに笑顔を見せた。その時だった。突如防災ベルが鳴り響いたのだ。


「火事か!?」


「とにかく非難しましょう、俺たちが前に立ちますので、避難場所を教えてください‼」


「分かりました」


 その後、部屋から出たシュウたちは急いで避難場所へ向かって行った。その中に紛れるように、隠れていた犯人が付いて行った。


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