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秘密がばれた‼

 シュウたちはシュルの仕事場へ向かっていた。シュウは仕事場の屋上から不審な人物がいなかを調べ、クリムたちはシュルの身の周りを守る事になった。


「シュウさん大丈夫かな?」


 と、クララが小さく呟いた。その言葉を聞いたクリムがクララの肩を叩いて返事をした。


「大丈夫です。先輩はスナイパーライフルも扱えます。どんな所に変態がいても、先輩が狙い撃ちします」


「その言葉を信じるわ」


 クリムの話を聞いてクララの心配は少し解消された。だが、まだクララは不審者がスタッフか何かに変装して入り込んでいるのではないかと思っている。クリムやシュガーもその辺は理解しているんだと思いながら、クララは護衛を続けた。




 周りにいるスタッフは、そのスタッフの姿格好を見てこそこそと話をしていた。


「あの人風邪をひいてるのかな?」


「こんな時期に風邪をひくとは可哀そうだな。大きなマスクを付けてさ」


 そのスタッフは大きなマスクと帽子を見に付けていた。帽子は別のスタッフも身に着けていたため、あまり話題にはならなかった。マスクと帽子を付けたスタッフは、周りがあまり自分の事を気にしないため、心の中で笑っていた。


 クフフフフフ。バカなスタッフたち。仕事のやりすぎで頭がイカレたんじゃないか?


 そう。このスタッフはシュルに脅迫文を送りつけた犯人である。シュウたちがこの仕事場へ到着する前に忍び込み、スタッフの一人を気絶させて服を奪ったのだ。


 彼はこっそりと仕事場を抜け出し、シュルの元へ向かった。その時、別のスタッフが声をかけてきた。


「おいあんた。手が空いてるのか?」


 急に声をかけられたため、犯人は少し驚きながら答えた。


「い……いや。自分はこれからシュルさんの方へ行こうとしたんだが」


「はぁ? 何しに?」


「あのほら、いろいろとな」


「シュルさんの方は行かなくていいんだよ。そっちの方は別のスタッフがいるし、ギルドの戦士たちもいる」


「だけど……」


「いいんだよ。クリムさんが言ってたんだ。脅迫文を送った変態が俺たちスタッフに紛れ込んでる可能性があるってな。じゃ行くぞ」


 そのスタッフは犯人の腕を掴み、どこかへ連れて行ってしまった。




 屋上での見張りをしているシュウはポケットから携帯を取り出し、クリムと連絡を始めた。


「クリム。そっちに異常はあったか?」


『大丈夫ですよ先輩。異常ありません』


「こっちもだ。不審な輩は見えない。俺の勘だが、すでにスタッフに変装して紛れ込んでる可能性がある」


『私もそう思います。私たちが到着する前に紛れ込んでる可能性が高いです』


「いったん俺もそっちに行くか?」


『そうですね。外の見張りはビルにあるカメラや防犯機材に任せましょう』


「ああ。そっちに行く」


 連絡を終え、シュウはスナイパーライフルを解体してバックにしまい、クリムの所へ行こうとした。その途中、スタッフの激しい声が聞こえた。


「全く、こんなものが持てないのか!?」


「す……すいませ~ん」


 シュウが目にしたのは、重い機材を持っているスタッフと、苦しそうに重い機材を持っている太ったスタッフだった。


「ちょ……ちょっと休んでいいですか?」


「そんな時間はない‼ これが終わったら週間いい男の表紙撮影が待ってるんだぞ‼」


「そ……そんなぁ~」


「弱音を吐くな‼ そもそも、撮影のスケジュールを把握してないのか? 全く、仕事を何だと思ってやがる‼」


 スタッフの仕事を見て、シュウはギルドと同じくらい厳しいなと思った。だが、太ったスタッフを見てシュウは変な違和感を覚えた。周りにいる似たような体格のスタッフは仕事で鍛えられているのか、似たような機材を楽々と運んでいるのだ。


「新人か?」


 シュウは小さく呟き、クリムの元へ向かった。


 シュウがシュルの仕事場へ着くと、すぐにクリムがシュウに抱き着いた。


「お疲れ様ですせんぱ~い」


「俺が来るまで異常はなかったか~?」


「全然」


 いちゃつくバカップルを見て、シュガーは笑いながらこう言った。


「イチャイチャするのはいいけど、仕事中は止めてよね」


「笑い事じゃありませんよ。シュウさん、クリム。今シュルさんは中にいます。とりあえず入って挨拶してきてください」


「ああ」


 その後、シュウはシュルがいる部屋に入ろうとした。だが、ノックをしても返事はなかった。


「どうかしたのかな?」


「おかしいですね……」


 クララがドアノブを回すと、ドアは開いた。中の仕事場には、スタッフが数人いるだけでシュルの姿はいなかった。シュウはスタッフに近付き、シュルの居場所を聞いた。


「すみません、シュルさんはどこですか?」


「ああ、今着替え中だよ。あそこのシャワールームで」


 その時だった。突如シュルの悲鳴が聞こえたのだ。シュウは銃を持ち、シャワールームへ向かった。


「どうかしましたか!?」


 シュウがこう言うと、中から着替え途中のシュルがシュウに抱き着いた。


「あの……その……そこに……ゴキブリが‼」


 話を聞いたシュウは、呆れながら近くにいたゴキブリを処理した。


「これで大丈夫ですよ。シュルさ……ん……」


 シュウはシュルの姿を見て驚いた。シュルもこの状況を把握し、すぐに手で自分の体を隠した。


「マジかよ……」


 思わずシュウは呟いた。シュルは女性ものの下着を付けていたのだ。それを見て、シュウはシュルが女性であることを把握した。


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