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火事場泥棒の大ボス

 シーフパラダイスのメンバーはボランティアに交じって行動をしていた。


「すみませーん、こっちの瓦礫の撤去をお願いしまーす」


 ボランティアに変装しているメンバーの一人は他のボランティアにこう言って、共に瓦礫の撤去を始めた。それが終わった後、別の所へ向かった。人気のない事を察し、彼は大きな息を上げた。


「ふぃー、いくら仕事のためだっつってもボランティアの真似をするのはきっついなー」


「金のためだ。頑張れよ」


 と、瓦礫の上から声が聞こえた。メンバーの一人は上を見て、声を上げた。


「フレイオさん」


 シーフパラダイスのリーダーであるフレイオは高く飛び上がり、華麗に部下の近くに着地しようと考えた。だが、途中で空を飛んでいるカラスに命中し、変な態勢で地面にめり込んだ。


「何やってんですか?」


「カッコよく決めようと思ってね。ねぇ、抜いて」


「ちょっと待ってくださいよっと」


 部下は地面にめり込んだフレイオを抜いた後、話をした。


「気を付けて行動しろよ。俺たちの行為を知ったギルドが動き出した。しかもエイトガーディアンとあのバカップルだ。部下が数名捕まったから、気を付けろよ」


「はい」


「いいか? この世は金が全てだ。どんなことをしても金をとらなければならない。それが生き残る道だからな」


「ええ。俺たちのようなドブネズミには金が必要ですからね」


 その後、部下の一人は行動を始めた。フレイオはにやりと笑った後、その場から去って行った。




 スネックは高い瓦礫の上で大きな欠伸をしていた。高い所からシーフパラダイスの姿を探していたのだ。


「ったく、変な奴はいねーなー」


 流れる涙を腕で拭った後、周りを見回した。すると、空を飛ぶ変な男を見つけた。


「みーつけたっと‼」


 それを見たスネックは銃剣を装備し、空を飛ぶ男に向かって飛んで行った。


 空を飛ぶ男、フレイオは何も知らずに空を飛んで移動していた。しばらくすると、スネックの魔力を感じ、驚きながらその方を見た。


「ゲェッ‼ お前はエイトガーディアンのスネック‼」


「俺の名前を知ってるのか、光栄だなぁ‼」


 スネックは銃剣を振り回し、フレイオに攻撃を仕掛けた。フレイオは槍を装備し、スネックの攻撃を振り払った。


「へぇ、やるじゃねーか」


 衝撃で吹っ飛んだスネックは地面に着地し、空にいるフレイオに向かって銃を撃った。


「めんどくせー武器だなー‼」


 フレイオは槍を振り回して銃弾を防ぎ、その場から逃げようとした。だが、スネックはそれを逃すまいと思い、魔力を込めて銃弾を放った。だが、フレイオが間一髪でこの攻撃をかわした。


「チッ、避けやがったか」


 飛んで去って行くフレイオを見て、スネックは舌打ちをしてタルトたちの元へ戻って行った。




 スネックの話を聞いたタルトたちは、一度集まって話をしていた。


「どうやらスネックさんが戦った人がシーフパラダイスのリーダーのようですね」


「ああ。クリムの言うとおりだ。いくら規模が小さい裏ギルドとはいえ、多数いる部下を束ねるには実力が必要だからな」


 と、スネックは銃剣の手入れをしながらクリムの言葉に返事をしていた。


「空を飛ぶ奴か。銃が役に立つかもな」


「私もねー」


 シュウとドゥーレがこう言った。その言葉を聞いたタルトは頷いた。


「ああ。今回のボスの相手はシュウとドゥーレちゃんに任せる。他の皆は部下の相手をお願いしたい。いいか?」


 タルトの言葉を聞き、クリムたちは大声で返事した。


 その後、タルトたちは再びボランティア活動を始めた。その様子を陰からフレイオが見ていた。様子を見てすぐに姿を隠し、携帯電話で部下たちに話を始めた。


「気を付けろ、ギルドの連中が動き出した」


『了解です』


『リーダー、傷の方はまだ痛むでしょうから、無理をしないでください』


『たしか……お……ププッ、お尻を……プスプス……銃弾がお尻をかすったんでしたよね』


「うるせェェェェェェェ‼ 俺だって好きでケツに銃を喰らったわけじゃねーから、たまたまかすったんだから‼ あ、ちょっと待って。騒いだらまた傷が開いた」


 と言って、フレイオはズボンを脱ぎ、尻に絆創膏を張り始めた。


「ったくもー、何でこんな所に銃弾がかするんだよ。まぁ急所に当たらなくてよかったんだけどさ、弾がたまたま玉に当たらなかったからよかったんだよね」


 そう呟いていると、後ろから足音が聞こえた。フレイオははっとして振り向くと、そこにはバカップルとタルトたちエイトガーディアン、そしてストブたちが集まっていた。


「話は聞いたぞ」


「さっきの叫び声でばれちまったな」


 スネックはにやりと笑いながら銃剣を手にし、タルトは剣を構えてフレイオにこう言った。


「今度は逃がさないぞ、変態野郎。外で下半身丸出して何やってんだか」


 シュウの手には、リボルバーが握られていた。だが、ハヤテとボーノはフレイオを見て笑っていた。


「あいつ……いい歳こいて……ププッ‼」


「大したもんじゃねーなー」


「おいそこの二人‼ 今何を見て笑った? 俺のどこを見て笑った!?」


 フレイオは下半身丸出しのままハヤテとボーノに近付いた。だが、その前に目をつぶった

クリムたち女性陣が魔力を全開放し、フレイオに向かって魔法を放った。


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