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チュエールの魔法使いVSメッズーニ変態集団

 銀行内の別室。ヴァーナとクララが取り調べを行っているが、ヴァーナは何故か縄で縛られていた。


「何故だクララ!? 何でこんなことをするんだ!? はっ、まさか貴様はクララの皮を被った別世界から来た侵略者か!?」


「あんたがバカをするからこんなことをする羽目になったんでしょうが‼」


 クララはヴァーナに向かって怒鳴りつけた。これが効果あったのか、ヴァーナは涙目で小さくごめんなさいと呟いた。


「気を取り直して……あなたが最近この周辺を荒らしまわっている強盗団の一人ですね」


「ああそうだ……」


「盗んだ金を何のために使っているんですか?」


 クララのこの質問を聞き、男は黙り始めた。クララは男の態度を見てため息を吐き、こう言った。


「いずれ私達の仲間があなたのアジトを見つけ、総攻撃を仕掛けます。あなたが知ってるかどうか分かりませんが、私の仲間の一人には」


「有名なバカップルがいるんだろ?」


 この言葉を聞き、クララは驚いた。


「知ってるんですね、クリムとシュウさんの事を」


「当たり前だ。あんな化け物バカップルを知らない奴はこの世にいないと思うぜ」


「あの二人、どれだけ暴れまわったのかしら」


「とにかくだ……俺を捕まえたって皆はここに来るだろうぜ。俺はどうなるか分からないが……ククククク、貴様らが俺の仲間を倒せるかどうか見物だな……」


 男はそう言って笑い始めた。その時、後ろにいたヴァーナが蛇みたいに地面を張って移動し、クララに近付いた。


「こいつ、やけに自信たっぷりだな。まだ我らに見せてない真の力があるというのか?」


「魔力を探知したけど、こいつ自身にそんな力はないわよ。ただ、こいつの上司がどれだけ強いか分からないわね」


「いざとなれば、我の悪を貫く電撃で裁いてやる」


「ほどほどにね」


 クララはため息を吐いた後、ヴァーナの縄を切った。




 その日の夜。メッズーニは部下を連れてドンダーケ銀行から離れた所にいた。部下の一人が望遠鏡を覗き、ドンダーケ銀行の様子を見ていた。


「明かりは消えてますぜ」


「間取りが分からぬ以上、こうなったら手当たり次第に暴れるしかない。金と世界征服の為に……行くぞー‼」


 メッズーニが大声を出した後、部下達も大声を出しながらその後に続いた。ドンダーケ銀行に近付き、メッズーニは部下にこう指示をした。


「丸太用意‼」


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお‼」


 巨大な丸太を持った部下達が、無理矢理ドンダーケ銀行の扉を壊そうとした。だが、その前に部下達が持つ丸太は何者かによって斬られてしまった。


「ああ‼ 俺達の丸太が‼」


「誰の仕業だ!?」


「私達だよー」


 ドンダーケ銀行の屋根の上には、シュウ達が立っていた。バカップルの姿を見て、部下達は悲鳴を上げた。


「あいつらはあの有名なバカップル‼」


「この銀行、あのバカップルを護衛に呼んだのか‼」


「クッソー、あのバカップルが相手じゃあ敵わない‼」


「どうしましょうメッズーニさん」


 部下達はバカップルの姿を見て、やる気を失い始めた。そんな中、メッズーニは部下に向かってこう叫んだ。


「部下よ‼ もし、あのバカップルを倒したら……いろいろとしてア・ゲ・ル」


 と、ちょっとエロっぽくこう言った。その言葉を聞いた部下達は、興奮して大声を上げ、屋根の上にいるバカップルに向かって移動を始めた。


「この人達が強盗団なんですか?」


「強盗団と言うか、ただの大馬鹿集団だな……」


 バカップルがこう会話をする中、ストブが前に出て火の玉を投げ始めた。


「オラオラオラオラオラオラオラ‼ クリムとシュウには指一本も触れさせねーぜ‼」


「ちょっと‼ あまり火を使わないでよ、火事になったらどうするのよ!?」


 クララがストブをどかした後、ドゥーレが前に出て風を放ち始めた。


「どっか行っててね変態集団の皆さん」


「誰が変態集団じゃ‼」


 メッズーニは大声で叫ぶと、突如上空から電撃が発生した。


「何? 今日雨は降ってないのに」


「喰らえ変態のボスよ‼ 我の裁きの雷で裁かれるがよい‼」


 ヴァーナは魔力を発し、雷でメッズーニに攻撃を始めた。だが、メッズーニは間一髪でヴァーナが放つ雷をかわしていった。


「クッ、見た目によらず運動神経がいいな……」


「フフフフフ。これでも魔法使いなのよ、私は‼」


 メッズーニはこう言うと、魔力を開放してヴァーナに襲い掛かった。


「ほう……その魔力、かなりの強者と見た」


「下がってヴァーナ‼」


「こいつは俺とクリムでやる‼」


 他の団員を相手していたバカップルが、メッズーニの前にやってきた。ヴァーナは電撃を両手に纏い、バカップルにこう言った。


「なら、我は援護に回ろう。いざという時は我が戦う」


「ええ、お願いします」


 クリムはこう言うと、ヴァーナはにやりと笑って後ろに下がった。


 バカップルと戦う事になり、メッズーニは心の中でこう思っていた。


(ヤッベェェェェェェェェェェェェェ‼ さっきの電撃を使う子なら何とか勝てたかもしれないけど、あのバカップルが相手? ちょっと、勝てるわけないじゃない‼ 大丈夫なの私? 生き残る事が出来るの!?)


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