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アウトコーギヌとの遭遇

 翌日、バカップルとクロボンはバウソバウソに出て見回りを始めた。バカップルが歩いていると、周りの人が携帯電話やカメラを持ってバカップルを撮影し始めた。


「私達有名人ですね」


「そうだな。結構ニュースで出ているからかな?」


 そんな話をしていると、近くで人の悲鳴が聞こえた。


「奴らの可能性があります」


「早速行きましょう」


 悲鳴を聞いた直後、クリム達はすぐに悲鳴が起きた場所へ向かった。そこには武装した集団が宝石店を襲っていた。


「オラァ‼ 仕事の邪魔だ‼」


「邪魔したらぶっ殺すぞ‼」


 物騒な言葉遣いと共に、武装集団は店に押し入って暴れ始めた。この光景を見たクリムは呆れたようにため息を吐き、呟いた。


「近くでギルドの戦士がいるって言うのに……」


「一発銃で撃つか?」


「ここは私の魔法でぶっ放します」


 クリムはこう言うと、魔力を使って外の集団を爆破した。襲撃を喰らった武装集団は慌て始め、車を盾にして後ろに下がった。


「敵か!?」


「クソッ、魔法使いか‼」


「ガンナーもいるぜ」


 シュウは高くジャンプし、左手のハンドガンを発砲して隠れた武装集団を撃ち始めた。


「グガッ‼」


「クソッ、このガキ腕がいいぞ‼」


「待て……あのガキ見たことがある……」


「おいおい、まさかあのバカップルの片割れじゃねーか!? ならあの賢者も……」


「ご名答‼」


 クリムは武装集団に接近し、風魔法を発して吹き飛ばした。


「どうした!?」


「何があったんだ!?」


 中で強盗していた集団が外に戻ってきた。だが、すぐにバカップルの手によって瞬殺された。


「ふぅ。楽に終わりましたね」


「ここら辺の奴は雑魚だったんだな」


 倒した武装集団を見て、バカップルは欠伸をしていた。そんなバカップルを見て、クロボンは近付いてこう言った。


「敵はまだいます。今、周辺でアウトコーギヌが現れたと連絡が入りました」


「じゃあささっとやっちゃいましょう」


 その後、バカップルは周囲を移動しながらアウトコーギヌと戦い始めた。クロボンは暴れまわるバカップルを見て、この人達ならすぐに事件を終わらせるだろうと思っていた。




 アウトコーギヌのアジトで月を見ていた男は、ビルの屋上で騒動を見ていた。


「クリム……久しぶりだな……俺が来たら驚くだろうな……」


 男はそう言うと、屋上から飛び降りた。落下中、男は魔力を使って火の魔法を起こし、空を飛び始めた。男を見た下の人達は、驚きながら声を上げていた。


「何だあいつは!?」


「変態か?」


「空を飛んでるぞ、何やってるんだ!?」


「漫画やアニメのヒーロー気取りってか?」


 そんな声を無視しつつ、男はクリムの元へ向かった。


 クリムは戦っている中、突如発生した魔力を感じて動きが止まった。銃で戦っているシュウはクリムの異変に気付き、目の前の敵を倒してクリムに近付いた。


「どうかしたか?」


「知ってる魔力が近付いてくる……先輩‼ 私から離れてください‼」


 真剣なクリムの目を見て、シュウはその言葉の言うとおりにクリムから離れた。その瞬間、あの男がクリムに向かって飛んできた。


「久しぶりだなぁ、クリム‼」


「全く、あなたとは会いたくなかったですよ‼」


 クリムはバリアを張り、飛んでくる男の突進を防御した。その後、男は地面に着地して魔力を戻した。シュウは突如現れた男を見て、クリムにこう聞いた。


「何だあの変な男は?」


「あいつはギャザー。チュエールで私と共に修行をしていた男です。そして、私に負けた男です」


 クリムの説明を聞き、シュウは納得した。


「お前に負けた男か。クックック……酷い言いようだなぁ」


「本当の事じゃないですか。鍛錬の時に何度も私に挑み、一度も勝てなかったじゃないですか」


「黙れ‼ 今度は違う。必ずお前を倒して賢者の称号を手に入れる‼」


 ギャザーはこう叫ぶと、シュウが放った銃弾がギャザーの頬をかすった。攻撃を喰らったギャザーは後ろを見て、シュウを睨んだ。


「邪魔をするな小僧‼」


「俺の大事なクリムを傷つけたくないんでな。変態野郎」


「ぐ……俺は変態ではない」


「いーえ、あなたは変態ですよ変態野郎‼」


 クリムは風の魔法を発し、ギャザーを吹き飛ばした。その後、シュウに近付いて抱き着いた。


「先輩、私を心配してくれてありがとうございます」


「当然だ。世界で一番大事なのはお前だからな」


「せんぱ~い」


「戦闘中にいちゃつくなクリム‼」


 ギャザーはイチャイチャしているバカップルに攻撃を仕掛けたが、クリムはシュウに抱き着いたまま空を飛び、ギャザーの攻撃をかわした。クリムは地面に着地し、シュウにこう言った。


「先輩、ギャザーの変態は私に任せてください」


「俺の援護はいいのか?」


「ええ。久しぶりに会いましたが、奴の力は変わっていません。私一人でもやれます」


「分かった。怪我しないでくれよ」


「先輩も気を付けてください。私も先輩の事が大事なんです」


「ああ。頑張れよクリム」


 クリムはシュウとキスをした後、態勢を整えているギャザーを睨んだ。


「さぁ来なさい、あなたにもう一度格の差と言うのを教えてあげます」


「ふざけたことを‼ 次こそ貴様を殺す‼」


 ギャザーは叫んだ後、魔力を開放してクリムに向かって走って行った。

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