雑魚共のお掃除
スネックはグルザーク、ティラはナフ、バカップルがロボラと戦いを始める中、他の戦士達は雑魚の相手をしていた。
「ったく、本当にうじゃうじゃといるなー」
「その通りですね」
ジャックとラックは魔法や剣を使いながら、周囲に群がる脱走犯の相手をしていた。ラックの魔法にぶっ飛び、ジャックの剣技で斬られて倒れる脱走犯は、苦しそうな声でうめいていた。
「グッ……こいつら……強すぎる……」
「他の奴らは?」
「多分……やられてる」
その会話の通り、他の場所で戦っている仲間は皆宙を舞っていた。
「そりゃそりゃそりゃそりゃあああああああああああああ‼」
フィアットは両手にグローブをはめ、相手を殴り飛ばしたり、蹴り飛ばしていた。
「流石フィアットだな。俺も張り切らねーとな‼」
ハヤテは魔力を解放させ、周囲に電撃や炎を発した。それらを喰らい、脱走犯は悲鳴を上げながらぶっ飛んで行った。
「滅茶苦茶だ‼ エイトガーディアンの力がこれほどとは……」
「くっそう‼ 俺達だけじゃあ無理だ‼」
「大人しく逃げた方が身のためだ‼」
この声を聞き、恐れ入った脱走犯はその場から逃げようとした。しかし、リナサは闇で重力を発生させ、逃げようとした脱走犯を集めていた。
「うわあああああああああああああああ‼」
「体が勝手に!?」
「何だあの黒い物体は!?」
「あなた達のような人、逃がさないから。ボーノ、お願い」
「OK」
ボーノは両手のナイフに魔力を注ぎ、炎と電撃を発した。
「斬られるのと熱くなるの、痺れるのとどっちがいい?」
「どっちも嫌だ‼」
脱走犯の悲鳴を聞き、ボーノはナイフを振り回しながら答えた。
「じゃ、俺の気分で決めていいね」
「ダメだ、ふざけるな‼」
「もとより……お前らみたいなの言う通りにはしないけどな」
ボーノはこう言った後、ナイフで脱走犯を斬り付けた。この行動を見た他の脱走犯は、悲鳴を上げて逃げ始めた。しかし、どこからか飛んできた銃弾が脱走犯の足を貫いた。
「スナイパーか‼」
「何でそんなもんもいるんだよ~?」
脱走犯は物陰に隠れ、弾丸から身を守ろうとしていた。その時、どこからかいい匂いがしてきた。
「何だこの匂い?」
「花のような匂いだ。いい匂いだ……」
すると、言葉を返していた脱走犯がゆっくりと地面に倒れた。その後、別の脱走犯も次々と倒れて行った。
「お……おい、しっかりしろ‼」
意識がある脱走犯が近寄って調べると、倒れた脱走犯は気持ちよさそうに寝息を立てていた。
「何だよ、寝てるだけか……寝てるだけ?」
もしやと思い、起きている脱走犯は周囲を見回した。そこには怪しい魔力を発しているミゼリーの姿があった。
「あら、効かないようね」
「お前の仕業か‼」
叫び声と共にミゼリーに襲い掛かろうとしたが、キャニーが撃つ銃弾が脱走犯に命中した。
「アゲヤァッ‼」
「ナイスよ」
『はい、ありがとうございます』
ミゼリーはマイクを使い、遠くにいるキャニーに言葉を送っていた。そんな中、攻撃から逃れた脱走犯は、何とかこの場から逃げようと思い、こっそりと逃げていた。だが、前から影が現れた。
「逃げても無駄ですよ~」
そこにいたのはシュガーだった。手には毒々しい色の液体が入った瓶がいくつも握られていた。
「な……何だその飲んだら死にそうな薬物は?」
「いろんな毒草を混ぜて作ったちょーっと危険なお薬ですよ。死なないから安心してくださいね」
と言って、シュガーは近くにいた脱走犯の口にその物騒な液体を飲み込ませた。脱走犯は吐こうとしたのだが、シュガーがそれを許さなかった。
「うぐ……ぐぐぐ……」
その液体を飲んでしまった脱走犯は、しばらく悶えていた。
「お……おい……」
「大丈夫か?」
他の脱走犯が心配して近付くと、その脱走犯は急に立ち上がって狂ったように笑い始めた。そして、衣服を脱ぎだして全裸になり、変な踊りを始めた。
「お……おかしくなったんじゃねーのか?」
「毒の影響か!?」
「やっぱり、バクショウキノコとスーカラランダケを混ぜたらこうなりましたか。いい実験結果になりました」
シュガーはおかしくなった脱走犯を見ながら、メモを取っていた。そして、メモを取り終えて他の脱走犯にも液体を飲ませて行った。
スネックと戦うグルザークは、減って行く魔力を察して動きを止めた。
「魔力が減ってる……」
その時、スネックが撃った銃弾が飛んできた。グルザークは弾丸をしゃがんでかわし、魔力の刃を投げてスネックに攻撃をした。
「お前の武器、新しくなったようだが……無駄なことをするな」
「安心しろ。今度は頑丈に作らせた。お前がどんな手を使っても壊れねーぜ」
スネックは銃剣を構え、グルザークに斬りかかった。
「脳筋が‼」
突っ込んで来たスネックに対し、グルザークは再び魔力の刃を作り、突いて反撃を行った。スネックはグルザークの魔力の刃を粉砕し、銃剣を突き付けて引き金を引いた。
「殺しはしない。痛い目に合うけどな」
「それはこっちのセリフだ」
グルザークはスネックの銃剣を蹴り上げ、弾道を無理やり変えた。スネックは後ろに下がり、銃弾をリロードしてグルザークの方を睨んでいた。