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リベンジマッチへの幕開け

 ティラ達はキャニーとボーノと共に、シェラールのギルドへ戻っていた。ティラ達は戻る車の中で、これまでの状況を聞いていた。


「タルトさんが入院か。シュウも結構辛いだろうな」


「でも、命には別条ないので大丈夫の用です」


 キャニーの言葉を聞き、ティラは欠伸をしながらこう言った。


「心の中じゃあ動揺してると思うよ。ガンナーである以上、どんな状況でも冷静になれって私が教えたんだ」


「そうですか。ま、とにかくギルドに着いたら話をしましょう。シュウもクリムも地元のギルドの戦士が来たら喜ぶぜ」


 と、ボーノは笑顔でこう言った。


 一方、バカップルは目を覚まし、着替えをして広場にいた。


「私達が寝ている間に、騒動があったようですね」


 クリムはニュースを見てこう言った。ニュースの映像には、先ほどの暴動事件の事が流れていたのだ。


「まだ脱走した奴らがいるらしいな。一部はうっぷん晴らしで暴れてるが、そいつら以外は……」


「逃げ切るつもりで身を隠していますね」


 バカップルの話を聞いていたリナサは、シュウの服の裾を引っ張ってこう聞いた。


「お兄ちゃんやクリムお姉ちゃんの力で何とかならないの?」


「数が数ですからねぇ……。まだ発表はされてないですが、脱走犯の数は千人以上らしいですから」


「こればっかりは俺達だけじゃあ片付けられないな……」


「だから私達が来たんじゃねーか」


 バカップルはこの声を聞いて目を丸くして驚いた。すぐに声のした方を振り向き、ティラ達の姿を確認した。


「師匠‼ 皆‼」


「話は聞いたよ。遅くなってごめん」


 ラックがシュウに近付こうとした瞬間、ナギがラックに抱き着いた。


「ラックさァァァァァァァん‼ お待ちしていましたぁぁぁん‼」


「あ……ああ……待たしてゴメン」


 戸惑うラックを見て、ボーノはため息を吐きながらナギをどかした。


「驚いてんじゃねーか。話があるから席に就け」


「へーい」


 その後、ジャック達を加えたエイトガーディアンの面々は、これからの事を話し始めた。スネックがジャック達に資料を渡し、咳ばらいをした。


「俺が説明する。これからすることは脱走犯の確保、神罰の代行者を見つけ出して確保することだ」


「奴は証拠を残してないのか?」


 ジャックの質問を聞き、スネックは少し残念そうな口調で答えた。


「ああ。奴は優秀なハッカーらしく、パソコンにもハッキングした形跡を残してないし、あったとしてもパソコンを爆破してるから残ってない」


「ねぇ、脱走した奴の中に有名な奴はいなかった? 例えば、私達が過去に倒したような奴らとか」


 今度はミゼリーが質問をしてきた。スネックは資料を漁り、声を上げて驚いた。


「いる。野生の咆哮、ライフブレイカー、ブラッドデスだ」


 スネックの返事を聞き、バカップルの目つきが変わった。どの裏ギルドも、自分達が倒した裏ギルドだったからだ。




 ビンビントンホテルの裏側。人目が付かない場所で裏ギルドの連中が集まっていた。


「こんな所に呼び出して、何をするつもりだか」


 グルザークが呟くと、ナフが座ったまま答えた。


「何か仕事をしてもらいたいんじゃないの? じゃなければ、いっぺんに裏ギルドを開放しないって」


「ナフの言うとおりだ。そうに違いない」


 ロボラは立ち上がって答えた。その動きを見て、グルザークは変だと思ったので聞いた。


「立ち上がってどうしたんだ?」


「人の気配を感じる」


 その言葉の後、黒い服と帽子、そしてマスクとサングラスを付けた人物がやってきた。その手には、何かが大量に入った袋が二つあった。


「あんたが神罰の代行者か?」


「その通りだ。君達にお願いしたいのは、ある仕事をしてもらいたいからだ」


 と言って、神罰の代行者はその場に立ち止まって話を始めた。


「私はこの世界を混沌に染めたい。それだけだ。その為には君達のような血気ある人たちの協力が必要だ」


「混沌に染めたい? ケッ、よく言うぜ。何度も爆発騒ぎを起こし、挙句の果てには重罪人がいる中で脱走騒ぎを起こした。俺達の手を借りなくても十分カオスだと思うが」


「まだ足りない。この世界をもっと混沌に染めたいんだ。君達にお願いするのはもっと暴れまわってほしいのと、ギルドの壊滅だ」


「だと思った」


 ロボラはにやりと笑って呟いた。その後、神罰の代行者は袋の中に手を入れ、首輪のような物を取り出した。


「これは私が作った特殊な首輪だ。これを付ければどこにいるか分かるし、通信機具にもなる。何かあれば私から連絡を送る事が出来る」


「あんたは俺達を操作するつもりか?」


 首輪を持って不審そうにグルザークがこう聞いた。だが、神罰の代行者は冷静に言葉を返した。


「私は優秀なハッカーだ。君達の周りで何が起きているのかは、すぐに周囲の監視カメラなどの映像を見れば分かる。私は戦えない。君達を裏でバックアップするつもりだ」


「そうかい。じゃ、あんたの事は信頼してもいいんだな?」


「その通り。私は君達の力を信頼して娑婆に出したのだ」


 ナフは神罰の代行者の返事を聞き、少し考えた後でその首輪を見に付けた。


「あんたの話に乗ろう。俺達を開放してくれた貸もあるし」


 その後、グルザークやロボラ、それぞれの部下も同じように首輪をつけた。神罰の代行者はグルザーク達に分からないように、にやりと笑みを浮かべていた。

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