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暴れ始める悪人共

 バカップルは自分達が寝泊まりしている部屋でぐっすりと寝ていた。騒動のせいで、ロクに眠れていなかったのだ。しばらくすると、ボーノとキャニーが二人を起こしに来た。


「おーい。昼飯の時間だぞー」


「まだ寝てる」


 キャニーはバカップルの寝顔を見て、ボーノにこう言った。


「もうしばらく寝かしましょう。最近動きっぱなしだったので」


「だな」


 その後、ボーノとキャニーはキッチンへ戻る中、話をしていた。


「まだ神罰の代行者が何者かは分からないんだろ」


「はい。証拠が一切残ってないので」


「ただ分かるのは、あいつはかなりのハッカーかもしれないな」


 ボーノの言葉を聞き、キャニーの足が止まった。


「確かに。どこかでパソコンを操作して、対象となる場所のパソコンをハッキングし、そこから何かしらの操作をすれば……」


「何でもできるってわけだ。ただ、爆発の際に何でもかんでも証拠がなくなるからな」


 その後、二人はキッチンに付いた後、食事をとり始めた。すると、ギルドの役員が慌ててやってきた。


「ボーノさん、キャニーさん‼ よかった、近くにいて」


「どうかしました?」


「大変です‼ 脱走犯の一部が各地で暴れ始めました‼」


「面倒なことを起こすバカだな……本当にしょうがない」


 ボーノは目の前のパンやハンバーグを一気に口の中に詰め込み、物凄い速さで噛み始め、喉を鳴らしながら飲み込んだ。


「行ってくる。キャニーは後からでいいから、ゆっくり食ってから来いよ」


「はい。気を付けてくださいね」


 会話後、キャニーも少し急いで食事をし、水を飲んで出かけて行った。




 脱走犯が暴れているのはシェラールの中心街だった。ただでさえ爆破騒ぎで壊滅的ダメージを負ったのに、脱走犯が暴れ始めたせいで更に酷い事になって行った。


「うわあああああああああああ‼」


「ぎゃああああああああああ‼」


 各地で復興作業員の悲鳴が聞こえてくる。脱走犯は彼らを襲っているのだ。理由はうっぷんを晴らすため。


「はっはー‼ 邪魔する奴は皆始末する‼」


「もっと酷い事にしてやるよ‼」


 脱走犯の一部はそう言うと、鉄パイプを武器代わりにして人を殴り始めた。


 そんな騒ぎの中、ボーノが現場に到着した。ボーノは到着したと同時に、近くにいた脱走犯を蹴り飛ばした。


「おらよ‼」


「グワッハ‼」


 蹴られた脱走犯の悲鳴を聞き、他の連中が一斉にボーノに注目した。


「何だ、あの変なアフロは?」


「エイトガーディアンのボーノだ! 見た目は変だが、かなり強いぞ!」


「だが、この数で攻めれば奴を倒せる‼」


 脱走犯はこう会話した後、ボーノに襲い掛かった。


「ったく、数で押し切るつもりか?」


 ボーノは両手に剣を装備し、軽快なステップで動き始めた。


「おらぁぁぁぁぁ‼」


 後ろから鉄パイプを持った二人の脱走犯がボーノを襲った。だが、ボーノはしゃがんで攻撃をかわし、後ろに足を延ばして背後から襲った二人の脱走犯を転倒させた。そして、剣から衝撃波を発して吹き飛ばした。


「この野郎‼」


 右側から敵が襲ってきた。ボーノは敵の攻撃に合わせて剣で防御をし、右足を蹴り上げて敵を倒した。


「この隙に‼」


 すると、今度は左側から敵が襲ってきた。その数三名。すでにパイプを振り上げていて攻撃をする寸前だった。だが、それでもボーノの動きには余裕があった。


「くらえ‼」


 振り下ろされるパイプを軽快な動きで後ろに下がりながらかわし、三人の攻撃が終わった後でボーノは後ろに引いた左足に魔力を溜めた。


「チョーっと痛いぜ」


 ボーノはこう言うと、左足を猛スピードで蹴り上げ、溜めていた魔力を発した。その魔力はボールのような動きで三人に命中し、吹き飛ばした。


「強い……」


「これが……エイトガーディアン」


 周りの脱走犯はボーノの動きを見て動揺していた。これまでの動きを時間で表すと、約一分の出来事であった。


「こんなのに敵うわけがねぇ、逃げろ‼」


 敵わないと察した脱走犯が逃げようとしたが、足元に何かが飛んできた。


「お疲れ様ですボーノさん。後は私がやりますので」


「おっ、ありがとなキャニー」


 後からやって来たキャニーが、丁度到着したのだ。だが、キャニーを人質に取ろうとした一部の脱走犯が後ろから近付き、キャニーを羽交い絞めにした。


「おいアフロ野郎‼ 仲間がどうなってもいいのか?」


「あーらら。卑怯な真似をするねー」


 捕らえられたキャニーを見て、ボーノはちょっと動揺した。そのしぐさを見て、脱走犯は不審に思った。


「仲間が捕まったのに、なんで余裕なんだ?」


「後ろ見てみな」


 キャニーを捕らえた脱走犯はボーノに言われて後ろを振り向こうとしたが、どこからか飛んできた火の玉に命中してしまった。


「ぎゃああああああああああああ‼」


「何ィ!?」


 その時だった。他の脱走犯が何者かの攻撃を受け、次々と倒れて行ったのだ。ボーノはニコッと笑って手を振った。


「遠い所から来てくれてありがとな」


「なーに。困った時はお互いさんだ」


 そう答えたのはジャックだった。その後、攻撃を終えたラック、シュガー、ミゼリー、ティラが集まった。

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