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強力な援軍

 謎のメールを受け取ったナフは、不審な顔でその内容を見ていた。ナフの顔を見たグルザークとロボラはナフの近くにあるパソコンを覗き込んだ。


「変なメールでも来たのか?」


「ああ。神罰の代行者って奴から」


「今テレビを騒がしてる奴だろ。ネットにつながってるなら、ニュースを見れるはずだ」


 ロボラに言われ、ナフはネットを開いてニュースを調べた。そこには神罰の代行者が起こしたとみられる数々の爆破事件の話が書かれていた。


「ほう、こんな物騒な奴がメールをよこしてくるとは」


「お前らの裏ギルドはどこかにボスのメアドでも載せているのか?」


「そんな馬鹿な真似はしない。多分、神罰の代行者と言う奴は凄腕のハッカーのようだ」


 ナフはグルザークにこう言って、再びメールの画面を開いた。グルザークとロボラは改めてメールに書かれている文章を確認した。




 拝啓、野生の咆哮。ライフブレイカー。ブラッドデスの皆さん。私は神罰の代行者と言う者です。今日、あなた方がいる刑務所で騒動が起きたのは私の仕業です。あなた達を開放するためにシェラールの刑務所のパソコンをハッキングし、あなた方が脱走しやすいような状況を作ったのです。


 こんなことをしてまであなた達を出したのは理由があります。私はこの矛盾している世界を憎んでいます。私は極秘手段で各地で爆破テロを世界の中心街であるシェラールで発生していますが、これだけでは馬鹿なメディアが騒ぐだけで、自分の想像以上の騒ぎにはなりません。そこで、皆様のお力をお借りしたいため、今回の騒動を起こしたのです。


 すみませんが、七日後にシェラール外れのビンビントンホテル裏側に来てもらえないでしょうか? もし、拒絶するのであれば、あなた方の居場所を警察やギルドに送りつけることも可能です。


 いい返事をお待ちしています。


 PS このメールは野生の咆哮、ライフブレイカー、ブラッドデスのパソコンに送られています。




 メールを呼んだグルザークは、にやりと笑ってこう言った。


「こいつのおかげで娑婆に出れたってわけか」


 それに続いて、ロボラもため息を吐いてこう言った。


「だけど、こいつの言う通りにしないと、またブタ箱送りらしいね」


 二人の言葉を聞き、ナフは欠伸をして二人にこう言った。


「面白い。我らを助けたようだが、逆に脅してるようにも見える。気に入った。奴には借りが出来たし、七日後にビンビントンホテルへ行こうではないか」


 ナフの言葉を聞き、二人やその部下達は賛成の声を上げた。




 騒動が起きて翌日になった。バカップルとリナサはぐったりとしながらエイトガーディアンの集合場所へ向かっていた。


「お……おは……」


「ね……眠い……」


「限界……」


 三人は昨日の救助活動、それに続けて近くに来た脱走班との戦いで激しく疲れていた。バッテバテの三人を見て、ナギは心配そうにこう言った。


「疲れてるのなら休んでていいわ。後は私達でやっておくから」


「にしても、スネックはまだ帰って来んのか?」


 ボーノは空席を見て呟いた。スネックはあれからずっと戦っているのだ。今、シュウ達が集まっている中でも、スネックは今だに戦っている。


「久しぶりに相棒が戻ってきたからテンション上がってんだろ」


「戦うことした頭にない奴だからねー」


 ハヤテとフィアットはバッテバテの三人に肩を貸し、近くのベッドでネカしていた。キャニーは大きなため息を吐き、周りを見回した。


「大変な状況ね。今、自由に動けるのは私とフィアット、それとハヤテとナギとボーノさん。これ以上騒動が拡大化したら対処しきれないわ」


「どこかのギルドに応援を頼むか?」


 ハヤテの言葉を聞き、キャニーは考え始めた。


「今はどのギルドも大変な事になってるらしいわ。シェラールの刑務所にいた連中の一部が、地元に戻ってギルドに復讐しているらしいのよ。今、地方のギルドはその相手で精一杯のよう」


「暇なとこって、田舎のギルドしかねーかなー……でも、田舎のギルドってどこか……」


 その時、キャニーはある事を思いつき、バカップルに近付いた。


「ねぇ、今ハリアの村ってどうなってる?」


「ん~……私と先輩がいないから皆暇だと思います」


「ごめん、こっちに来てもらえるか聞いてくれる?」


「はい」


 クリムはシュウとリナサに抱き着かれながら、携帯を手にして連絡を始めた。




 ハリアの村。ジャックとラックはお茶を飲みながらニュースを見ていた。


「暇だ」


「向こうはそうでもないですよ。また神罰の代行者と言う奴が騒動を起こすかもしれないのに」


 ラックはバカップルの事を思い、ジャックにこう言った。


「だな。今シュウとクリムは大変だろうな。変な馬鹿の相手で疲れてるだろうし」


「そうですよ。もしかしたら、援護に来てくれって言われるかもしれませんよ」


 ラックがこう言うと、シュガーとミゼリーがキッチンに入って来た。


「朗報よ。シェラールのギルドから応援要請」


「暇だったから、ちょうどよかったね~」


 二人の言葉を聞き、ラックは目を丸くしながら呟いた。


「これなんて偶然だろう……」


「何だ!? シェラールに行くのか!?」


 話を聞いたティラが、慌てながら階段を下りてミゼリーに尋ねた。


「ええ。神罰の代行者の事件絡みよ。エイトガーディアンだけじゃ苦しいみたい」


「おっしゃー‼ 暇してたんだ、腕が鳴るぜ‼」


 ティラは腕を振り回しながらやる気アピールをしていた。

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