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バカップルVSロボラ

 クリムはロボラを見てこう思っていた。先住民の虐殺はこいつの仕業だと。


「一つ聞きます。何で関係ない先住民の方々を殺したのですか?」


「騒がれるのが嫌だったんでねぇ。うるさいから殺したよ」


「そんな理由で簡単に命を奪ったんですね……」


「そうだよ。文句ある?」


「大ありです‼」


 ロボラの返事を聞いたクリムは、怒りのあまり魔力を開放して地面を操った。クリムの足元から亀裂が走り、ロボラへ向かって割れて行った。


「大地魔法だと!?」


「私は賢者です。自然も使えますし、光と闇も使えますよ」


「そうか……今噂の最年少賢者ってのはお前の事か……」


 ロボラは亀裂から離れたのだが、今度は突如生えた木に体に命中した。


「グアッ!?」


「まだまだ攻撃は終わりませんよ‼」


 クリムは木を操り、木のツタを使ってロボラの体を絡ませた。


「クソ‼」


 ロボラは絡まったツタを何とか外すため、魔力を使ってツタを斬った。地面に降りれたものの、次に待っていたのはクリムが放った光と闇の刃だった。


「グオッ‼」


 刃の攻撃を受け、ロボラは吹き飛んでしまった。倒れるように転がり、距離を取ったものの、突如銃弾がロボラを襲った。


「何!?」


 勢いを付けて立ち上がり、発砲した者の姿を見ようとした。クリムの横には、シュウが銃を持って立っていた。


「悪いが相手はクリムだけじゃないぜ」


「ニ対一か……仕方ないな」


 ロボラは周りにいる部下に、スタッフを襲えと命令した。だが、その瞬間にクリムが大地魔法を使って木を大量に生やし、部下の動きを止めてしまった。


「そんなのありか!?」


「ありなんですよ。文句言わないでくださいね‼」


 クリムは光の粒を発し、そこからロボラに向けて光線を放ち始めた。ビームの太さは1ミリ程度。避けれなくないのだが、そのビームは土砂降りの雨のように隙間なく放たれている。避けるのは至難の業だ。


「グッ……オラアアアアアアアアアアアアアアアア‼」


 ロボラは体内の魔力を込めてバリアを発した。そのバリアで少しのビームは防げた。だが、一部のビームはバリアを貫通してロボラに命中した。


「グガッ‼」


 ビームが体を貫いたせいか、ロボラの体から血が流れている。


「ロボラさァァァァァん‼」


「倒れないでください‼」


 捕まっている部下達の声がする。ロボラも反撃に転じたいのだが、クリムの実力は自分よりはるか上だと察していた。


「仕方ない……一か八かだ」


 ロボラは炎を発し、回しながらクリムに向かって放った。


「出たぁ‼ ロボラさんの必殺技、フレイムリング‼」


「この技を見切った奴は一人としていねーぜ‼死んだなあの女‼」


 部下はロボラの技を見て勝利を確信していた。しかし、クリムはため息を吐いてこう言った。


「そんなのが必殺技なんですか? 私の方がもっとすごいですよ」


 そう言うと、ロボラが放った技と似たものを使った。だが、クリムが放ったフレイムリングはロボラよりも火の玉が多く、更に大きさも倍以上あった。それが三つ続けて放たれた。


「俺の技が……」


「あの程度ならすぐに真似できます」


「そんな……」


 その後、ロボラが放ったフレイムリングはクリムが放ったフレイムリングによってあっさり潰れ、そのままロボラに命中していった。


「グハアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア‼」


「殺された先住民の怒りや憎しみを……受けなさい‼」


 クリムは攻撃を受けたロボラの周りに水と風と雷、そして光と闇を発した。それらを操り、一斉にロボラに命中させた。その結果、花火のような爆発が発生し、ボロボロになったロボラが地面に落ちて行った。


「流石クリム。お疲れさん」


「えへへ~。もっと褒めてくださ~い」


 シュウに頭をなでられているクリムは、にやけながらこう言った。




 遺跡の中。フジヒロは全ての絵画の解析を終え、ハヤテとナギにこう言った。


「まだ道がある。行ってみよう」


「はい」


 絵画の間から別の部屋に行ける道を見つけたフジヒロ。そこからさらに奥へと進んでいった。


「罠がないですねー」


「ああ。だが、どのタイミングで来るか分からないから気を付けながら行動しよう」


 そんな話をしていると、一行は大きな部屋にたどり着いた。そこには黄金や宝はなかったが、代わりに変な道具が散らばっていた。


「これって……昔の人の生活道具?」


 ナギは近くにあった食器のような物を見てこう言った。フジヒロは周囲を見回しながら、こう呟いた。


「もしかしたら、これは遺跡ではなく、大きな家かもしれない。罠は侵入者対策で作られたんだ」


「じゃあ、昔の人はここで暮らしてたんですか?」


「そうかもしれないな。先ほどの絵画は娯楽で描かれた絵かもしれないな」


 フジヒロは答えながら、辺りを調べていた。


「これは世紀の大発見かもしれない。帰ってから専門家に見せたいから、この部屋の写真を撮ろう」


「分かりました」


「協力します」


 その後、ハヤテとナギはフジヒロの写真撮影の協力を始めた。数分後、大量に写真を撮ったフジヒロは、満足したような顔をしてハヤテとナギとカメラマンにこう言った。


「では戻るとしよう。皆待ってると思うし」

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