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ブラッドデスの襲来‼

 シュウ達によって倒され、木に縛られていた団員はロボラによって救出されていた。


「ひでーことしやがるぜあいつら」


「本当にギルドの戦士か?」


「事情は把握した。では、これから奴らを殺しに行こう」


 ロボラはこう言うと、部下達にシュウ達が残した痕跡を調べさせた。自分も一応調べてみたが、残っていたのはちょっとしたゴミしかなかった。


「どこへ行ったかは分からないな……」


「ロボラさん‼ 奴らは向こうに行ったと思います。草木が分けられた跡があります‼」


「何だと」


 分けられた草木の所へ移動し、ロボラはその前を見渡した。


「丁度人が通れるくらいに分けられているな。都合がいい。この道を行くぞ。いずれ奴らと会えるだろう」


 ロボラは前を見て、にやりと微笑んでこう言った。




 遺跡の中にいるハヤテ達は、外の騒動には全く気が付かなかった。


「外で何かあったかな~」


「あったとしてもシュウさんがいるから大丈夫よ」


「いや、クリムが戦うって可能性もあるぞ。ぶっちゃけ俺らの中で一番強いのクリムかもしれないし」


 ハヤテはナギに向かってこう言った。そんな中、フジヒロが止まれと合図をした。


「前に何かあるぞ」


「調べてみます」


 ハヤテは魔法で火を出し、目の前を調べ始めた。


「見た所変な物はないですが……念のため」


 近くに落ちていた石を拾い、目の前に向かって投げた。だが、特に何もなかった。


「不審な部屋だと思ったが、勘が外れたか?」


「いえ。不審な部屋には変わりないです」


 ナギは部屋の入口のギリギリで顔を出し、周りを見渡した。


「モンスターもいない、罠もない。多分安心かな」


「行ってみる」


 一足先にハヤテが部屋に入り、周りを見渡した。火で周りを照らすと、その壁には人の絵のような物が彫られていた。


「彫刻だわ。かなり昔からあったみたい」


「これは……大昔にいたとされた幻の国、アボリスタだ」


 フジヒロは人の絵の横にあった国旗みたいなのを見てこう言った。


「アボリスタ? 何じゃそら?」


「忘れたの馬鹿!? アボリスタは大昔にあったとされる大きな国。だけど、魔法を使った戦争で滅んだって学校で習ったじゃない‼」


「……思い出した。確かそれが初めて魔法が使われた戦争だって言ってたな」


「やっと思い出したの」


 ナギはハヤテの言葉を聞き、呆れてため息を吐いていた。そんな中、フジヒロは周りをひたすら見渡していた。


「これはちゃんと見ておかなければ。幻の国アボリスタ、この秘密が解かれるかもしれないぞ‼」


 フジヒロは少しテンションが上がっているのか、声が高くなっていた。




 外にいるバカップルは、遺跡の入口の前でイチャイチャしていた。


「帰ってきませんね~」


「遺跡の中が広いんだと思う。それと、罠だらけだし」


「生きて帰ってくればいいんですが」


「賢者様、物騒なことを言わんでください」


 バカップルの話を聞いていたスタッフは、少し焦りながらこう言った。そんな中、クリムはある気配を感じて立ち上がった。


「またモンスターですか?」


「いえ、魔力を感じます。スタッフの皆さんはどこか隠れてください」


 クリムの言葉を聞いたスタッフ達は、慌てて身を隠せる場所へ移動した。シュウは立ち上がって銃を持ち、シュウを見渡した。


「ブラッドデスの連中かもな」


「ええ。私達が倒した団員を助けたんでしょう」


「結構きつめに縄を縛ったつもりなんだけどな。ナイフで斬っても難しいと思ったのに」


 シュウはこう言った直後、銃を発砲した。その直後、男の悲鳴が聞こえた。


「近くに来たぞ」


「はい」


 クリムは魔力を開放し、見えない風を周囲に発した。しばらくすると、ブラッドデスの団員達が姿を現した。


「見つけたぜギルドの戦士‼」


「やられた仲間の仇を取らせてもらうぜ‼」


「それはこっちのセリフです。無関係な先住民を殺した罪、今ここで償いなさい‼」


 クリムの叫びの後、クリムは見えない風を破裂させた。破裂の時に、細かくて小さい風の刃が敵を襲った。


「ギャアアアアアアアアアアアアアアア‼」


「風を発していたのか‼」


「いてええええええええええええええ‼」


 風の刃を受け、敵は倒れて行った。


「雑魚を倒しても意味がありませんね」


「あいつがボスかもな」


 シュウは団員の後ろにいるロボラを見てクリムにこう言った。


「先輩、ここから撃てますか?」


「ああ」


 シュウはライフルを構え、ロボラに向かって発砲した。だが、発射された弾丸はロボラの前で灰になった。


「火の魔法使いですね」


「くくく……馬鹿だなお前ら。ロボラさんは自然魔法のエキスパートだぜ。いろんなものが使えるんだ……」


 クリムの近くで倒れている団員が、笑いながらこう言った。クリムは呆れてため息を吐いた後、その団員を強く踏んづけてこう言った。


「自然魔法を使えるから何ですか? 私はそれ以外にも大地と光闇の魔法が使えますよ」


「そ……そうなのね……」


 強い攻撃を受けた団員は、情けない声を出した後、気を失った。その時、ロボラが魔力を開放してクリムに近付いた。


「酷い事をするねー。俺の仲間をこんなに痛めつけてさー……」


「黙りなさい、殺人者」


 クリムは怒りながら、魔力を解放した。

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