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ブラッドデスの目的

 ブラッドデスの団員を捕まえたシュウ達は、団員を木に縛っていた。


「では起こしましょうか」


「オッケー」


 シュウは水が入ったバケツを用意し、気を失っている団員に水を浴びせた。


「ブッバァ‼」


「助けて溺れる……夢か」


「ゴフェェッ‼」


 団員達は目を覚まし、今自分達がどうなっているか状況を把握した。


「クソッたれ‼ 早く縄をほどけこの野郎‼」


「強がりを言うんじゃねーよ。この状況でよくもまぁそんなことを言えるな」


 シュウは騒いだ団員の額に銃を突き付けてこう言った。冷たい銃口の感覚を額で察し、団員は言葉を失った。


「まさか、本気で撃つのか?」


「お前の返答次第でな」


「ここは大人しく私達の質問に答えた方がいいですよー」


 クリムは右手に闇、左手に光を発してこう言った。下手にあがいたら自分達の命がない事を察した団員は、大人しくなった。


「分かった。お前達が聞きたいことを答えてやる」


「では一つ。あなた達のボスはどこですか?」


 クリムの質問を聞き、団員は互いに見合わせた。


「どこって……どうやって答えればいいんだ?」


「周りは木や草しかないもんなー」


「分かりやすい物がどこかありませんか?」


 クリムの言葉を聞いた団員の一人が、何かを思い出したかのように答えた。


「建物の中だ。ぼろっちいけど。それなりに広いから他の皆もいる」


「次の質問。何でここへ来た?」


 次の質問はシュウが聞いた。シュウの言葉を聞いた後、団員はすぐに答えた。


「俺達、エイトガーディアンの連中と戦ってたんだよ。それで負けそうになったから、動ける奴らとボスを連れてここまで逃げてきたんだ」


「エイトガーディアン? もしかして、キャニーとフィアットの事かも」


 話を聞いていたナギがこう言った。


「お二方があいつらと戦ってたんですか?」


「うん。思い出したわ。フィアットが前に裏ギルドの討伐依頼を受けてたわ」


「二人にやられそうだったから逃げたってわけか」


 シュウがこう言うと、団員は頷いた。そして、シュウは次の質問を聞いた。


「お前達の目的はなんだ? 逃げるだけでこんな物騒な所へは逃げないだろ」


「それはその……たまたまで……」


 団員はシュウの目をそらしながら答えた。その答えがすぐに嘘だとシュウは判断し、銃を突きつけた。


「言え。下手な嘘芝居は止めるんだな」


「分かった、分かったから銃を下ろしてくれ‼」


 観念したと思ったシュウは、銃を団員の額から降ろした。だが、まだ銃を手にしていた。


「本当のことを言うよ。俺達はここに逃げて時間を稼ぎ、再びアジトへ戻ろうとしたんだ。今すぐ戻ろうとしても、さっき戦ったエイトガーディアンがいるだろうしな」


「まぁ確かに」


「時間稼ぎのため……そんな理由の為で無関係の先住民を殺したのですか?」


 クリムは魔力を徐々に高めながら近づいた。怒りで魔力が上昇していることをシュウは察知し、クリムを落ち着かせるためにクリムを抱きしめた。


「よせよクリム。そんなに魔力を出してるとばてるぞ」


「すみません先輩。ちょっと感情的になってしまいました」


「気持ちは分かる」


 と言っているシュウだが、そのままクリムといちゃつき始めた。バカップルを無視し、ナギは団員達に話を続けた。


「とりあえず私が変わって質問を続けるわ。何であんたらは先住民を殺したの?」


「襲われたから」


「そう。襲われたから返り討ちにしたってわけね。まぁ、よそもんが勝手に村に入り込んだらそうなるわね」


 ナギは理由を聞いて納得した後、シュウとイチャイチャしているクリムにこう言った。


「話は終わったわ。後でキャニーとフィアットに連絡するから、それまでこいつらを動けないようにして頂戴」


「え~、ちょっと待ってくださいよ~」


 クリムはシュウとイチャイチャしているせいか、にやけながらこう答えた。その後、イラッとしたナギは拳骨で団員を殴り、気絶させた。




 その頃、ハヤテとフジヒロは怯えるスタッフを守るために彼らの傍にいた。


「まさか裏ギルドと戦う事になるとはな……」


 フジヒロは筋トレをしながらハヤテにこう言った。ハヤテはそれに答えようとしたのだが、筋トレに精一杯でうまく話をする事が出来なかった。


「確かに……こんな所に……裏ギルドが……逃げるなん……て……」


「無茶しなくてもいいぞ。少しきついのであれば休めばいい。無理にしなくてもいいさ」


「はい」


 ハヤテはそう返事をし、その場に倒れた。


「まぁ。確かにこんな所に裏ギルドが逃げるなんて思ってもいませんでしたよ」


「だが、君達がいるから安心している。スタッフは不安でいっぱいだがな」


 フジヒロはびくびくして周りを見ているスタッフを見て話をした。その言葉を聞いてハヤテは思った。確かに裏ギルドがこんな危険な所にいるなんて思ってもなかっただろう。ただでさえ危険な状況で危険なモンスターがたくさんいるのに、更に裏ギルドがいるとしたらスタッフとしては気が気ではない。


「何とか裏ギルドと遭遇せずに奥まで行ければいいんだけどなー」


「物事は都合よく進まないからな。とにかく我々にできることは、気を張って動くこどだけだな」


 フジヒロは筋トレを追えたと同時に、息を吐いてこう言った。

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