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それぞれの依頼の終わり

 ナフ達ライフブレイカーの戦いはすぐにニュースで取り上げられていた。事務所でテレビを見ていたラック達によると、すぐに速報で流れたという。その後、ライフブレイカーの団員を取り調べていたナギ達によって、ブランビによる委託殺人が判明し、すぐにブランビは逮捕された。それを見て、コンリはにやけていた。ライバルが減ったと心の中で大爆笑しているのだ。




「とりあえずシュウ達の依頼の方は終わりそうだね」


「ああ。めんどい敵だったよ」


 レストランで食事をしていたシュウとラックはこう話をしていた。シュウの横に座るクリムとリナサはラックにこう言った。


「お姉ちゃんが怒ったからすぐに終わったけど」


「本気を出して戦う相手ではありませんでしたね。ラクショーでしたよ」


 と、クリムは笑顔でこう言って魚のフライを食べていた。


「でも、シュウ君達に傷が無くてよかったよ。あのおっさんにはそれなりの傷はあったみたいだけど」


「あのロリコンクソ親父の事はほっておきましょう。それよりも、シュガーさん達の依頼はどうなるんですか? 今回の事件があっても、奴がひいきしている企業による票があります。まだ奴が落選したってわけではありません」


 心配そうにクリムがこう言ったが、シュガーは心配することなくポテトを食べていた。


「大丈夫だよ。とっておきがあるから」


「とっておき?」


「何ですか?」


 シュガーが言うとっておきが何なのか気になったシュウ達は、シュガーが取り出した端末を見て驚いた。


「これはどこで……」


「あいつが利用したホテルの従業員から貰ったんだよー。ホテルには犯罪が部屋で起きた時に証拠になるように、隠しカメラがあるからね」


 と、シュガーは笑顔でこう言った。




 翌日。シュウ達護衛の依頼を受けた戦士達は投票会場で待機していた。ライフブレイカーは全員捕まえたのだが、まだ変な輩がいる可能性があるので、護衛の仕事をしていたのだ。


「それでは結果発表を行います」


 司会者がモニターの前から外れ、役員にモニターを操作するように伝えた。その後、モニター上には立候補者の名前が映し出された。


「今回の大臣選挙で選ばれたのは……」


 と言いながら、司会者は間を開け始めた。それを見ていたコンリは「早く発表しろよ丸縁メガネ‼」と心の中で叫んでいた。自分が当選すると思っていたのだ。


「無所属新人、オマルニ・マタガールさんです‼」


 発表を聞き、コンリの目が点となった。スポットライトを当てられた先には、一人の男性が目を丸くして驚いていた。


「え? 俺ですか? 俺が当選したんですか!? やったー‼」


「何でじゃ!? 何でわしじゃなくてあんな凡人が選ばれたんじゃ!?」


 コンリは大声で叫んでいたのだが、声を聞いて呆れた部下が欠伸をしてこう言った。


「知りませんよ。もしかしたら日ごろの態度や悪事を隠してたのがばれたんじゃないんですかねー?」


「ま、選挙が終わった以上、俺達の仕事は終わったんで。あざしたー。あ、ちゃんと金は払ってくださいねー」


 と言って、部下達は去って行った。


 数分後、誰もいなくなった会場にコンリは残っていた。まだ落選したショックで動けないのだ。


「何でだ? 経験も知識もない奴が何で選ばれた? そもそも組織票はどうなったのだ? 私にいれるように裏で回していたのに‼」


「それは自分で考えてください」


 そう声を出したのはクリムだった。その横にはシュウとタルトとリナサ。そしてラック達が後ろにいた。


「どういうことだ? というか、後ろの連中は誰?」


「別件であなたに用があってきました」


 ラックはそう言うと、魔法でコンリの手足を封じた。


「何をする!? おい、私に何かするつもりだぞこいつら‼ 今すぐに助けろ‼」


「あなたの依頼は先程終わりました。今はもう依頼者とギルドの戦士の関係ではありません」


 冷静な口調でタルトがこう言った。この言葉の後、シュウとクリムとリナサがコンリを取り囲んだ。


「ど……どういうことだ?」


「この事についてお話があります」


 クリムが持つ端末には、未成年とホテルの部屋にいるコンリの映像が映っていた。それを見て、コンリは口を開けて驚いていた。


「な……何でこの映像が? 消せと言ったはずなのに」


「あなたの事が嫌いな従業員が残してたんだよ~」


 シュガーはどす黒い笑みをし、コンリに近付いてきた。


「私達はあなたを捕まえてくれって頼まれたの。あなたのせいで一組の家族が滅茶苦茶になったの」


「あんたにばれないように、私達がその映像をネット中にばらまいたのさ。そしたらどんどん広がったんだよ。あんたが裏を回した企業にもこの事が伝わったぜ。だから票が入らなかったんだよ」


 ティラの説明を聞き、コンリは体を震わせながら叫んだ。


「この卑怯者どもが‼ こんな手を使って私を捕まえて楽しいか‼」


「悪人を捕まえるためなら何だってするぜ~?」


「大臣になって自分の悪事を闇の葬ろうとしましたが、それが逆にあなたを苦しめましたね」


 ラックは叫び続けるコンリを魔法で黙らせ、シュウ達の方を振り向いた。


「じゃあ僕達は村に戻るよ」


「ああ。互いに依頼が達成できてよかったな」


「うん。シュウ達も頑張ってね」


「おーい‼ 早く来いよラック‼ 車が待ってるぞー‼」


「ティラさんが呼んでる。じゃ、行くね」


 と言って、ラックは去って行った。

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