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ナフとの戦い‼

 シュウと合流したクリムとリナサは、そのままコンリの元へ向かって飛んでいた。だが、そのコンリの近くにライフブレイカーが乗る車が近付いて来ていた。


「はぁ……はぁ……はぁ……」


 肥えた腹を揺らしながら、コンリは一生懸命に、息を切らせながら走っていた。だが、あっという間に追いついてしまった。


「よーおっさん」


「悪いがあんたを殺す。仕事なんでねぇ」


 車にいたナフが窓を開け、水の魔法を発してコンリにこう言った。


「ヒィィィィィィィィィ‼」


 自分の命を狙う奴が現れた。そう思いながら、コンリは悲鳴を上げて逃げようとしていた。しかし、走ったせいで足に痛みが走り、言う事を聞かなかった。


「じゃーねー」


「させませんよ‼」


 その直後、上空からクリムの声が聞こえた。それからすぐに弾丸と雷の魔法が、ナフ達が乗る車に直撃した。


「おわァァァァ‼」


 攻撃を受けた車は大きな音を立てながら横転した。


「いつつつ……爆発する様子はないな……火の気もない」


 ナフは痛めた体で起き上がり、外の様子を見回した。


「ボス、どうするんですか?」


「俺一人でやってくる」


 話を聞いた部下は驚いて立ち上がろうとしたが、体に激痛が走った。


「止めときなって。その体じゃあ俺の仕事の足手まといになる。終わらせた後で治療すっから、そこにいな」


「は……はい。ご武運を」


「あいよー」


 ナフはジャンプして車から出て、腰が抜けてその場に倒れているコンリに近付こうとしていた。だが、上空からシュウ達が現れた。


「君達の仕業だね……」


 ナフはシュウ達の顔を見て、ある事を思い出した。


「クククククク……まさか有名なバカップルが俺の相手とはねぇ」


「笑ってられるのも」


「今のうちですよ」


 シュウは銃を構え、クリムは周囲に雷を発し、ナフに攻撃を仕掛けた。攻撃に対し、ナフは目の前に氷の壁を作って防御した。


「水の魔法ですね……」


「私に任せて」


 リナサが前に立ち、闇魔法で氷の壁を消し去った。三人の実力を見て、ナフは舌打ちをした。先ほどの行動を見て、ナフはまだあれ以上の力が奴らにあると思っていたのだ。


「仕方ねーな……あんたらの始末は後にして……」


「させっかよ‼」


 シュウが銃を撃ち、ナフの攻撃を邪魔しようとした。しかし、ナフは飛び上がって銃弾をかわし、再び魔法で水を発し、コンリの周りに囲んだ。


「な……何だこれは!?」


「何って、ただの水だよ。あんたを殺すためのね」


 この直後、水が球体状に形を変化させ、コンリを閉じ込めた。


「さーて、これで俺の仕事はおしまいっと」


「させません‼」


 クリムは大急ぎでナフを攻撃し、リナサは光を発して球体状の水を破壊しようとした。しかし、リナサの魔法は球体状になった水に通用しなかった。


「どうしよう、破壊できないよ」


「残念でした。ただの水じゃねーんだよ。魔法でちょいと細工した特殊の水さ。俺を倒さない限りは解除されないぜ……ククククク、俺を倒すまでにあのおっさんを助けられるかな?」


「助けます。仕事なので」


 クリムはさらに魔力を開放し、逃げ始めたナフの後を追いかけた。シュウもリナサの所へ近づき、一緒にクリムとナフの後を追いかけた。




「待ちなさい‼」


「待てって言われて待つ奴はいねーよ」


 クリムは逃げるナフに目がけ、魔法を放っていた。周囲に建物はあるが、人はいないのでクリムは問答無用で魔法を放っていた。


「どうした最年少賢者ちゃん? 賢者様でも俺を倒すのは不可能らしいね」


「あまり私を怒らせない方がいいですよ……」


 クリムの言葉を聞いた後、ナフは悪ふざけでさらに挑発を続けた。


「そんな大事を叩くんじゃねーぞ馬鹿野郎が‼ 所詮お前はガキだ、賢者とか言われてはやし立てられてるが、やっぱり大した実力のないクソ雑魚野郎だ‼ そんな奴が俺を倒す? 寝言なら寝て言え、その位賢者様で分かるんじゃねーの?」


「安い挑発で私を怒らせるつもりですか?」


「安い挑発? ギャハハハハハハハハハハハハ‼ そんなんじゃねーよ。俺は本当のことを言ってるんだよ。確かお前、ハチェーズTVだかのお偉いさんを助けられなかったんだよな? 人の命を助けられなかったギルドの戦士が、もう人の命を助けられるとか思ってんじゃねーぞ‼ 所詮、お前は底辺のクソ雑魚魔法使いだ‼ おめーもそうだし、あの考えなしに銃を撃ってた馬鹿な小僧もな‼」


 その直後、突如ナフは悪寒を感じた。


「もう一度言ってみなさい……私は何と言われてもバカの言う言葉として流します。しかし、先輩の悪口だけは絶対に許しません‼」


 クリムの方からとんでもない量の魔力を感じていた。ナフは察した。クリムは自分の中にある最大限の魔力を開放しているのだと。


「それが……最大の魔力か……」


「いえ。これでも三割程度です」


「嘘だろ……」


 その直後、ナフの足元から巨大な棘が現れた。何とか攻撃をかわしたが、続けて横から風の刃がナフを襲った。


「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア‼」


 攻撃を受け、地面に落下しようとしているナフを待ち受けていたのは、巨大な炎の渦だった。


「オイオイ、こんなのありか」


「あなたみたいな三下に本気を出したくはないんですが……私を怒らせた以上、どうなっても知りませんよ」


 ブチ切れたクリムが、ナフを睨んでこう言った。

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