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【第一章】鬱の俺が異世界召喚《第一話》
【鬱】それは、心を蝕む病
【鬱】それは、現代社会の多くの人を苦しめる病
【鬱】それは、俺を苦しめる呪い・・・
「ダメだ・・・今日も体が動かない」
午前10時、俺は目を覚ました。
最後に気持ちよく起きることができたのは・・・そう、1年以上前の話だ。
今では、朝起きると体の不調が無いか確認する毎日。
今日は体が動かない、だけど頭痛は少ないし、気分はまあまあ悪くない。
昨日は頭痛が酷かったことを考えると今日の方がマシだろう。
なんでこんな調子なのか?
それは、俺が【鬱】になったからだ。
【鬱】になったのは1年前、仕事のストレスが原因で【鬱】になった。
始めの頃は「単なる疲れだろう」と自分の症状を甘く見て、少し休んでは会社への復帰を繰り返していた。
だが症状は悪化、実家が暮らしの俺は親から精神科で診断を受けた方が良いと促され、
「桐生晶さん、あなたの病名は【鬱】です」
と、医者に言われてしまった。
その次の日から、俺は会社を休職して実家の自分の部屋で悶える日々を過ごすことになり、俺の日常は急変していくのだった。