今までにしたことが無かった小説の書き方を体験してみて
小説家になろうに登録して、小説を投稿するようになり2、3年というところでしょうか。
どうすればPVが増えるのか、どう書けば評価Pが増えるのか、ということに悩み、なかなか書けなくなったりしていました。
最初の頃は何も考えずにただ、書いていたように思います。
次は何を書こうか、どうすればウケるのか。悩むばかりで何も出てきません。
そんなときにこの、小説家になろうで縁のできた方と少しメッセージなどでやり取りをしていました。
その人に向けて日常でも少し役立つ豆知識なども入れて、ひとつファンタジーものを書いてみようと思い立ち書いてみることに。
それなら主人公もこの人のイメージで書いていけば共感を得られるかも、感情移入しやすいかも、と。
メッセージでのやり取りのみで、本人と直接お会いしたことも無ければ、電話などで声を聞いたこともありません。
なので、
「主人公のイメージモデルの半分は、あなたの活動報告とエッセイなどから想像したあなたです」
とお伝えしたところ、
「それなら読まないと、ついでに誤字のチェックもします」
と、なりまして、第一話からがっつりと読んで貰える、第一の読み手ができました。
いかにその方に楽しんで貰えるか、それを大事にして書こう。ただ、ひとりの読み手を意識したものを書くという初めての試みでした。
毎日更新を続け、ひとつ更新する度に、感想がメッセージで届き、誤字、脱字、表現の解りにくいところなど、気がついたところを細かく教えていただきました。
好きなゲームの話を聞いたので、ゲームの中によく出てくるものを、ちょっとひねくってみた世界観にしてみたり。
主人公は元気で明るくとしてみたり。この辺り、根の暗い、または世を拗ねた主人公ばかり書いていた私には新鮮なものになりました。
レスポンスが早くて、楽しんで貰えているということが伝わってくるメッセージの文章を読むと、モチベーションが高まり、次から次へと書いていきました。
最終話まで書いたところで、19万字。20日でこの分量は私の最速記録になりました。
説明不足で解りにくいところを教えてもらい、後で付け足してみたり。
人の歩き方なんてものを入れてみたところ、
「足音についてなんですけど……」
と、話があり、急遽、足音についての部分を書き足して挿入したりなど。
こちらから、
「ちょっと下品なネタが入ったりしても大丈夫ですか?」
と、伺って、
「大丈夫ですよ」
と、了承を得たりと。
小説の中で、ここで驚かせてみようか、というネタを入れてみると。
「ビックリしました。ええ、やられた、と思いました」
と、反応が返ってきて嬉しくなったり。
「このセリフがツボに入った!」
よし! 刺さった! とか。
「このシーン、可愛い」
と来れば、この感じを増やしてみようかな? とか。
「〇〇〇の後輩って、誰?」
ここからおまけの1話ができたりと。
主人公が食事をするシーンでは、さて、この方の味覚はどうだろう? と想像して主人公に反映させてみました。
するとご本人からは、
「私も主人公とおんなじです」
と、後から聞いて、当たったと思いつつも驚いたりしました。
ひとつひとつがひとりで思い悩み書いていたときとは違い、この後の展開はどうするか、というのが、やりとりの中から自然とできあがったように思います。
かけ足で一気に書いた、というものですが書き終えると今までに無い満足感を得ました。
最終話を書き上げた後、メッセージで感想をいただきました。話に出てきたキャラクターひとりひとりへの感想もあり、なるほど、と書いた自分が思うところもありました。
「面白かったです。お疲れさまでした。ノッて書いてるのが伝わってきました」
私もここまでノッて書いたのは初めてです。
「とても楽しい二週間でした。本当にありがとうございます」
こちらこそ新たな発見ばかりで感謝です。ありがとうございます。
この書いた小説を読んだ私の友人からは、
「この主人公、男の読者より女の読者の方がウケが良さそう」
とも言われ、どうやら自分が書いたものの中では女性向けになったようです。第一の読者が女性ですからね。
こうして書き上げてみると、自分はこれまで評価にPVを気にし過ぎて囚われていたのだな、と改めて知ることができました。どうにも年寄りの愚痴っぽくなるところを、ようやく人を楽しませる物が書けたか、と自己満足しております。
誰に、どんな風に、どの部分をどの様に感じて貰うかを、今までよりも深く考えて書くという体験ができました。
当たり前と言われればそうかも知れませんが、これは見失いやすいことでもあるのではないかと。
いつか書籍化、小説家に、などと甘い夢を見つつ、誰に何を伝えたいのかを見失っていたところ。
こういうことを書きたかったのか、と少し己を見つめ直すことができたような。
そんな気分に浸っています。
こういう書き方というのもなかなか良いものです。
稀な機会を与えてくれた、このサイトと第一の読者に改めて感謝です。
書き上げたら書き上げたで、けっこう良くできたんじゃ無い? と、応募タグを付けてみたり。