第四章 討伐
こんにちは、フリムです!
待ちに待っていた方ありがとうございます!
今作も楽しんで頂けると幸いです!
命の民というお客の来客により、ヨハナは少し席を外すことになった。
ヨハナが戻ってくるまでの間さっきみた夢に出てきた女の子について考えることにする。
確か、角とか尻尾とかはえていて人間ではなかった。どちらかというと魔族だ。でも、どこかであった気がするんだよな……。魔族と接点はないはずなのに……ウーン。
それに、あの場所。争いに巻き込まれたことも参加したこともない。だったらあの場所は何なんだ?予知夢?それとも記憶にないだけ?本当は起きた出来事?
募る疑問。だめだ、全く検討もつかない。
その時、扉が開きヨハナが戻ってきた。
「おまたせ。大した用事ではなかったみたい」
そういってヨハナは木で作られた丸椅子に座った。
「ねえ、ヨハナ。命の民って何なの?」
ヨハナは口元に手を当て少し思案した。どうやら、ヨハナは何かを考えたりする時口元に手を当てるのが癖なようだ。
「ずーっと昔の話になるんだけどね……。元々はこの世界はバランスが取れていない不均衡な世界だったの。ある場所では空間が歪みどちらが上か下かも分からない。ある場所では時間軸がずれ、その境界線は無に侵食され世界は蝕まれていた……。天候は荒れ生き物は次々と死滅していったわ。人間と魔族、獣族、妖精、女神族、天界人、機兵民、歪から生まれしもの、これら8つの勢力は争いを続けたわ。ここまでで何か質問はある?」
「最後の3つの勢力についてもう少し詳しく聞かせて」
「天界人、機兵民、歪から生まれしもののことね。まず天界人は簡単に言って女神族の分離したものよ。天界人と女神族は持つ役割が違うのよ。天界人は予知し、女神族は天使を召喚する。でも天界人の予知能力は衰えだし、天界人と女神族の均衡は崩れだしたわ。機兵民はこの世界に元々暮らしている民よ。でも、察していると思うけど彼らは機械でできている。人間が作ったものではないのは確かね。あれだけの技術、残念ながら人間は持ち合わせていないもの。最後に歪から生まれしものね。そもそもこの争いには人間と魔族、獣族、妖精、女神族、天界人、機兵民しかいなかったの。でも不均衡なバランスとこの争いによって生み出されたのが歪から生まれしものよ。」
タイミングを見計らって執事が温かい紅茶を運んできてくれた。香りが良くとてもリラックスできる。執事にお礼を言って、紅茶を口に運ぶ。紅茶に関してあまり詳しくないけどこれだけは言える、美味しい。
驚くをヨハナは微笑んでみていた。ヨハナが紅茶を飲んでいる姿はどこかの国のお姫様の様だった。
「それで、話の続きなんだけどね。この争いがなぜ起こったのか、なぜこの世界のバランスが崩れたのかも結局分からなかったの。」
ヨハナは丸椅子から立ち部屋の端にある木で作られた大きな本棚の方へ歩いていった。そして、ある1冊の本を手に取り戻ってきた。
とても分厚い本で大きく、年季が入っている。表紙は茶色い皮でコーティングされている。ヨハナはパラパラとページをめくり僕に見せた。それは当時の争いの勢力図だった。幸い文字は日本語で読むことが出来た。
ここよ、とヨハナが指で示した場所には9つ目の勢力が描かれていた。命の民。
「でも、この命の民は争いに参戦していないし巻き込まれてもいないのよ。どこの種族の文献にも記されていなかったのよ。それゆえ、命の民がこの争いに参戦していた人間と魔族、獣族、妖精、女神族、天界人、機兵民、歪から生まれしものの8つの種族を統一したわ。でもおかしいと思わない?」
「命の民にとって都合が良すぎる、か」
「あら、あなたって頭の回転が早いのね」
どこの世界でも女性に褒めれらて悪い気はしない。
「私はこの命の民の目的と何が起こったのかを探求してるの。でも、いつもはこの周辺を魔族やモンスター等の外敵から守っているの。代々受け継がれてきたことだしね」
「なるほど。それであの時に至るって訳か。あの時確か僕が聞いた鳴き声はやや高い音でグギャアアだったな。」
「と、すると可能性は3つに絞れたわね。鳥類系のモンスターかドラゴン、あるいは魔族ね」
魔族……か。この世界に転移してまだ数日しか経っていないのにどれが強くてどれが1番相手として分が悪いのか感じる。魔族。魔族は最下級のものでも強い……。人間1人に対し、魔族1体ではかなうものではない……。
「私は今から討伐しに行くけど、あなたはどうする?」
軽く頷き意思を伝える。
そう、と僕の意思をとると、ヨハナは手元にあったベルを鳴らし執事を呼んだ。
「すでに、準備は整っております」
「では、いきましょう。討伐へ!」
いかがでしたでしょうか?
次回は本格的に討伐へ移っていきます!
また、次回は4月13日(金)に投稿します。