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第三章 ヨハナ・ネイカトーラ

 こんにちは、フリムです!

 実は今年初の風邪をひいてしまいまして結構だるいです笑 ( ̄▽ ̄;

 今作も楽しんでもらえると幸いです!

 一面赤と黒に染まった荒野。所々消えかけの火が微かな黒煙を発している。建築物の跡らしきものがあり地面にはたくさんの剣が刺さっている。たくさんの焼け傷ついた鎧に、少し大きめな鉄球、空気中には黄色や緑、赤色等の煙のようなものと死臭が漂う。もちろん死臭は兵士の肉片から出ている。

 

 そんな一角に僕は立っていた。四方八方気味の悪い風景に囲まれ物凄く気分が悪い。でも、そんな気分は目の前の意識しているものに奪われている。

 軽装な鎧を纏い所々傷を負っている女性。肩程まで伸びている赤髪。でも、人間ではない。彼女の後ろでは細く長い尻尾がクネクネと動いている。手には赤色の染まる歪な爪。額からは赤色の角が二本生えている。

 会ったこともないのに会ったことがある気がする。ずっと長く一緒にいた気がする。理由が分からないのに涙が頬をつたっている。

 

 

 

 

 

 

 

 目を開くと綺麗な女性が心配そうに顔を覗き込んでいた。

 「大丈夫?」

 

 ど、どういうことだ……?えっと、確か気味の悪い荒野にいて……。思い出しつつ横たわっていた体を起こす。体を起こしてから気付いたが、俺はベッドの上で寝ていたようだ。

 

 「手荒な真似してしまってごめんなさい」

 

 動揺していた僕に金髪の女性が口を開いた。

 えっと…、何かあったっけ……?もう一度注意深く、もっと昔から過去を見返す。

 異世界に転移されて、スライムを倒して、それから…あ、街に行きたくてこっちに向かってきた馬車に声をかけたんだっけ。それから……。

 あ!僕は馬車に乗っていた女性の呪文?で何か起きたんだ!

 過去と現実が繋ぎ合わさり、隣にいる女性に自然と目がいく。

 「あなたが、あの女性……?」

 

 女性は軽く目を伏せ、伸びた髪を後ろに手で束ねてみせる。

 あぁ、間違いない。あの女性だ。でも、ただの拉致ではないのだろう。だって、強引なやり方しておいてベッドで休ませてくれていたのはギャップがありすぎる。そういうプレイなら例外かもしれないが……。

 

 「あなたは誰ですか?どうして拉致ったんですか?」


 女性は片手を口元に添え少し思案した。 

 「私はヨハナ。ネイカトーラ家の現当主よ」

 

  ネイカトーラ家?

 

 「あの場所は2週間前ぐらいから事件が絶えなくてね……。あの近辺を通った者は皆行方不明になってるの。それで、私は魔精霊を使って索敵してたのだけど、殺されちゃって……ね。現地に出向いた時あなたがいたって訳。私はあなたが犯人だと思って魔法で眠らせたのよ。後はあなたが分かってる通り私の間違いで、せめてもの償いで看病させてもらってるのよ」

 

 そういうことだったのか。何か手掛かりとかあれば協力出来るんだけどな……ハハハ……。

 ん?そういえば、1つ腑に落ちない点がある。

 「あの、スライムの鳴き声ってどんな感じですか?」


 「スライム?あれは、確か鳴かないわね」

 

 それなら、あの鳴き声は!

 「もしかしたら、探しているモンスターの鳴き声を聞いたかもなんですが」

 

 ヨハナは目を輝かせ僕の両手を掴んだ。

 「ほんとっ!?是非どんなだったか……」

 

 コンコン。

 「失礼します。ヨハナ様。西北より命の民が来ております」

 

 扉を開けこの部屋に入ってきたのはスーツ姿の執事だった。

 

 「命の民ですって?こんな時に何の用かしら。いいわ、客間に通して」

 

 執事は伸ばした右手を胸に当ててお辞儀をした。

 次回は3月17日(土)に投稿します!

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