第二章 初戦
第二章ここに投稿します(`・ ω・´)ゞビシッ!!
楽しんで頂ければ幸いです
街を目指すことに決めたが、果たしてどちらに行けばいいのだろうか。
道は一本道でも選択肢は2つ。右か……、左か……。
よくラノベだったら、視界の隅にステータスバーとかあって、地図でもマップでもあるようなものだが……。もしくは、可愛い女の人とかと知り合って進行していくものだが……。
異世界は異世界でもファンタジー溢れる異世界ではないのだろうか?そんな疑問を抱きつつ適当に道を決めた。
「んー、右に行く…か」
武器無し、アイテム無しのこの状況でモンスターと出会ったらどうしようか……、なんてことを考えながら、目の前の道を進む。
歩きながら周囲の景色に意識を集中させてみる。開けた土地には適度に生える緑の木。眩しい太陽を浴び葉が光っているように見える。道以外には数cmに揃った柔らかな草が生え、暖かな風に吹かれソヨソヨと音をたてている。遥か上空には鳥が数羽飛び、この心地よい景色を謳歌しているようである。
そんなのんびりとした空間を1つの叫び声が裂いた。
「グギャアアアァァァァァァ」
高く唸る獣の鳴き声。
俺は咄嗟に構え勝ち星の見えない戦闘に備える。柔道部や空手部の人達が今の俺の構えを見たらきっと笑うだろうな……、うん、きっとそうだ。
構えてしばしの時が過ぎる。すると跳ねた水のような音と共に目の前に現れたのは緑色のモンスター。
スラ……イム?大きさは自分の膝下ぐらいで横太りしている。顔?の位置にはクリっとした目があり、透明度がやや高いのかスライムの後ろにある地面や草が透けて見える。
それにしても1つ疑問を覚える。
あの鳴き声をこのスライムが……?
あの最弱に限りなく近いモンスターが?こんなに可愛いらしいのにあんな声がだせるのか?
スライムと対峙し、思考を膨らませ数分が経過。スライムは体の凹凸の部分で液体を滴らせてはそれを体に取り込んでいる。
これは、俺が攻めるべきか……?もしかしたら、物凄く強いのか?って警戒したのは過剰な判断なのか……?
首筋を1滴の汗が滴り、乾いた喉にゴクリと唾を通す。
深く息を吐き、心を落ち着ける。そしてフッと軽く息を吐き足を踏み出す。
数メートルも離れていないスライムに向かって走り、渾身の力を込めた拳をスライムの頭から地面に向かって思い切り振り下ろす。
柔らかな感触の後に地面まで貫通した拳が鈍い痛みを告げる。同時にスライムの体は四方八方へ弾け飛んだ。
「もしかしなくても、弱い……?」
あんなに警戒していた自分が馬鹿らしく思えるぐらい……。
ま、まぁ、用心深いに越したことはない、うん、きっとそうだ。自分に強引に思い聞かせ気持ちを落ち着け、ドロップ品があるか周囲に目を配る。
だって、よくラノベではそういうの出てくるじゃん?
目の前にはスライムの破片が飛び散った跡が少しだけ残っており、その中央には指先サイズの透明な玉が2つ。ビー玉?
そして、そのアイテムの上部には文字が浮かんでいた。
─ス…イム ドロップ品 魔…………オ…の……─
所々かけてて見えないし!て、いうか文字出るんじゃねーか!
ドロップ品を回収し、また道を進み始める。
それにしても、素手で倒せてしまうとは……。
倒せる前提で進んでた俺はどうかしてたな。あれ、倒せなかったらどうなっていたことか。
苦い思考から離れ遠くに目を意識させる。
相変わらず街は見えない、か。
空には鮮やかなオレンジ色が広がり、じきに夜が来ることを告げる。
「このまま街が見つからないなんて事は無いよね……」
本当にそうなりそうでこわいのだが……。
ふと、目の前に1つの灯りが近づいてきているのがみえた。目を凝らすと、2頭の馬と馬車が見える。
木製の馬車は赤と黒に色付けられていて、今気づいたが馬は馬車に乗っている青年によって御されている。
街まで乗せて行ってもらえないだろうか。
数分後には例の馬車目の前まで来ていた。
俺が話しかける前に馬車が止まり、馬車のドアが開き1人の女性が降りてきた。
女性は赤と白のドレスを着ていてポニーテール状に結わえた黄色の髪は風に吹かれなびいていた。耳の上からでている少しの髪がまたいいアクセントになっている。
「すみません、街まで送っていってもらえないでしょうか?」
俺が頼んだすぐ直後女性は口を僅かに上下させ、俺の意識は朦朧としだしその場に倒れた。
次回はこちらの都合により2月12日(月)投稿とさせて頂きます
次回も読んで頂ければ嬉しいです!