第23話 パンツとズボンって基本的に同じものなんだね
ゲートを抜けると、かなり広い場所に出ました。
校舎があるので学校ですね、ということはここはグラウンドでしょうか。
前を見てみると、6人の女性がいます。
5人は制服らしき物を着ているので、ここの生徒さんでしょうか?
残りの1人はスーツを着ています。
「あたしは年中ノーパン以外は皆、初めましてだねー」
「あたしは、黒パンと娘達に久しぶりだねー」
あさ姉と、あさ姉に似た女性が何故かパンツで呼び合ってます。
昨日のお風呂を思い出し、あさ姉がいつもパンツを履かないことが頭の片隅を通ります。
ということは向こうに黒パンの人がいるんですね。
というか下着で呼び合うのはモラルの観点から見てどうなのかと思います。
僕は話しかけます。
「ね、ねぇあさ姉、この人達は…どちら様?」
「あぁ、気にしないで千冬くん、黒パンとそのほとんどが私の娘だから」
そういえば沢山の子どもを産んでいたとかなんとか言ってましたね。
てことはあの中に娘さんがいるんですか。
いったい何人いるんでしょう?全員って訳ではないでしょうし。
多分あのスーツを着た女性はそうでしょうね、あさ姉と瓜二つだし。
?、スーツ着てるってことは、この学校の先生なんでしょうか?
見た目が二十歳か1つしたぐらいなのに凄いですね。
「あ、それじゃあ初めましてだから自己紹介しておくね、あたしは安桜しおん、この学校の校長先生で姉妹の長女だ、それでこっちがあたしの可愛い妹達」
「安桜あおいです」
「安桜ひなでーす、よろしくね!」
「あ、安桜ありさです、よろしくお願いします」
ありささんだけ男子用の制服を着ています、何か事情があるのでしょうか?
あとなんだか僕と顔が似ている気がします、よく見たら顔だけじゃなくて体格や身長も似ている気が。
なんだか仲良くなれそうです。
「あと、この頭に羽が付いている女の子がアリアって言って、最後にこの子が日向っていうの」
「紅アリアです」
「神崎日向です、よろしくお願いします」
よろしくお願いします、と僕達は挨拶します、すると、あさ姉が切り出します。
「それじゃあ、今度はあたしから紹介させてもらいますねー、あたしは安桜千春、こっちの千冬と千秋にはあさ姉って呼ばれているよ、よろしくねー」
ありささんの方を見て何年生なんだろう疑問が、1年生だとは思いますけど、うーん。
「それじゃあ次は私だ、私の名前は月の姫と書いて月姫千秋、よろしくお願いします」
気が付くと、千秋お姉ちゃんの挨拶が終わっていました、なので次は僕です。
「僕の名前は雪代千冬です、後こっちの二人は僕の妹です、よろしくお願いします」
僕はフィリアちゃんとアイリスちゃんの方を見ました。
「私の名はフィリア・ユキシロです、よろしくお願いします」
「同じくアイリス・ユキシロです、よろしくお願いします」
日本じゃない所で生まれているので、名前もちょっと違うんですね。
「さてと、一通り挨拶が済んだし、校長室に戻りますか」
しおんさんに先導されて僕達は校長室に向かいました。
10人以上いるのに余裕で入る辺り、なかなか広いですね。
「さ、座って座って」
失礼しますと僕達が一言。
「わ、ふかふか…」
「というより沈みすぎじゃない?」
多分30センチ前後は沈みました、中に水でも入ってるんじゃないでしょうか?
「さてと、ここに着いて改めて、ノーパン、ちょっと自己紹介を」
「はいはーい」
ここで返事したのがあさ姉。
そういえばあさ姉って、年中ノーパンでした。
なんで下着を履かないんでしょうか?
「あたしが皆のお母さんの安桜千春です、さぁ、好きなだけ甘えてきてください!」
「お母さんがノーパンだったんだね…」
「なんとなく感ずいてはいたけどな…」
「なんか引くわ…」
「印象悪い!?」
「あぁ、あたしの能力でそうした」
「ダメじゃないですか黒パン!こういう時に良い印象を与えるのがあたしの役目なんですから!」
「はっはっは、というかたった十数年でえらく変わったね」
ん?前はこういう性格じゃなかったという事でしょうか?
どんな感じだったんでしょうか、サ〇コパスとか〇チガイとかでしょうか?
「まぁ、今まであたしは、戦いの世界に身を置いていたからね、あたしにとっては、とても平穏な時間だったよ」
「それで君たち二人はここまで大きくなったんだねぇ、なんだか親戚の子どもを見ている気分だよ」
しおんさんが僕と千秋お姉ちゃんの頭を撫でています。
うりゃうりゃと言いながら髪の毛をぐしゃぐしゃにするように撫でています。
「まぁ、しおんさんから見たら僕達は実際に親戚の子どもなんですけど」
「というと、この人は私達の従姉妹ってことだよね?」
「そういう事になるね、ほら、従姉妹同士、仲良くしないとね」
「あの」
「私達を放置しないでくれますか?」
日向さんとアリアさんが話を遮ります。
やっぱりあさ姉の発言はあまり読めませんね、想定しているパターンの斜め上を必ず行くんですから。
「なにしているの?あなた達も従姉妹なんだから、甘えてきていいんですよ?」
『は?!』
この発言に、この場にいる生徒全員と、しおんさんまでもが驚いていました。
「え?!お母さん!アリアさんと日向さんが従姉妹ってどういうこと!?」
「言葉通りの意味ですよ?」
「じゃあ、私達の血は、アリアさんと日向さんにも流れているってことですか!?」
「もちろん、その逆も言えるよ」
「知らないよそんな事実!?ノーパン!一体どういう事!」
「話がややこしくなったところで説明するね」
あさ姉が席から立ち、僕達の間を取るように校長先生の机の前に移動しました。
「まずは『この国が誰の手によって創られたか』を説明するね」
いきなり話が壮大になりました。
というか今の発言、安桜家の皆さんも知りえなかった事実なんですね。
「答えから言うと、それはあたし」
「いやそれはない」
「うん、絶対ない」
「真面目に聞いて損しました」
「はいはい終わり終わり」
「印象だけじゃなくて信頼も最悪だね!それじゃああたしが異世界転生者ってところから話すね」
「いやそれも無いでしょ」
「二次元と現実を区別しよ?」
「それは知っているけど知らないって言っておくわ」
『え?』
生徒全員が同じ反応をしました。
しおんさん、今あさ姉が異世界転生者って肯定しましたよ?
この事実は知っていたんですか。
「え?しおん校長先生、本当にそうなんですか?」
「そうだけどそれはないって言っておくよ」
「本当にお母さんは異世界転生者なんですか?」
「そうだよ、能力としてこの世の全てが記された、所謂『アカシックレコード』を記憶として刻み付けてもらったんだよね」
「でも信じられますか?そんな話」
残念ながら事実です。
「おいノーパン、あれをやってみろ」
「分かったよ、それじゃあ千冬君、ありさ、アリアちゃん」
「なんですか?」
「どうしたのあさ姉?」
「私達になにか?」
すぅ、と深呼吸して。
「縞模様!白!ピンク!」
『?』
今の一言に僕達はなにもピンとは来ず、ただ互いに顔を見あうだけでした。
「トイレに行って確認してごらん」
僕達は、なんなのかよく分からずに共用トイレに向かいました。
「なんなのでしょうか?」
「急にトイレに行って確認って言われても」
「なんのことだか…」
3人で?を浮かべます。
「そういえば、あさ姉ってなんて言ってましたっけ?」
「確か…縞模様と、白色とピンク…だったはず」
「え?ピンク…ですか?」
「え?んまぁ、そうですけど」
「え……まさか」
アリアさんが顔を赤らめて個室に入っていきました。
少しして出てくると、アリアさんはもっと頬を赤らめていました。
「どうしたんですか?」
「どこか具合でも悪いんですか?」
「お…お二人とも」
『なんでしょう?』
今寸分たがわず声が一致しました。
「も…もう戻りましょ!なんでもありませんから!」
『?』
僕とありささんは?を浮かべたままアリアさんに促されました。
ここでありささんは僕に質問してきます。
「あの、千冬さん」
「はい、なんですか?」
「あの、失礼な事をお聞きしますが、千冬さんって、今おいくつですか?」
「僕ですか?僕は今15歳です」
「そんなに背が小さくて15歳なんですか!?」
「背が低いとは何ですか!ありささんだって僕と同じくらい背が低いじゃないですか!」
プンプンと怒りながら頬を膨らまし腕を上げます。
「い、言われてみればそうでした…」
「ところで、ありささんは何歳なんですか?」
「私ですか?私は今16歳です」
「年上じゃないですか!」
「あはは…失礼しました」
「もう、ところでアリアさんはいつまで顔を下にしているんですか?」
「え?あ、いや、その…」
まだアリアさんの頬が赤いです。
本当になにがあったのでしょうか?
「あの…ありさ…さん…ちふゆ…さん…」
表情が辛いというより恥ずかしそうにしています。
『?』
相変わらず僕達の頭上からクエスチョンマークが消えません。
なにか言いたげです、一体なんでしょうか?
「ありささんは…今日…白色のパンツを履いているんですか?」
「え!?」
ありささんが顔を赤らめます。
あの反応から見て、どうやら当たりのようです。
「ちふゆさんは…縞々のパンツを?」
「え?!そ、そうですけど、なんで分かったんです?」
「チハルさんのあの言葉…私達の下着の色と柄です」
じゃあ僕達3人の下着を言い当てたんですか。
まぁ僕の場合、昨夜の時点で分かっていてもおかしくないんですけどね。




