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早死に生徒達はチート生活を望む  作者: 鈴ヶ森あゆみ
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第17話 メイドって、元々は乙女って意味だったんだね

 僕達がよく聞く声。

 それは大きく分けて3つあります。

 1つは千秋お姉ちゃんの親戚のご両親の声。

 2つ目は千秋お姉ちゃんの声。

 そして3つ目は……。

 その存在は、僕が4歳になる時に知りました。

 僕は物心ついた時から、両親が他界(転生)したことを知っていました。

 それは、親戚のお父さんが話してくれました。

 最初はとてもショックでした。

 もちろん、お父さんとお母さんが亡くなったのもあるけど、それよりショックだったのが、それを隠してきた親戚です。

 それまで親同然だったのが、何時しか距離ができていました。

 身のよりどころは千秋お姉ちゃんだけでした。

 とある日になるまでは。

「こんにちわー、君が千冬君だよね、よろしくねー」

 とてもきれいな人でした。

 僕よりもっと高い身長。

 柔らかそうなふわふわした髪の毛。

 優しく包んでくれるような声と優しさ。

 その人が。

「どうしたのー?千冬君、さぁ、千秋お姉ちゃんと一緒に新しいお家ヘ行こっか」

 僕をここまで育ててくれた人でした。

 その人は。

「あ、千冬君、ご飯できたよ」

「千冬君、お風呂が沸いたから3人で入ろっか」

「身体洗ってあげるねー」

「お着換えしてー」

「歯磨きしてー」

「それじゃあ3人で寝よっか、おやすみなさーい」

 過保護ってレベルじゃないぐらいお世話してくれました。

 そんな。

 そんなあさ姉が。

「あさ姉が、なんでここに?!」

「あさ姉、なんでここまで来て私達を探しに来てるの!?」

 そして僕達は。

「あ、いた!」

 あさ姉に見つかりました。

 勢いよくドアを開けて、僕達と目が合うと、すぐさま僕達の所までやって来ました。

「もー、心配したよー、急にいなくなっちゃうんだから」

「あ、あさ…姉?」

「そうですよー、安桜お姉ちゃんですよー」

「どうしてここに…」

「どうしてもなにも、2人を探しに来たんですよー」

 そして次の1言は、僕達にとって衝撃的な1言でした。

「千春」

「はい、ご主人様!」

 あさ姉は、お母さんの召使いのようです。

「今まで千冬と千秋をお世話してくださり、ありがとうございます」

「あれ?この流れからすると、私解雇されちゃうパターンじゃ?」

「いえ、クビにはしませんよ、こんな優秀な人材、他国に渡したくないですし」

「お褒めに預かり光栄の極み」

「千春にそんな言い方は似合いませんよ、フフフッ」

「そうですねー、あはは」

「フフフッ」

「あははっ」

「「フフフフフフフフフフフフフフッ・あはははははははははははははっ」」

「「ふぅ・はぁ」」

 長かった笑いがようやく収まり、お母さんが続けます。

「それでは千春、今後とも千冬と千秋の世話に専念するように、いつも世話は焼いていないですか?」

「いえ全然、むしろ楽しいですよ」

「そうですか、それで頼みなのですが、アイリスとフィリアも、同時にお世話してくれませんか?」

「はい、よろこんで!」

「それでは、期待していますよ」

「わっかりましたー!それじゃみんな、一緒に行こっか」

 僕達4人は先導されるように、あさ姉の後について行きました。

「それではご主人様、失礼します」

 フィリアさんとアイリスさんは私室でお化粧直しをして、僕達はワープを使って家に戻りました。

 あれ?なんか大事な事を忘れている気が。

 ……まぁいっか。

 僕達は部屋のソファに座って、雑談を始めました。

「あの、千冬お兄様、あさ姉さんはどのような人なのですか?」

「あれ?お母さんのお城のメイドなんだから、知ってるんじゃないの?」

「知りませんよ、こんな陽気な人、いたらお城で有名になります」

 そっか、あそこまで馴れ馴れしい主従関係があったら話題になるもんね。

「私達が生まれてきて、物心ついた時には消えていました」

「それじゃあ自己紹介をしよっか、コホン、私の名前は安桜千春、二人からはあさ姉って呼ばれているよ、職業はご主人様の召使で、役職はハウス・キーパー、いわゆる身の回りのあらゆるお世話をする人のことだね、階級でみるとバトラーのアヤカちゃん、あの子と同じ権力があるから、何かあったら言ってねー」

「しかし、召使と言っても物凄く馴れ合ってましたよね?お母様と面識があるのですか?」

「うん、もちろーん」

「一体あさ姉とお母さんに何の関係が」

「あ、それも話す?」

「是非」

「聞きたいです」

「よーし、それじゃあ話すね」

 次の話で僕は…いや、僕達は目を見開きました。

「私はねー、元々千冬君と千秋ちゃんが生まれた世界の住人じゃないの、いわゆるこっちの世界の人間って事、まぁ月に一度のペースでご主人様に成長を報告するために死んでるけど」

「うんうん」

 いやうんうんって、これって単純計算で考えるとあさ姉が少なくとも200回以上死んでいるって事でしょ?!

「実際に面識を持ったのはご主人様が転生してきた時、お互い子供がいて、その子を置いてここにいるって、共通点があったから、何時しか結構仲良くなったの」

「それでそれで」

「それでね、13、4年か前に、ご主人様のお父様が王様になったんだよね、その時にフィリアちゃんとアイリスちゃんが生まれた」

「そうだ、私達が生まれてきた経緯はお母様から聞いていた」

「でもその時には安桜さんはいませんでしたよ」

「それは物心ついた時の記憶でしょ?」

「まぁ、そうですけど」

「その時にはもういないよ、その時には向こうの世界で家やらなにやら、生活に必要な物は全て用意しておかないと」

「それで2,3年過ぎて、その後でお兄様達に接触したんですか?」

「うん、一応向こうの世界の言語は全てマスターしたから、日常生活には困らなかったよ」

 2,3年でどうやって?

「どうやってマスターしたかと言うと、神さまに全宇宙・全世界の記録(アカシックレコード)を記憶として植え付けてもらったの」

 この世の真理に辿り着いた人が身近にいたなんて。

「だから宇宙関係のニュースが出ると『がんばってるなぁ』っていつも思っちゃうんだよね」

 そういえばいつも宇宙関係のニュースが出ると興味なさそうな顔してたなぁ、本当に興味が無いんじゃなくて全部知ってるからそういう顔をしていたんだ。

「だからどこぞのSF映画みたいに宇宙船もこの世にあるし、この星では存在しない技術もあることを知ってるわけなの」

 この星に存在しない技術かぁ。

 ちょっと見ていたいかも。

「ところでさ」


 余談ですが、あさ姉は。

「今日の晩御飯、何が食べたい?」

「「「「キュルルルル」」」」

 僕達の身体の中まで管理しちゃってます。


 僕達は晩御飯を済ませ、皆満足顔です。

 ふと時計を見ると、現在は18時ですね。

 ちなみにメニューは手ごねハンバーグでした。

 大好きなんですよね、ふっくらしてて。

 食器洗いが終わり、ソファに座りながら、晩御飯の前の話の続きをしました。

「あさ姉さん、あさ姉さんは神さまに全宇宙・全世界の記録(アカシックレコード)を記憶として植え付けてもらったのが、千冬お兄さまと千秋お姉さまの特殊能力みたいなものなんですか?」

「そうだね、でも神様ってケチだからさぁ、能力って初めて死んだときにしかもらえなかったの」

 そりゃ何回ももらってたら死を軽んじるようになりかねないからね。

「もう200回以上死んでるんだからさ~、なにか能力ちょうだいよ神さま~」

 もうすでに軽んじてたよ。

(いや200回死んだら能力付与って、死にポイントなんてついてこないよ?それに200回以上死んでるわけでしょ?そんなの死を軽んじてるよ、死への冒涜だよ)

 今回は最高神様の意見が正しいと思います。

「え~」

「一体誰に話しかけているんですか?」

「ここにはいない第3者の人間」

「そっか、アイリスちゃんは知らないんだね」

「いずれ知るよ、まだその時じゃないから」

「?」

 首を傾げつつも、話を続けます。

「しかし、そのあかしっくれこーどという物を記憶に植え付けたところで何がどうなるんですか?」

「さぁ?それは成ってみてみないと分からないよ」

「そういうものなのか?」

「そういうものなんです」

「なんだかややこしいな」

「ええ、記憶というのはややこしく曖昧な物なのですから」

 話に置いてけぼりなアイリスちゃん、ちょっと可愛いかも。

「ところで、明日は何をしましょうか」

「そうだね、ここら周辺の地域を見て採取クエストや討伐クエストとか、そういうのもいいよね」

 そして、僕はこの時。

「あれ?パソコンから着信音が」

「えーと、なになに」

 自分が制服を着ていることと。

「注文の品ができた、明日早めに取りに来るように」

 それしか服が無いことを。

「ps:明日から、取りに来た日の日数の差の2乗×製作費を代金として領収書に記す」

 思い出しました。

「うわぁ、結構えげつないこと書くね」

「えーと、明日取りに行かなかったら、1日経つと1倍、2日経つと4倍、3日だと9倍って事になりますよね」

「とんでもない人じゃんあの人!こんなのぼったくりだよ!」

「それじゃあ、明日取りに行こっか」

「うん、早く行こ、僕もう寝るよ、あさ姉、一緒に行こ」

「その前にお風呂だよ」

「あ、そっか」

 そして僕達3人がお風呂に行くのを。

「ちょ、ちょっとまって!」

「千冬お兄様は残って!」

 フィリアちゃんとアイリスちゃんが止めてきました。

「え?私達は別にいいよねー、ねぇ、千秋ちゃん」

「そうね、私も別に構わないけど」

「え?」

「え?」

「え?」

「え?」

「え?」

「と、とりあえず、私達は残ります、ね、アイリス」

「そ、そうだな、ゆっくり入ってきてほしい」

「そう?それじゃあ行ってきまーす」

 ………。

「ねぇ、アイリス」

「分かってる、フィリア」

「ああいう人なんだね、千冬お兄様って」

「……幻滅だな」

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