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冒険者ギルド

 ギルドに入った俺達は、受付へと向かう

ギルドの中はとても賑わっていた。武器の手入れをしている者、酒を飲んでい者など、沢山の人がいる


 俺達は、途中で人にぶつかりそうになりながら、受付へとたどり着く

受付をしていたのはとても綺麗なお姉さんだ。しかもそのお姉さん、猫耳がある

俺やアイリスが使っていた「獣化」ではなさそうだ。猫耳はとても触り心地がよさそうで、モフモフしたい衝動に駆られたが、必死に堪えた


「こいつの冒険者登録をしたいのだが」


 ミリアがそう言って、俺を指差す


「冒険者登録ですね!それでは、この書類の必要な項目に記入をお願いします!」


 受付嬢は、一枚の紙を取り出して俺に差し出す。その書類には、名前、年齢、種族などの項目があった

俺は、受付嬢からペンを受け取り、書類の必須項目にすらすらと記入して、受付嬢に渡した


「確認しました。次はこの水晶に手をかざしてください。水晶の光の強さである程度の強さがわかるようになっています」


 この世界にはなかなか便利なものがあるんだな。俺は、水晶の便利さに感心しながら、手をかざす

その瞬間、俺は光に包まれた。いや、俺だけじゃない、ギルド全体が光に包まれたのだ

その光は不思議と眩しくなく、普通に目をあけていられた


 光が収まると、目の前には受付嬢の驚いた顔があった。ギルドにいた人たちも何事かとこちらをみている

受付嬢は、前屈みになり俺に詰め寄る


「な、何ですか今の!」

「いや、俺は言われた通りにしただけなんだが…。取り敢えず登録を進めてくれないか?」



 俺がそう言うと、受付嬢は少し顔を赤くしながら椅子に座り直す


「えーと、ではギルドについての説明をはじめますね」


 受付嬢の話を纏めると、ギルドは、登録をした人達が色々な所から寄せられる依頼を受けてお金を稼ぐ場所なのだそうだ。依頼の種類は様々で、冒険者はその中から自分に見あった依頼を受けるらしい。

 冒険者にはランクがあり、一番下はF、一番上はSSSまでの九段階だ。依頼にもランクがあり、自分のランクより二つ以上離れているランクの依頼は受けられないらしい。ランクは、実力とギルドへの貢献度で上がるそうだ


「魔物を倒した時に手に入れた素材などで、不要な物がありましたらギルドが適正価格で買い取りますので、職員にお申し付け下さい。これで登録は終了です。ギルドカードを渡しておきますね」


 受付嬢からカードをうけとる。色は金色で、Aという文字が書かれていた


「あのー、これAランクのギルドカードですよね?」


 俺が訪ねると、受付嬢は笑顔で頷いた


「はい!最初のランクは水晶を基準に決めますので。さっきの光量ならSSランク位でもおかしくないですが、魔物との戦いに慣れていないでしょうからAランクからにさせていただきました」


 なるほど、実力の部分が考慮された訳だな。ランクが高いのは嬉しいことだ。


「ありがとう。俺の名前は夜霧龍騎だ。これからよろしく」

「私の名前はイオと言います。こちらこそよろしくお願いいたします」


 これで身分を証明出来るものを手に入れたので、城に行くことができるな

リリィたちの方を振り返ると、三人とも驚いた顔のまま固まっていた。ちょっと硬直時間が長くないか?


「おーい、三人とも大丈夫かー?」


 俺が声をかけると、三人とも我に返った。

俺はこのあとに起こる事態が想像できたので、さきに手を打つ


「さっきの事ならあとで説明してやるから、さっさと城にいこうぜ?」


 俺がそう言うと、三人とも渋々了承した。俺達は城に行くため、ギルドを出ようとする

すると途中で誰かに肩がぶつかってしまった。その人に謝り、再び進み出そうとすると、肩を掴まれた


「そこのガキ、俺様にぶつかっておいて謝るだけですむと思ってんのか?」


 強い新人冒険者が柄の悪い冒険者に絡まれる。この展開はテンプレだな

て言うか、俺の後ろにはこの国の姫様がいるんだけど、この男はよく喧嘩を吹っ掛けてきたな

 その根性は少しだけ尊敬する。

 すると、リリィが後ろから小声で話しかけてきた


「私達は、国民の前にはあまり出ないので、私が王女だと気付いていないと思います」


 なるほど、それなら納得だ。尊敬などした俺がバカだったか

この男には相応しい罰を与えてやらないとな


「こちらは謝りました。大体、少し肩があたった位でなに言ってるんですか?」

「てめぇ、調子のってやがるな。俺を誰だと思ってやがる?」


 俺が少し挑発すると、すぐに乗ってきた。こいつチョロすぎだろ

俺はさらに挑発を続ける


「知りません。貴方みたいな人のことは知りたいとも思いませんし」

「俺はCランクの冒険者ザルード様だ!よく覚えとけ!そして俺に楯突いた事を後悔しろ!」


 ザルードと名乗った男は、自信満々で胸を張って威張っている。てか、Cランクかよ。もっと強いのかと思っていた。まぁいい、さっさと終わらせるか。

 俺は、ギルドにいる全ての人に「スキル複製」を使用した。俺のスキルが一気に増えていく。このスキル達の詳細は後でに回す


「雑魚が、来るならさっさと来いよ」

「一撃で決めてやる!」


 ザルードは俺に向かって拳を放つ。俺はその拳を避けることはせず、まともに受けた

一瞬、リリィたちの心配そうな顔が見えたが、心配は要らない。なぜなら…


「いってぇぇえぇー!」


 俺を殴った筈のザルードが、痛みで悶絶している。

「身体硬化」 先ほど手に入れたスキルだ。このスキルは、文字通り自分の体を硬くすることができる。ザルードは硬くなった俺の体を殴ったせいで、拳を痛めている

 だが、まだ終わっていない


「『武器(ウェポン)創造(クリエイト)』」


 これも先ほど手に入れたスキルだ。このスキルは、自分が想像した武器を一瞬で作り出せるという物だ。これだけ聞くと、かなりチートだが、実はそうでもない。なぜかというと、ちゃんと実在する武器じゃないと作り出せないのだ。想像したものが少しでも実在の物と違うと、その武器は作り出せない。武器を完璧に想像するのはほぼ不可能だ。なので、このスキルはとても使いにくい


 なんでこのスキルを使ってるのかって?俺には完璧に想像できる武器があるからな。毎日のように手にしていた武器が


 俺の手に現れたのは、この世界の物ではない刀。日本刀だ。俺が使っていたものを想像したので、とても手に馴染む

 俺は、日本刀をザルードに突き付ける。すると、ザルードは凄い速度で逃げ出した。俺は、まさか逃げるとは思っていなかったため、反応が遅れた


「ちっ、見失ったか…」


 あいつ、逃げ足だけは速いな。まぁいい、次会ったときは確実に成敗してやる


「よし、行こうか」


 俺が進み出すと、三人とも後ろをついてくる。途中でスキルや日本刀のことについて聞かれながら、俺達は城へ向かった

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