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城前での一幕

遅れて申し訳ありません

「すげぇ…」


 俺達は、あれから10分ほど歩き、城までたどり着いた

俺は目の前にある城をみてとても驚愕していた。その城は、敷地もかなり広く、昨日完成したばかりだと言われても納得出来るくらいに綺麗だ。ドラ○エとかに出てきそうな白だ


「どうですか?私の城は!」


 リリィが、得意気に胸をはっている。他のやつが今のリリィと同じことをしたらぶん殴ってやりたいくらいなのに、相手がリリィだと怒りがわいてこない。不思議だ

 俺は、自分の思ったことを素直に口に出す


「凄いよ。想像以上だ」

「当たり前です!」


 リリィは更に胸を張る。そのため、俺の視線は自然とリリィの胸元へいってしまった。リリィの胸を一言で表すなら、絶壁だ。一緒男かと思うくらい絶壁だ。

 そんなことを考えていると、後ろから殺気を感じた。咄嗟に振り向くと、そこには俺に剣をつきつけているミリアの姿があった


「リューキ、今リリィ様のどこを見ていた?」

「まてまて!誤解だ!決して絶壁だなんて思っていない!…しまったぁ!」


 墓穴を掘ってしまった!

俺の言い訳を聞いて、ミリアの殺気が大きくなる

ヤバいな、かなり怒っていらっしゃる。でも流石にこんな街中で剣を振ったりはしないだろう


「リューキ、死ぬ覚悟は出来ているな?」

「いやいや、そんな大袈裟な…ってあぶなっ!」


 俺の予想ははずれた。ミリアは全力で俺に斬りかかってきた

問題なく避けたが、ミリアの斬撃は村でモンスターと戦っていたときよりも鋭かった

 ミリアが本気なら、戦うしかないだろう。

俺が戦闘態勢にはいると、なぜかミリアが気を失った

なんだ?ついに俺もワン○ースに出てくる覇気でも使えるようになったか?

冗談はこのくらいにしよう。ミリアを気絶させたのはカノンだった


「ありがとう。助かったよ」


 俺はカノンの頭を撫でてやる。カノンは少し顔を赤くして、気持ち良さそうにしている。なんか猫みたいで可愛いな。いつまでも撫で続けたい。

 俺は、カノンをお姫様抱っこした。いきなりすぎて意味が分からないって?俺だってわからない。気付いたらいつの間にかカノンをお姫様抱っこしていた

 流石に予想外だったのか、カノンは顔を真っ赤にしている


「悪い!直ぐにおろすから!」


 俺が慌てておろそうとすると、カノンは俺の服を少しだけ掴み、ふるふると首を振った

このままでいいってことか?俺が尋ねると、カノンは頷いた。少し恥ずかしいが、俺からしたことだし、カノンがこのままで良いならそうするか。よし!さっさと城に入るか!


「ナニシテルンデスカ?」


 なんか今、とてつもなく恐ろしい声が聞こえた気がする。俺の同行者にこんな声の奴はいないし、気のせいだろう。て言うか気のせいであってほしい

俺がそのまま進もうとすると、後ろから肩を掴まれた


「ナニシテルンデスカ?」


 恐る恐る振り向くと、どす黒いオーラを放つリリィがいた。なんかめっちゃ怖いんだけど!

俺は平静を装い、リリィの問いに答える


「何って、城に入ろうとしてるんだが?」


 そう言った瞬間、俺の肩を掴んでいた手の力が強くなった

どうやら、俺の返答は不正解だったようだ。それならば、答えは一つだろう。


「カノンをお姫様抱っこしてる」

「ナンデソンナコトシテルンデスカ?」


 今度は正解だったようだ。しかし、理由を聞かれてもそれといった答えがない。どうする?ここは冗談でも言って場を和ませるか?よし!それでいこう!


「俺はカノンの事が好きだからだ」


 リリィの手の力が抜けた。作戦成功だ!

気をとりなおして城に入ろうとすると、またも肩を掴まれた。


「それは異性としてカノンの事が好きと言う事ですか?」


 リリィが死んだような顔で聞いてくる。ここは冗談を突き通すしかないな


「ああ。俺は異性としてカノンの事が好きだ」

「私のことはどうなんですか!?」


 うーん、俺の作戦と少し違うぞ?俺の予定では、「何冗談言ってるんですかー?あはははー」てな感じで笑って終わる予定だったのに。まぁ、カノンの事は可愛いと思うし、好きかと聞かれれば迷わず好きと答えるくらいには好きだから、完全な冗談ともいえないのだけれど


「リリィの事も好きだぞ?」

「ほ、ほほほほ、本当ですか!?」


 おかしいな。地球にいた頃は、「夜霧くん最低ー!あははは!」という感じで笑いが取れたのに。どうなっている?


「それなら、二番目でいいので私と結婚しましょう!」

「まてまてまて!話が飛びすぎだ!いきなり結婚とかおかしいだろ!しかも二番目とか駄目だろ!」

「駄目ではありません!この国では一夫多妻が認められていますので」

「マジかよ!それでも結婚は早すぎだ!」


 まぁ、結婚したくないのかと言われれば答えは否だが、流石に早すぎるだろう。まだ会って一日目だし


「結婚はそんなに簡単に決めていいものじゃない。だからもう少し考えてからにしてくれ」

「わかりました。でも、いくら考えても私の気持ちはかわりませんよ?」

「それでもう少し考えろ」

「はい」

「待たせて悪かったな、カノン」


 いまだお姫様抱っこしたままのカノンを見ると、顔を真っ赤にして俺を見上げていた


「どうした?…うぉ!?」


 いきなりカノンが抱きついてきた。む、胸が当たってる!想像以上に柔らかい!

駄目だ!理性を保たないと!深呼吸深呼吸。よし、少し落ち着いてきた。

 俺が必死に理性を保っているところに、カノンは追い討ちをかけてきた

なんと、キスしてきたのだ。そこで俺の思考はショートした


「ななななな、何してるんですかっ!?」


 リリィが何か言っている気がするが俺の耳には届かない

俺は思考がショートしたままふらふらと城の中に入っていった

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