魔物扱い
セージは「天命の儀」というものを受けなきゃならないそうだ。
その昔、貴族に化けた魔物が暴れて国王が殺されかけたことから、10年に一度ステータスを確認するための儀式を行う必要がある。ちなみに義務なので断れない。
「偽装」とか「隠蔽」のスキルは?とか思った貴方!俺もしようと思ったんだけど、この世界にはそういうスキルがないんだよ!テンプレってなんだよ!(クソッ、なんでだよ。)
ということで俺はいまから儀式を受けるんだけど…
「いまから天命の儀を執り行う!これは神聖な儀式であり神と王に忠誠を誓うための‥……」
神官のオッサンの話が長い。
しかも他の大量の貴族達の疑るような視線が背中に突き刺さる。王が殺されかけてから11
年。そしてセージは10歳。時期が怪しすぎるんだろう。みんな冷たい目をしている。辛いな……
~二時間後~
「では、儀を執り行う。セージ・ティーよ。この板に触れろ。」
「は、はい。」
どんな反応されるのかなと思いつつ、どうみてもタブレット端末な板に触れた。すると、いきなり画面が輝き、空中に何か文字が浮かんだ。って、画面に表示されるんじゃないのかよ。
表示されるバカげた数値。
息を呑む貴族達。
やっぱ…おかしいか。
「ば、バケモノだぁぁぁぁ!」
あ、そっちの反応すんのか。
広間に居た貴族達が逃げ惑う。
「ちょっと待って!」
「ひぃぃ!に、逃げろ!」
「「「「「「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」」」」」」」
ちょっ、なんでだよ!強いからってこれはおかしいだろ!ん?あそこに居るのは…親も逃げてるぅぅぅ!?ちょっとは庇ってくれよ!
すぐに兵士がきた。
「貴様!」
「ん?何ですか?」
「王から討伐命令が出た!」
はぁぁぁぁ!??
「皆の者!コイツは国家の転覆を謀る魔物の手先だ!容赦なくブチ殺せ!」
ちょっ、なんか俺が完全に悪と見なされてる!?
「待って下さい!俺は魔物なんかじゃ…」
「ええい!黙れ黙れ黙れ黙れぇ!魔物が人間の言葉を話すなどおこがましい!皆の者、かかれぇぇぇぇ!!」
「「「「「うぉぉぉぉぉ!!!!!!!」」」」」
駄目だ、誰も話聞いてねぇ。