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公爵夫妻の悩み

ユーリが訓練場で魔法を使ったその夜、公爵夫妻は夫婦の居間で深い溜息をついていた。


「まさか多属性持ちだったとは・・・」


「そうねぇ・・・でも、何故今まで魔法が使えなかったのかしら?それに、魔力の有無さえ判らなかったのでしょう?何故こんな急に・・・」


2人は顔を見合わせ再度深い溜息をついた。


公爵夫妻が頭を抱えるのには理由があった。


『この世界を創造した女神は全ての属性を持っていた』


神殿にて祭られている女神が正しく『全能の神』だったのだ。

その全能の女神は淡い金髪にオッドアイという見目だという。


そう。ユーリが持つ色彩も淡い金に2色の瞳なのだ。

「全能の女神の降誕」と神殿の神官達は騒ぐだろう。


また、3属性以上の多属性持ちとなれば、王家が放ってはおかないだろう。

他国や神殿にユーリが取り込まれないように何がしかの手を打ってくるに違いない。

友人であり、義兄でもあるユーミリア王国の現国王ギルロイ・ウォーリアー・ユーミリア。彼なら必ず『ユーリを王太子妃に!!』と言ってきそうだ・・・

と、ハーバリー公爵アロルドは頭痛をこらえるようにこめかみを揉んだ。


ハーバリー公爵夫人セリスもまた、義姉であるミレイ王妃との昔の約束を思い出していた。


『将来、私たちに子供が産まれて、それが男の子と女の子だったら結婚させましょうね』

確かにミレイ王妃には息子がいる。

王太子エドワードである。

ユーリが産まれた時にミレイ王妃からは

『これで約束を果たせるわね♪』

と言われたがその後、属性が判明する年齢になってもユーリの属性は判明せず、魔法が使えない上に、魔力の有無も判らなかったため、その約束は1度流れているのだ。


しかし、ここでユーリの多属性持ちがわかってしまうと王妃がその流れた約束を再度持ち出すであろう事も容易に想像できた。


ユーリには公爵令嬢として、マナーやダンスといった貴族令嬢としての教育は一通りしてある。

唯一、魔法を除いて・・・


だが、教えていない魔法をユーリは使ってみせたのだ。

息子たちでさえ、初歩的な魔法の現象を起こすのに、魔法を学び始めてから半年はかかったのだ。

初めて現象を起こせるようになってからは反復練習をして安定して魔法を行使できるようになったのだ。


「「はぁ・・・ユーリはこれからどうなってしまうのか・・・」」


これから起こるであろう様々な事を想像し、公爵夫妻は頭を抱え、重く深い溜息をついた。

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