14 AIdダイヤリー 父様、デート、☆さやかちゃん、お寿司屋さん
AIdダイヤリー
ユーザー: SS
五月某日
おかしな様子の父様。
話を聞いたら案の定、家の事で問題を抱えていた。
転居してまだ二年にもならないのに家屋敷を手離すなら、
奉公人たちの面倒はどうするのかしら。
私にできることはないと言われてしまった。
賢しいと言われても、私はもう子供じゃない、
子供でいたくない。
でも、どうすればいいの。
良い方法が思い浮かばない。
思い浮かぶのは、あの方のこと。
あの方なら何か、きっと。
五月某日
思い切って、あの方に電話を掛けてみることにした。
前々から父様が連絡帳に書いておいてくれていた
番号だけど、掛けるのは初めて。
『案ずるより産むが易し』です。
二子玉川の駅で四年ぶりの再会。
お元気でお変わりないご様子。
デート先は、カフェとカラオケ。
コーヒーはとても苦かったけれど、
ミルクを入れたら残さず飲めた。
歌を聴いてもらったときは緊張しすぎちゃって、
口から心臓が跳び出るんじゃないかと思ったほど。
恥を忍んで家の窮状を打ち明けて、本当に良かった。
五月某日
今日は良いことばかり。
久しぶりにアルと話せるようになったし。
とても緊張したけれど、あの方にバレエを見てもらったし。
お家でコーヒーもご馳走になったし。
☆さやかちゃんが私の代わりにアルバイトをしてくれる
ことになったし。
でも、あの方のバディはケン太くんでしょ。
二人はどういう関係なのかしら。
五月某日
あの方が目標額の半分も工面して下さった。
やっぱり頼りになる、して良かった。
アルもありがとう。
それから、お寿司屋さんに連れて行ってもらっちゃった。
廻るお寿司なんて初めて。
クルクル回るお皿がとっても面白かった。
でも食べているところを見られるなんて、
父様以外の殿方に見られるなんて、
とっても緊張してしまった。
お行儀よくできたか、ちょっと心配。
18禁部分につき、日記と差し替えました。
この部分の内容は、ノクターン小説 n2951ct、
『みるくクラウン123 ~アイドル地下オーディション~』
「アン・ドゥ・トロワ〔表〕」
で読むことができます。
これは作中作なので読まなくても
本編を引き続きお楽しみいただけます。




