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ため息王子(仮)

作者: 榊 みかど

駄作です。それでも読んでくれるという方のみどうぞ!

いつまで続くんだ、これは。

目の前で繰り広げられる茶番に私はどうしようもなく絶望していた。

私こと柳沢彼方。高校1年生になって半年のぴちぴちの女子高生なのだが。

もう一度いう。

いつまで続くんだ、これは。



一人の女の子に群がる男。いや、まぁそれはいいんだが。

その男共の立場が良くない。なぜ、生徒会の皆様がここにいらっしゃるのでしょうか。差別が良くないとかはあると思うが自分の影響力を考えて欲しい。とても。

というか、もうすぐ授業始まるっつーの。

口調が悪くなるのも仕方ないと思って欲しい。

あの逆ハーレムの真ん中にいる女の子桃原愛が転校してきてからというもの約4ヶ月。意外と短いと思うなかれ。一週間の7日あるうち学校がある五日間。ずっと目の前で茶番が行われる。初めの1か月は良かった、まだ無視ができたから。その後は地獄さ。うるさすぎる、本人たちも周りも。

はぁー。


なんとか奴らも戻り、ホームルームも終わった。


「かーなーた!おはよ!不機嫌だね」


唯一の友達、萩原花音が机の前に来て言う。


「おはよ。そりゃ、なるだろうよ。なんなんだ、あいつら。いつまでこんなん続ける気なんだよ」


「誰かがくっつくか、興味なくなるかでしか終わらないと思うよ」


「はぁー。」


「ため息つかないのっ!幸せが逃げちゃうでしょ」


それを見て苦笑しながら花音の頭を撫でる。すると、ボンっと顔が赤くなってしまった。


「おい。大丈夫か!?」


「彼方のばーかー!イケメンー!」


っと言って教室から出ていってしまった。

いや、まだバカはあるかもしれんがイケメンとはなんなんだ。男ではないぞ。まぁ、身長は女子にしては高いし胸はまぁ自分で言ってて悲しくなるほどないけど。

ふと、周りを見ると女子がこっちを頬を赤くしながら見ていた。

は!?私が何をした!

それから、みんなからの視線から隠れるように教科書を持ち予習をした。

花音は授業前には帰ってくるだろうか。私がなんかしたのならば申し訳ないな。

はぁー。

心の中でまたため息をつく。

こんな日々が私の日常と化してきた。





逆ハーレムがやかましい。いつもよりやかましい。

毎度のことながら朝のホームルーム前には生徒会の皆様が桃原に会いにくる。

あれから、1年。逆ハーレムのメンバーもチェンジし知らないメンツも加わっている。

話を戻そう。

なんでこんなやかましいのかだ。

気になってあいつらの方を見ると逆ハーレムに女の子が突っかかってるではないか。

やめとけ、やめとけ。あんなん相手してたらこっちまで火の粉が飛んでくるじゃないか。

ん?

んん?

おい。あれ花音じゃないか?


「うるさい!貴様は黙れ!」


ドンっ

花音が突き飛ばされる。

やばい、間に合え!


トンっ

私よりも小柄な彼女を背中から抱きしめるようにキャッチした。


「花音、大丈夫か?」


「う、うん!」


少し頬を染めながら言ってくる。良かった、ちゃんと間に合った。

って、それよりも。


「彼女を突き飛ばしのは誰ですか?」


自分が思ってたよりも低い声がでた。それにびっくりしたのか花音がびくってなった。怖がらせてしまったようだ。

でも。


「誰なんですか?」


もう一度早く答えるように促す。


「俺様だが?」


たしかこいつ新しい生徒会長じゃなかったっけ。おいおい。


「なぜ、女子に暴力を振るったのでしょうか?それなりの理由があるんですよね?」


「そいつが、俺様に口答えするからだ」


は?なんなんだこの俺様(笑)は。


「そんな理由でですか?」


「あぁ。充分な理由だろ」


ふざけんな。


ドガッ!

俺様(笑)の顔にパンチを食らわす。


「それなら、私の友達に手を出したからと言う理由で会長を殴っても許されますよね」


ポカーンとする周りを放っておいて花音を連れて教室から出た。



やってしまった。

短気の私が1年我慢したというのにこんなに呆気なくやってしまった。

はぁー。

反省はしているが、まぁ後悔はない。

今までよくがんばったよ私、うん。


花音を連れて屋上に来た。

私の心情に反して快晴のようだ。空が憎いぜ。


「あの。ごめんね?私のせいで会長殴っちゃったんだよね?」


「いや、あれはきっといつか殴っていたな。だから大丈夫。気にしないでいいよ」


「は!?何が大丈夫なのよ!?生徒会長だよ!」


「あー、うん。まぁなんとかなるさ」


「かーなーたー」


呆れたような視線を向けられ私は花音の頭に手をぽんっと置く。


「大丈夫だよ、花音」


そういった瞬間、花音の目から雫が落ちてく。

それもそうだろう。あんな逆ハーレムの塊にいき会長に関わったのだから。周りも遠巻きにして助けてくれない。心細かっただろう。


ぐすっずっ


ようやく泣きやんだ頃ふと疑問に思っていたことを聞いた。


「なぁ、花音。会長に何言ったんだ?」


「うっ」


「かーのーん?」


「あのですね。なんというか」


「ん?」

いい笑顔付きで答えを促す。


「ひっ。1番かっこいいのは彼方だって言ったの!」


「は?えーっと、ありがとう?」


「どういたしましてー」


「いやいや!なんでそうなった!」

ほんとなんでそんなこと言ったんだ。私は女だぞ。そんな会長より女の私の方がかっこいいとか言ったら怒るだろうよ。ん?いや、普通怒らないのか?


「というか、なんでそんな流れになったんだ?」


「だって、あの人たちが桃原さんに誰が1番かっこいいか聞いててこれは私の出番だと」


「何が私の出番だ!」

パシッ

デコピンのいい音が鳴る。


「いたっ!痛いよ彼方ー」


「馬鹿か。馬鹿なのかな、花音は」

はぁー。


「うっ。ごめんね?」


はぁー。

そんな目で謝られたら許すしかないだろうが。


「もういいよ。終わったことだしな。だけど、もうしないでくれ」


「うんっ!」

いい笑顔ですねー。ほんとやめてくれよ。関わっていい事なんてないじゃないか、あの逆ハーレムは。


「おーい。何そこで女同士でイチャイチャしてるんだ?」


はて?屋上には誰もいないはずだが。

声の聞こえた方を向くとヤンキーがいた。いや、実際ヤンキーかは知らないが格好がな。

金髪に着崩した制服の所々にある血と思わしき赤いもの。

危ない人だろ!?


「おい、聞こえてねぇのか?」


「いや、聞こえてます。というか別にイチャイチャしてません」


「ふーん。別にそこは興味ない」


んじゃ、聞くなや!といいたくても言えない。あの人は多分先輩だろう。唯一学年がわかるネクタイはめてないからわからないけど。


「それで会長殴ったのってお前だよな?」


私を指差しながら聞いてくる。

隠してもいつかはわかるだろう。きっと噂されてんだろうな。うわ、教室戻りたくないや。


「はい、そうですけど?」


「へぇー。えらい男前だな、お前」


「はぁ。どうも」


「そうなんですよ!とってもかっこいいんです!」

おい、花音。それほんとやめてくれと言ったじゃないか。


「ふっ。おもしろい。でも、まぁ」

話しながら彼がいたところから降りてこっちに来る。

私の前に来たとき、

「俺にしちゃかわいい女の子に見えるんだがな」


ゾワァッ

やばい、鳥肌がたった。やめてくれよほんと。


「かわいいは余計ですけど女なのは貴方だけじゃなくみんなわかってるので間に合ってます」


「ははっ。そうか」


「そうです。話は終わりですか。終わりですよね。それでは、次の授業にでるのでさよなら!」

隣にいる花音の手をつかみドアに向かって歩いていく。


ガシッ

もうなんなんだよ、この人。


「なんですか?まだ話あるんですか?」


「あぁ」

そう言うと、掴んでいた手をひっぱって彼の方に引き寄せられた。そして、首に顔が近づき


ガリっ

「つっ。なにすんだ!離せ!」


腕を振り払って彼に向かって足を振った。結構思いっきりしたのに当たりもしなかった。というか、なぜ人の肩を噛むんだよ。血が滲んできたじゃないか。


「おぉ。いい蹴りだな。あと、それは俺からのプレゼント」

肩を指差しながら言ってくる。


「俺は、獅子 琉斗。覚えといてな、彼方ちゃん」

そう言ったあと、ドアから出ていった。


「ふざけるなぁぁぁ!」

叫んだ言葉はあいつに聞こえてるのだろうか。



それからというもの肩の傷を治療するため言った保健室で先生に押し倒され、逃げたところでぶつかった生徒から名前を聞かれお礼にほっぺにキスされてその他もろもろ。ぶつかった生徒は、会長の双子の兄だったのは余談だが。


まぁ、それが花音を屋上で慰めている間に会長を殴ったという噂が広がっていたせいだったなんて知らない。知りたくもない。


というか、なんで俺様(笑)会長を殴ったことによって逆ハーレムの彼らより厄介な奴らに興味をもたれるんだ!


はぁー。

ほんとため息尽きないよ。




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