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『新幹線にて』

「はあ……おっさんになったんだな~」


 新幹線に設置されたトイレの鏡を見て、もう若くないことを思い知らされる。


 いや、そんなことはわかってはいたけどさ……。 


 そろそろ加齢臭が漂ってきたらどうしようか。


 座席に座る際にどっこいしょという掛け声が自然に出たことで、自分も歳をとるということを自ら体言している。 



 高速で走る車窓の窓からは、日本海と北陸自動車道が併走している。


 十年前にこの道路を走って金沢まで走ったことを思い出した。


 そういえばあの時は片道六時間を一気に走りぬけたんだよな~。


 今そんなことをしたら、治りかけた腰痛が再発して動くことができなくなるだろう。 


 あの時代の若さを……、根拠のない希望を……、色々な意味で身軽だった青い時代を思い出して少しだけ切なくなった。

 

 皮肉なことに空は青々と晴れ渡っていて、あの日とまったく同じように見える。


 違うのは自分だけってか……。


 賑わう車内で駅弁を広げ、楽しそうに談笑する若者を羨みながら……飲み込んだ。



次話 『そしてモデルの地へと僕は降り立つ』



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