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808号室

──ハイエースの車内、午前3時。

室内灯すら落とされ、カーステレオからも音は流れていない。ただゴウンゴウンと、エンジンの低いうなりが暗い道路を滑らせる音だけが耳にまとわりつく。


運転席では、目元を鋭くした小柄な男が無言でハンドルを握りしめている。

後部座席で、シンジは浅く腰かけ、落ち着かない様子で窓の外をちらちらと見ていた。


シンジ(心の声)

「おいおい……ワクワクするよなぁ……。今、体をほてらせた未亡人の所に向かってるんだろ?……へっ、琴音に散々恥かかされて、どん底叩き落されたけど、見ろよこの復活劇。オレ様、ここで完全復活ってわけだ……!」


ハイエースは、深夜の交通量もまばらな幹線道路を飛ばしていく。

赤信号も、ほとんど無視できるほどの静けさだ。

外灯が車体を照らし、シンジの顔に一瞬一瞬、薄暗い影を落としていく。


シンジ(心の声)

「にしても……まさかオレが"逆デリヘルデビュー"するとはな。……今までオレが呼んでた嬢たちも、こんな気持ちで向かってたんかよ。……ちったぁ、ありがたみを持たなきゃな(笑)。」


車はスッと減速する。大きなマンションの前で滑るように止まった。


運転手「着いたぞ。」


シンジは運転手に軽く会釈だけして、車を降りた。

夜の冷気が、顔にピリリと刺さる。


シンジ(心の声)

「そうだ……着いたら、さっき待機してるって言ってたあいつに電話しなきゃだったな。」


ポケットからスマホを取り出し、着信履歴から先ほどの男に電話をかける。

数コールの後、すぐに無愛想な声が出た。


男「808号室です。ご健闘を…」


一方的に告げられ、ツー…と無情に切られる。


シンジ(心の声)

「おいおい、味気ねぇな……まぁいい。……にしてもよ、こんな夜遅くまで体をほてらせて待ってるとか、よっぽど欲しいんだな。ククッ、オレが今から悦ばせてやるからな。待ってろよ、未亡人ちゃんよ──。」


エントランスへ向かう。

重たそうなガラス扉に手をかけ、軽く押す。

冷たい金属の呼び鈴ボタンに指を伸ばし──


ピンポーン。


……何も応答がない。

しん、とした空気だけが、耳の中で膨らむ。

シンジは少し眉をしかめたが、次の瞬間、ガチャンとオートロックの解除音が響いた。


シンジ(心の声)

「無言かよ……まぁ、オレのこと、待ちきれんかったんだろうな。」


ニヤリと、唇の端を吊り上げる。

ガラス扉を開き、中に滑り込む。


エレベーターの前に立ち、無造作に「8」のボタンを押す。

ギィィィィン……と微かなモーター音と共に、エレベーターが上昇を始めた。


シンジ(心の声)

「ふぅっと上に上がるこの感じ……たまんねぇな。心臓がバクバクしてやがる。……つーか、よく考えたらオレ、今までプロとしかやったことねぇじゃん。なのに今日は、オレがプロ側!?マジかよ(笑)。……今日で、プロ童貞卒業ってわけだな。」


エレベーターはやがて、静かに8階へ到着する。

カン、という軽い音とともに、扉が左右に開いた。


シンジはゆっくりと足を踏み出す。

廊下は静まり返り、微かな蛍光灯の下で、自分の影がゆらゆらと伸びていく。


808号室。

シンジはその前に立ち止まった。


シンジ「着いた……。ここか……。このドアの向こうに、体をほてらせた未亡人がいる……。どうすんだ?いきなり抱きつかれてきたら……へへっ……。」


ズボンのポケットに手を突っ込み、ガサガサと中を探る。

取り出したのは、運転手から押し付けられたコンドームの箱。


シンジ「クククッ……これで足りなかったらどうすんだよ……。オレ、伝説作っちまうかもなぁ……。」


喉の奥で、低く笑う。


ドキドキと胸を高鳴らせながら、ついに呼び鈴に指を伸ばした。

押す──


ピンポーン。


その指先に伝わる、わずかな振動。

空気が、張りつめる。

◾️◾️◾️◾️◾️

ここからは、

清楚系、松山弁コメンテーターなっちゃん

ピチピチ系、関西弁インフルエンサーカナちゃんの振り返り番組“なっちゃんカナちゃん”


カナちゃん「うーっわ!シンジ、未亡人の所に向かってるやん!」


なっちゃん「ハイエースてのがリアルすぎるやろ、リアルぅ!」


カナちゃん「THE・送迎車!やでほんまに!」


なっちゃん「え、シンジ復活?復活したらええけど、まぁどうなるかやなぁ!」


カナちゃん「しかもやで!シンジ逆デリヘルデビューってどないやねん!」


なっちゃん「金払う方から、もろう方に転身するやつな!進化系ポケモンか!」


カナちゃん「808号室やで!?末広がり!ええ数字引いたなぁ!」


なっちゃん「いやこれ、シェフと不倫する展開ちゃうやろな!?」


カナちゃん「それヒロスエ!!」


二人で爆笑。


なっちゃん「もうシンジ、妄想が止まらんのやろなぁ!」


カナちゃん「未亡人=喪服姿の美熟女って、もう頭の中それしかないやん!」


なっちゃん「"未亡人ちゃん"呼びする時点でアウトやん(笑)」


カナちゃん「FANZA見過ぎやねん!完全にアタッカーズ脳!」


なっちゃん「いや今はマドンナって言うらしいで?オトナ向けは!」


カナちゃん「よう知っとんな!?(爆笑)」


なっちゃん、笑いながら松山弁に滑る。


なっちゃん「ほやけん、そんなことばっかり観よるけん妄想ばっかり肥えとるが!」


カナちゃん「妄想界の横綱やでシンジ!」


二人、机バンバン叩いて笑う。


カナちゃん「オートロック解除のくだりも生々しいって!」


なっちゃん「エレベーター乗って、胸バクバクしよるんが聞こえるみたいやわ!」


カナちゃん「シンジ、プロとしか経験なかったのに、ついにノンプロと初体験か思たら!」


なっちゃん「いやいや、今回はシンジがプロやから!(爆笑)」


カナちゃん「ノンプロVSノンプロのデビュー戦、おあずけになったな!」


なっちゃん「いや、もう無観客試合やでこれは!」


カナちゃん「で、ドアの前まで来たやん!ドッキドキ!」


なっちゃん「この先におるん、猛獣か怪獣か!?」


カナちゃん「だから、両方あかんやつやろ!(笑)」


なっちゃん「てか、その箱持っとるしなぁ……全年齢対象ちゃうぞこのドラマ!」


カナちゃん「今更何を言うとんねん!(爆笑)」


なっちゃん「足りん心配してるし!」


カナちゃん「そうなりゃええけどな〜!……て、アレ着けられへんオチもあるで!」


なっちゃん「(咳払いして)オホンッ!」


カナちゃん「す、すんません……品位を取り戻します……(笑)」


なっちゃん「……ま、ピンポン押したしな!ついに!」


カナちゃん「アカン!楽しみすぎるで来週が!」


なっちゃん「この続き、どうなるんやろ?めちゃ気になるわい!」


二人で顔を見合わせ、また爆笑。

ここで視聴者のコメント読みコーナーに突入!


カナちゃん「ほなここで、視聴者のリアクションいっとこか!」


なっちゃん「きとるきとる!みんな興奮しとるわ〜!」


【視聴者コメント紹介】


カナちゃん「まずコレ!

『シンジ、箱より心配することあるやろ!(笑)』」


なっちゃん「ほんまそれ!まずオートロック解除されて震えるとこやろ!」


カナちゃん「次!

『未亡人ちゃんって呼び方、犯罪級に昭和!(爆笑)』」


なっちゃん「ほやけん、脳みそが昭和ストックしかないんよ、シンジ!」


カナちゃん「まだあるで!

『逆デビューとか、シンジの人生RPGみたいになっとる』」


なっちゃん「"貧乏スタートで未亡人ルート"選んだ勇者やな!(爆笑)」


カナちゃん「これもおもろい!

『未亡人=喪服=お線香って連想しすぎやろ!』」


なっちゃん「もはや"供養しに行っとる"レベル(笑)」


カナちゃん「ラスト!

『シンジ、コンドームの箱だけやなく、勇気も持っていけ!』」


なっちゃん「名言でた!これ今夜のMVPやな!」


カナちゃん「視聴者センス良すぎるわ!」


なっちゃん「ほやけん、みんなシンジ以上にプロやねん!」


二人、机を叩きながら涙目で笑い続ける。


カナちゃん「来週は、ついにシンジ初対面!どうなるか乞うご期待やでー!」


なっちゃん「みんな!また絶対観てや〜!ほなな〜!!」


番組、爆笑の渦の中でエンディングへ。

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