表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

70/101

揺れるパトカーと爆淫香の午後

「……あ、あなたたち。この大量の洗濯物……どこまで持っていくつもりなの?」


すずが、おっとりと微笑んで答える。


「東京ですよぉ~。東京の業者さんで、ぜーんぶ、キレイキレイに洗濯するんですぅ」


女性警官は目がトロンとしている。


「キ、キレイキレイにすると……この匂いもなくなっちゃうのよね……。なんだか、ちょっと、もったいないわね……」


瞳孔が開いている。もはや正常な判断はできていない様子。


すずが無垢な笑顔で提案する。


「もしよかったらぁ、このポリ袋の中に溜まった爆淫香の水滴、タッパーに入れましょうかぁ?」


女性警官は即答する。


「い、いいの!? じゃあ……お言葉に甘えちゃう……」


すずは慣れた手つきで小さなタッパーを取り出し、フレッシュ入りのビニール袋を慎重に逆さにする。

袋の内側に付着していた水滴が、妖艶な光を放ちながら、ぽた、ぽた、ぽた……とタッパーに落ちていく。


思わず彩香が鼻を摘まむ。


「ちょっとちょっと、すず、それ出しすぎたらこの車ごと倒れるわよ……!」


それでもすずは慎重に、最後の一滴まで垂らしてタッパーの蓋をパチンと閉め、女性警官へと差し出す。


「はい、どうぞぉ~。でも……くれぐれも、人混みでは開けないでくださいねぇ~?」


女性警官は子供のように笑って受け取る。


「ありがとう。ふふ……ねえ、それにしても、あなたたち……こんなにたくさん下着を……」


その視線が彩香のスカートに止まった。


「ま、まさか……これは全部、盗んだとか……?」


彩香は「来たわね」と言わんばかりに目を見開き、芝居がかった声で慌てて応じる。


「ち、違いますよぉ! たまっちゃって、洗ってなかっただけです! 私なんか、着替えが無くて、今スースーしてて、もう……恥ずかしいぐらい……ほら!」


女性警官の手を取り、そのまま自分のスカートの上から太腿を触らせる。


「ひゃっ……! こ、これは……」


「ね? 何にも履いてないでしょ?」


彩香、勝負に出た。

女性警官は混乱と興奮の狭間で、ようやく確信を持つ。


「そ、そうなのね……あなたたちは……泥棒なんかじゃないのね……」


彩香は、心の中でガッツポーズ。


(よし……スースー芝居、成功)


すずもすかさず援護する。


「信じてくださいぃ。私たち、ほんとに洗濯に行くだけなんですぅ」


女性警官は息を整えながら、タッパーを見つめて尋ねた。


「ねえ、これって……どうやって使うの?」


すずは、まるで秘密を打ち明けるように小声で答える。


「……落としたい男がいたら、首筋に一滴だけつけて、そっと近づいてください」


「そ、そしたら?」


横から彩香がニヤリ。


「10分後には、ベッドの中ですよ」


すずも追い打ち。


「付け過ぎたらダメですからね~? 相手がゾンビになりますからぁ!」


女性警官は笑いながらも、タッパーの蓋をそっと開け、ほんの一滴を指に取って……首筋へ。


「ちょっと、外に出ようかしら……」


「了解ですっ!」

彩香がドアのハンドルに手をかけ、外に飛び出すと同時に――光速で回り込み、女性警官のためにスライドドアを開ける。


「ハイッ! 今ですっ!」


女性警官がフラつきながら外に出ると、パタン、とすぐさまドアが閉められる。

フレッシュエアーの外流出、阻止完了。


……と。


もう一人の警官――男性警官が、ミラVANの横にいる。

目が据わり、鼻をヒクヒクさせていた。


「ど、どうだった……?」


女性警官がうっとりとした笑みで返す。


「シ……シロよ……まっっっ白」


「そ、そうか……よし、じゃあ……行こうか……」


二人は互いの腰に手を回し、そのままパトカーへ戻っていく。


ミラVAN車外にいるシンジ、腰を抜かしてへたり込みながら、ぼやいた。


「おいおい……これも爆淫香のチカラかよ……。まさか、パトカーで始めたりしねえだろうな……?」


すかさず叫ぶ。


「もう行っても良いっすかぁぁぁ!?」


男性警官は振り向きもせず、右手を挙げただけ。

女性警官は、その肩にもたれかかり、目を細めている。


「……あのふたり、ダメだわ」


彩香が吐き捨て、運転席に乗り込む。


「私が運転する。あんたがまたややこしいことになるのはごめんだわ」


「わ、分かった……すまねぇな……」


助手席にはすず、後ろでシンジはゴロンと丸まり、ぐったりしている。


ミラー越しに、彼らはパトカーを見た。

わずかに……揺れていた。車体が、ゆさ……ゆさ……と。


彩香の手が、ギアにかかる。


「……行くわよ……」


「お、おぅ……頼むわ……」


爆淫香に包まれたミラVANは、揺れるパトカーを背にして、静かに、静かに走り出した。

◾️◾️◾️◾️◾️

ここからは、

清楚系、松山弁コメンテーターなっちゃん

ピチピチ系、関西弁インフルエンサーカナちゃんの振り返り番組“なっちゃんカナちゃん”


なっちゃん「カナちゃん! ちょっと待って! あの女性警官、爆淫香の液体を首筋につけよったんよ!? なにやっとん! 危険物処理班呼ばんといかんレベルやけん!」


カナちゃん「ほんまやで! “どうやって使うの?”とか聞いて、あんな自然に塗る? リップクリームかい! あれ一滴で男10分後ベッド直行やで!? 爆淫香の説明書、裏に“※取り扱い注意・過剰摂取でゾンビ化”って赤字で書いとかんと!」


なっちゃん「で、つけた瞬間に外出て……男性警官と合流したんよ! もう腰に手まわして! で、で、で! パトカー戻ったらゆっさゆっさ揺れよるんよ!」


カナちゃん「ほんまや! もう笑うしかないで! 取締りから取込みに切り替えや! 職質やなくて“触質”や! 車体が“証拠品”になっとる!」


なっちゃん「それな! なんかもう、正義の味方が正義ごと溶けとるんやけん! しかも“シロよ……まっ白”って、そんなん報告すなや! 現場検証ちゃうんよ!」


カナちゃん「ほんまや! “まっ白”言うたら麻薬の取り締まりの合図みたいやけど、実際は爆淫香でラリってるだけやからな!」


なっちゃん「いや〜、私らも匂い想像しただけでクラッとするけんね……あの液体、マジでやばすぎやろ!」


カナちゃん「視聴者のみんなも絶句してるやろな。せや、はがき紹介しよ!」


なっちゃん「はい、一通目。“なっちゃんカナちゃんこんばんは。警官二人が爆淫香で即落ちするシーン、まるで『即席たこ焼きパーティー』みたいでした。材料揃って、火にかけたら、すぐブクブク泡立つ!”」


カナちゃん「それ例えうまっ! ほんまに即席やった! しかもタッパー一滴がたこ焼き粉や!」


なっちゃん「続いてX。“女性警官、爆淫香のタッパー持って帰ったら、冷蔵庫に“ママの秘伝ダレ”って貼りそう”」


カナちゃん「こわっ! 家族が間違って冷やし中華にかけたら地獄絵図や! “パパ10分後にベッド直行”やで!」


なっちゃん「次はがき。“あのパトカー揺れ、もう“交通安全週間”の逆効果ですよね。揺れるたびに“危険運転”やん”」


カナちゃん「ほんまや! 警察署の前に貼り出されるで。“安全運転ヨシ!”やなくて“爆淫香使用中、車体揺れ注意!”や!」


なっちゃん「続いてX。“彩香の“スースー芝居”、演技派女優すぎる。あの一言で女性警官の理性ふっ飛んだやん”」


カナちゃん「スースー芝居な! 舞台のタイトルやん! “スースー歌舞伎”とか流行りそうやで!」


なっちゃん「ラスト。“爆淫香、もう国家機密にした方がいい。戦場にタッパー投下したら、兵士が全員ベッド直行”」


カナちゃん「そらあかん! 国際条約で禁止や! “使用禁止兵器:爆淫香”って書かれるわ!」


なっちゃん「ほんま笑いすぎて腹いたい〜! けど……爆淫香のパワー、マジで洒落にならんね」


カナちゃん「せやな。みなさんも絶対に真似したらあかんで! タッパーは保存食用に!」


なっちゃん「警官さん、パトカーでゆっさゆっさは……放送ギリギリやったけど、私ら的には神回やけん!」


カナちゃん「次回もとんでもない展開期待してな! 以上、“なっちゃんカナちゃん”でした〜!」


なっちゃん「ほな、また見てや〜!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最後までお読みいただきありがとうございました! ブクマ・ポイント評価お願いしまします!

私の作っている他の作品もお読みください!

のぞみとゆうの物語 ~ちょっとだけ本当の甘酸っぱい恋。こんな恋ができる学生の頃に戻りたい。

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ