表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

67/101

フレッシュガスの川辺とシンジの変化

新東名高速、静岡県藤枝市を走行中──午後2時。


ミラVANのハンドルを握っているのは彩香。助手席にはすず。後席の床には、体育座りでポリ袋に囲まれてうずくまるシンジ。


彩香がつぶやいた。


「ねえ、ちょっとさ……トイレ行きたいんだけど」


「私も」とすず。「もう何時間も行ってないし……」


「そ、そうだな……だが……さっきみたいな目に遭ったらヤバいぞ……」シンジが不安そうに目を泳がせる。


「じゃあ何? このまま漏らしていいってこと? フレッシュの袋にぶち込んで、新たな爆淫香でも生成しろっての?」


「いや、それはダメだ!」シンジが即座に否定した。「あれは中から自然発生するもんで、外から加えたら事故なんだよ……濃度が!」


「もう限界なのよ、どうすんの? 漏らす気満々なの?」


「だ、大なのか? 小なのか? どっちだ?」


「どっちでもいいでしょ!? バカなの!?」


追い詰められたシンジは、グローブボックスをゴソゴソ探りながら決断を下す。


「……仕方ねぇ、高速を降りるぞ。サービスエリアは危険すぎる……下道で探すしかねぇ!」


──ミラVAN、藤枝岡部ICで高速を降りる。


しばらく住宅街を抜け、細い山道を走るも、公衆トイレはおろかコンビニすらない。


「ちょっともうヤバい……もう無理……」と彩香がハンドルを握りながら体をくねらせる。


「私、あと一滴も我慢できない……」すずの声も震えている。


「わ、分かった! もうトイレは無理だ! どっか人気のないとこで済ますしかねえ!」


「育ちが良いのよ私! そんなことできるわけないでしょ!」


「なら漏らせ! オレが見張っててやるから!」


「彩香、あそこ! 車停めれるわ!」すずが前方を指差す。


「もう……背に腹はかえられないわ……!」


彩香はミラVANを急停車させ、すずとともに勢いよく飛び出す。


ドアが開いた瞬間──爆淫香を含んだフレッシュエアーが一気に車内から解放される。山間に響く鳥たちの不穏な羽ばたき。爆風のような濃厚な女の匂いに、山の生き物たちが騒ぎ出す。


「おい、あの川のとこでできんじゃねえか?」とシンジ。道から少し下ったところに、苔むした石が並ぶ清流がある。


「ちょっとあんた、覗いたら殺すわよ」


「覗かねえって! 誠意で見張ってんだよ!」


「彩香、行こ」すずが彩香の手を引く。


「……紙はあるのかよ?」


彩香は赤面しながら車に戻ってくる。無言で手を伸ばす。


「あいよ。足りるのか? 多めに持ってけよ」


「足りるっての!!」


二人は川の方へ消えていく。シンジはその隙に草むらで自分も用を足す。


──10分後。


「……遅ぇな。女子のアレってこんなかかるか? いや、もしや……」不安に駆られ、シンジは川の方へ足を進めた。


「おーい! 覗きに来たんじゃねえぞ! ただの見張り確認だぞー! 匂いの残り香がこっちに流れてるから、多分この辺──」


──キャーーーッ!!


「ちょっとあっち行けぇーーーっ!!!」


叫び声。すずと彩香の悲鳴が森に反響する。


「な、なんだと!? 強姦魔か!? まさかこんな所に変質者が潜んでたってのか!? 冗談じゃねえぞ……!」


シンジが飛び出した先には──


猿の群れ。


しかも、10匹以上。全てオス。興奮状態。目は血走り、鼻息が荒く、キバをむいて、すずと彩香の周囲を取り囲んでいた。


「てめぇらッ! フレッシュガスに反応してんじゃねえよこのエテ公どもォォ!!」


シンジ、飛び蹴り一閃! 手にした枝をブン回しながら、猿どもに突撃する!


「さっさと失せろ! 女の命がかかってんだよッ!」


逃げ散る猿たち。山へ消えていく。


ガタガタ震えるすず。腰が抜けて座り込む彩香。2人の顔は青ざめ、涙で濡れていた。


「……大丈夫か? 見てねぇからな……」


「……ありがとう……」彩香が震えた声で呟いた。


「怖かった……猿……ホントに来ると思わなかった……」すずも泣きじゃくる。


「もう大丈夫だ。だが……用は済んだのか?」


「……まだ……」とすず。


「チッ……仕方ねえな。オレがここで見張ってるから、今度こそさっさと済ませちまえ」


数メートル離れて腰を下ろすシンジ。後ろを向いたまま、猿の気配を警戒する。


「終わったか?」


「……まだよ!」


「分かった分かった、早くしろ!」


──そして15分後。


「終わったわよ!」と、すず。


2人がようやく戻ってくる。衣服を整えながら、まだ泣き顔のまま。


「……さあ、行こうか」


ミラVANに戻る3人。道端に残る猿の足跡が、さっきの出来事の生々しさを物語っていた。


「もう……泣くなって……オレが運転するからさ」シンジが言う。「通報リスクは爆上がりだけどな」


後席に彩香を座らせる。彼女はポリ袋を抱え、そっと身を沈める。爆淫香がぷぅ……と漏れ出す。結び目が甘い。


「すず、助手席頼むわ」


すずも同様にポリ袋を抱え、疲れ切った顔で座る。爆淫香に顔を背けもせず、ぼーっとしている。


「……じゃ、行くからな」


シンジはキーを回し、再びエンジンを唸らせる。VANはゆっくりと山道を抜け、再び新東名高速へと合流する。


──走行中。


ちらりと助手席を見ると、すずはポリ袋を抱いたまま眠っていた。後席の彩香は、袋に顔を埋めたまま小さく寝息を立てている。


「おいおい……爆淫香をモロ吸いで爆睡かよ……大丈夫かお前ら……」


言葉にはしないが、シンジの目はどこか優しく、どこか切なげだった。


──東京まで、残り4時間。


◾️◾️◾️◾️◾️

ここからは、

清楚系、松山弁コメンテーターなっちゃん

ピチピチ系、関西弁インフルエンサーカナちゃんの振り返り番組“なっちゃんカナちゃん”


(オープニングテーマが終わって、スポットライトがふわっと灯る。ステージに立つのは、大阪弁可愛い系コメンテイターのカナちゃん、そして松山弁清楚系インフルエンサーのなっちゃん。ふたり並んで満面の笑み)



カナちゃん「皆さん見てくれました?今夜のドラマ『爆淫ドライブ』!もうな、ウチらもリアルタイムで絶叫しながら観てたわ!」

なっちゃん「ほんまやで〜!彩香とすず、トイレ行きたいって…ほやけど、そりゃそーよ!生き物やけん!」

カナちゃん「ドラマで“尿意”とここまで向き合うとはな!まさかの感情移入ポイントやったで。ウチらも収録前とか、ちゃんと行っとるしな?」

なっちゃん「行っとる行っとる〜。ギリまでコーヒー飲んでまうんよ。胃腸緩なるんわかっとんのに〜!」



カナちゃん「でた!フレッシュポリ袋!非常用トイレやないのに、使い方合ってるんかいな!」

なっちゃん「いや、“爆淫香”をそこに生成したら、そりゃ新たなステージやろ!進化系やん!もはやメガ爆淫香やわ!」

カナちゃん「しかもシンジが“どっちか”って聞くのやめぇや!興味本位やん、100パーセント好奇心の顔やったで」

なっちゃん「ほんで、高速降りて下道行くやろ?藤枝岡部やって!静岡もびっくりやわ〜!」



カナちゃん「彩香とすずがギリギリ状態で車降りたとき、ウチはほんまに胃がキューッてなったわ」

なっちゃん「ほやけん、アスワンハイダムよ!?決壊一歩手前の緊迫感!それでもフレッシュは離さんのよ、この子ら!」

カナちゃん「猿出てくるねん!もう、あれホラーやで!鳥が“ギャアッ!”って飛び立った瞬間、心臓止まるか思たわ!」

なっちゃん「鳴き真似完璧やったわ、カナちゃん(笑)そのまま動物番組いけるわ!」

カナちゃん「彩香の“殺すわよ”出たー!あれ、今回3回目やったやろ?もう持ちネタやで」

なっちゃん「シンジ、トイレットペーパー一巻き持ってるのも笑うけど、それ渡して“足りるか?”って!どんだけ拭くねん!」

カナちゃん「爆笑やったわ〜」



なっちゃん「でもさぁ、ここからちょっと感動してもうたんよね…」

カナちゃん「うん。彩香もすずも、泣いとったやん。サルにまで狙われて、精神的にもギリやってんな…」

なっちゃん「それを、シンジが静かに迎えに来るんよ。あの人、ほんまはエグい奴やのに、なんでか時々だけ…優しいんよなあ」

カナちゃん「“見てへんから早くスカート上げなよ”がほんまシンジすぎて…そこが逆にリアルやねんな」

なっちゃん「優しいな、シンジ…てなってもて…」

カナちゃん「絶対、通報フラグ立ってたけどな!」

なっちゃん「それな!!(笑)」



カナちゃん「で、ふたりを車に乗せたら、もう爆睡よ!」

なっちゃん「爆淫香のポリ袋抱えたまんま!シンナー遊びか言うて!」

カナちゃん「爆睡と爆淫が重なって、爆×2やからな(笑)」

なっちゃん「ハリウッドでも撮られへんて、こんな情緒!」



カナちゃん「さて、最後に!視聴者のリアクションも、どーんと紹介してこか〜!」



【視聴者の反応コーナー】


「彩香とすずがフレッシュ持って森に消えてくシーン、笑い死ぬかと思った」

→ カナちゃん「それな!あれ、某ジブリのラストやないねんから!」

→ なっちゃん「“フレッシュの墓”やったなぁ…」



「爆淫香がサルにまで効くとは思わんかった」

→ カナちゃん「さすが!ナチュラルボーン発情誘導香!」

→ なっちゃん「もうバナナの皮も寄り付かんかもしれんけん(笑)」



「彩香の“殺すわよ”が回を追うごとに味出てきて好き」

→ カナちゃん「あれ中毒性あるねん!」

→ なっちゃん「“殺すわよ”Tシャツ作ったら売れそうやわ〜!」



「最後の寝顔が可愛くて泣いた」

→ カナちゃん「わかるー!ええ子らやねん!」

→ なっちゃん「その分、次回の地獄に震えるけどな…!」



(照明がフェードアウトし、ラストにカメラが二人の笑顔をゆっくりズーム)


カナちゃん「ということで、このスレッドでのトークはここまでやけど…」

なっちゃん「次のスレッドでも、ウチら暴れまくるけん、また見てや〜!」


ふたり揃って「ほな、またねー!!」


(エンディングテーマが流れる)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最後までお読みいただきありがとうございました! ブクマ・ポイント評価お願いしまします!

私の作っている他の作品もお読みください!

のぞみとゆうの物語 ~ちょっとだけ本当の甘酸っぱい恋。こんな恋ができる学生の頃に戻りたい。

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ