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運命共同体

――東名高速・豊田東JCT付近 10:00AM。

白く霞む朝の陽光の中、小さな白のミラVANが、ガタついた足取りで東へ向かっていた。車内には、ただならぬ空気と――甘く重たい、異様な匂いが漂っている。


後部座席の床で、雑巾のようにくたばっていたシンジが、ぬらりと目を開けた。

車の揺れに合わせて、頭が少しだけズレる。口の端には、なぜかうっすら笑みすら浮かんでいた。

顔をしかめながら、運転席のシートに手をかけ、ノロノロと体を起こす。


「……おい……お前ら、オレに……何やったんだ?教えろよ……そして……もう一回やれぇ……」


まるで陶酔。夢現の瞳に映るのは、どこかで味わった“甘美な記憶”。

シンジはすずに“ヴァージン爆淫香”を注入された結果、脳がふわふわになっている。しかも嬉しそうだ。


「ちょっ、すず! 後ろ見て!アイツ、起きたわ!」

運転席の彩香が焦ってミラー越しに叫ぶ。


「えっ!?……あんた、まだヘンな真似したら――」

助手席のすずが身を乗り出して、シンジを睨みつける。

ハンドルを握ったまま、片手でビニール袋のひとつを持ち上げた。


「このパンツ、今すぐ捨てるからね!! これ、少しでも数足らなかったら“任務不成立”なんでしょ!? ほんとにやるわよ!」


「う、うぉい待て待てっ! やめろやそれだけは!」

シンジは目をむいて手を伸ばす。


「それやっちまったら終わりだって! 代わりにお前らのフレッシュ詰めてもバレちまうんだよぉ! 匂いの系統でな!」


「こっちだって、やりたくないから言ってんのよ! 変な真似さえしなければ、あんたにゃ何もしない!」


「そ、そうだよ……ふふ……わかってんじゃねぇか……」

シンジは額の汗をぬぐい、スッと口角を上げる。

後部座席を埋め尽くす10袋のフレッシュが、かすかに光を放つようにも見える。


「最優先は、この10袋を無事に東京へ届けることだ。それができなかった時にゃあ……」


車内の空気が一瞬凍る。シンジが、ぐっと二人を睨みつけた。

この男、表情が変わると途端に“圧”が出る。


「……分かってるってば! だから今あんたと私たちは“運命共同体”なのよ!」


「よし。じゃあ、お前らはオレの言うことを聞け。……オレも、お前らの言うことは聞いてやる。対等な取引だ」

シンジの声は不自然に優しくなったが、目だけは全く笑っていない。


「もし途中で逃げようとしても無駄だからな。お前らにはもう、たっぷり“フレッシュガス”が染み込んでる」

シンジはクンクンと鼻を鳴らす。「……この鼻で、お前らが日本のどこに逃げても、必ず嗅ぎつけてやるからなぁ……」


「わ、わかったから! 逃げないってば!」

彩香は両手で顔を仰ぎながら答えた。


――その時。

「……あっ!」とすずがメーターを見て声を上げた。


「なに?」


「……ガソリン警告灯、点いてる……」


「なにィ!? 高速でガス欠になったら、パトカーに止められるぞ! 職質されたら、この車ん中の“フレッシュ”のことまで嗅ぎまわられて、オレたちゃ終わりだ!!」


「次のサービスエリア……岡崎だけど、そこまで持つかどうか……」


「やれるだけやれ! とにかく“省エネ走行”だ! エアコン切れ!」


すずがエアコンのスイッチを切ると、車内の空気がもわっと変わった。

すぐに温度が上がり、濃厚な“フレッシュガス”が空間全体を包み込む。


「う……うわ、キッツぅ……!」

彩香がブンブンと手で顔の前を仰ぎ始める。


「む、ムンムンすぎて……汗が……変になりそう……!」


「うるせぇ! ガス欠になったら全部水の泡だろうが!」


「……あんたは変態だから、それで喜んでるかもしれんけど! こっちは女よ!? マジ無理だから!」


もはや車内は、小さな“密室地獄”。

汗ばむ肌、車に染みついたフレッシュの残り香、10袋から溢れるフレッシュガス――その全てが、三人の神経をギリギリまで削っていた。


そんなミラVANは、フラフラと左へウィンカーを出しながら、命綱である岡崎サービスエリアを目指して、坂道を登っていく――。

◾️◾️◾️◾️◾️

ここからは、

清楚系、松山弁コメンテーターなっちゃん

ピチピチ系、関西弁インフルエンサーカナちゃんの振り返り番組“なっちゃんカナちゃん”


《トークバラエティ番組「なっちゃん・カナちゃん」》


(スタジオ:エメラルドグリーンのソファに座るなっちゃんとカナちゃん。モニターにはさっき放送された『愛の織布 輸送任務篇 #6』の一場面、後席から這い出すシンジの顔がドアップに映る)



カナちゃん(大阪弁)

出たーーっ!起きた!起きたでコイツ!


なっちゃん(大阪弁)

うっすら笑ろてるんアカンて!なんやあの顔!お釈迦さまでもあんな光悦顔せんよ!


カナちゃん

お釈迦さまでも爆淫香にやられたら笑うやろ!


なっちゃん

そうや!あれやろ?“一番搾り爆淫香”注入されてもうたからよ!


カナちゃん

わかるわ〜、あの袋の中の密閉爆淫香って、パンティ界のナパームやで!


なっちゃん

ヴァージン爆淫香が鼻ん中の細胞ぜんぶ殺しよるがな!


カナちゃん

脳まで届いて記憶書き換えてんで絶対!「オレに何したんだ?もう一回やれぇ…」って、変態AIか!


なっちゃん(松山弁出始める)

もぉ〜〜、脳みそごと煮込まれとるんよ〜!すき焼きのラスト5分の豆腐くらい煮詰まっとる!!



カナちゃん

で、こっからすずと彩香が猛反撃!「パンツ捨てるぞ!」言うて。


なっちゃん

あれ誰が鑑定すんのよ!?フレッシュソムリエでもおるんか!


カナちゃん

「2025年春物・某国民的アイドル使用済み、履歴4時間、推定香り残存度89%…シャネルの残り香有り」って分かるヤツな!


なっちゃん

おそろしい!国家資格制度にしてくれ!


カナちゃん

でな?ついに出たよ…「運命共同体宣言」!


なっちゃん(松山弁強まる)

いややーーーっ!!運命共にする相手がシンジ!?そりゃぁもう…地雷原でトランポリンするようなもんよ!


カナちゃん

ええたとえやな!しかも跳ねてる最中にガス欠やて!!



なっちゃん

もう…人生の終わり方が“高速道路の非常駐車帯でガソリン切れフレッシュ放出”ってなんなん!


カナちゃん

窓も開けられへんからな!開けたらフレッシュガスが外出てまう!


なっちゃん

そんなんもう…1000億ベクレルやよ!


カナちゃん

パトカー来るわ!即逮捕案件やで!


なっちゃん(松山弁で爆笑)

「えー、この香り、強烈にアイドル的であると判明しました!」言うて交通機動隊も即座に包囲やろ!!


カナちゃん

ETCより早いでな、国家権力!



なっちゃん

ほんま、毎週毎週、脳みその皺が逆に消えていく感じあるよね。


カナちゃん

平らになって、感情で受け取るしかない。そんでいま、X(旧Twitter)でバズってるコメント紹介しよか!



なっちゃん

出た!視聴者のリアルボイス〜!!



カナちゃん(読み上げ)

@smell_luv_mania:「シンジの鼻、実は人工AI嗅覚説。逃げても追ってくるとかホラーやん!」


なっちゃん

もう完全に“サイボーグ変態”やん!逃げられんのよ、あの鼻に吸われる!



カナちゃん

@panty_zenbu_hosii:「フレッシュ詰め替えたらバレるとか、何の修行したらそんなスキル手に入るんですか…」


なっちゃん(松山弁)

知らん知らん!仏門でもそこまではいかんよ!煩悩の頂点すぎるんよ!



カナちゃん

@mizutamari_girl:「すずと彩香…完全に人質やん…あんなん、“人間爆弾 with 袋”やで…」


なっちゃん

間違いない…フレッシュ付き爆弾持って運転してんのと同じやもん…



カナちゃん

@busukawaii_sister:「窓開けたら逮捕って世界観、もはやパンティのカリフラワーやん」


なっちゃん

どういう意味よ!?でもなんか納得したわ!香り弾ける野菜ってことやろ!!



カナちゃん

@nerunerunerune:「エアコン止めたら温度上がって…ムンムン車内…って、まさに”青春爆香エピソード”やん!」


なっちゃん(松山弁で)

青春…?いや違う!これは”変態の修羅場”よ!!汗と香りで煮えたぎった地獄鍋じゃわい!!



カナちゃん

今日の放送、一言でまとめるとしたら?


なっちゃん

「パンティに支配された男と、その囚人たち、東名爆走編」!


カナちゃん

次回予告も楽しみすぎる〜!岡崎SAで何が待っとんねん!


なっちゃん

絶対、警備員とか出てきて一波乱やろ?爆淫香スキャンでもされるんやない?


カナちゃん

あああ〜〜もぉ!やめてーっ、笑いすぎてフレッシュ漏れるわぁ!


なっちゃん

アンタが漏らしたら、こっちも袋詰めせなアカンがな!!


(スタジオ、爆笑の渦)



なっちゃん&カナちゃん

以上、「なっちゃん・カナちゃん」でした〜!来週も爆淫香と共にお届けするよ〜!



(次週予告:灼熱岡崎サービスエリア編「トイレか?ガソリンか?それとも…通報か!?」)

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