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シンジの反撃

名古屋港・第3南埠頭、朝8時10分。

海風に吹かれて潮の香りが鼻先をかすめる広大な埠頭に、黒いタクシーがゆっくりと滑り込んだ。前方には鉄骨むき出しの巨大倉庫。港湾作業員の姿はなく、代わりに不自然な静けさが漂っている。


「運ちゃん、ここで止めてくれ」

シンジが低く言うと、運転手はルームミラー越しにまた一度ニヤついた。だがもうシンジはその笑みには構わない。野崎から渡された経費の中から料金を支払い、ドアをバンと閉めて外に出た。


倉庫の方へと歩き出しながら、深く鼻から空気を吸い込む。

「……する」

その一言に、シンジの鼻が確かな手応えを告げていた。

「フレッシュの匂いがする。オレにはハッキリ分かる……この倉庫の中に、ミラVANがいる。いるぞ。オレの女神たちの織布が……!」


瞳がギラつく。怒りと欲望がないまぜになった混濁の光。

「奪ってったあのねえちゃん、ただじゃおかねぇからな。お前ら……フレッシュ舐めすぎなんだよ」


シンジは倉庫の裏側に回り込み、息を殺すようにそっと搬入口のシャッターの隙間から中へ滑り込む。金属の軋む音に緊張が走ったが、誰も気づかない。


「やっぱな……」

彼の心が確信に変わる。倉庫内部はほの暗く、空気が淀んでいる。そして、ただの淀みじゃない。


「フレッシュの匂いで、ムンムンじゃねえか……。オレの鼻は誤魔化されねえ……っていうか、これは誰でも分かるだろ。むしろ脳に刺さってくるレベルだぞこのエロ芳香……!」


高く積まれた木箱の間を慎重に進んでいくと、シンジの目に映った。

ミラVAN。

周囲には数人の男女が取り囲んでおり、その中にはあの女——彩香の姿もある。


「やっぱな……見ーっけ」

物陰に身を潜め、耳をそばだてる。


「よくやったな、彩香、すず。これは報酬だ」

スーツ姿の男が、札束の束を差し出している。

「ふふ、簡単だったわよ、あの男。バカだからすぐ引っかかったわ」

すずの声。にじむ嘲笑。

「それよりも、この下着、どうするの?」

「これは中国で高値で取引されてる。フィリピン経由で上海へ積み込む。ザルだからな」

「ハッ……くだらないわね、こんなもので」


そのとき、すずが一人で倉庫の奥へと向かって歩き出す。

「ちょっと、トイレ行ってくるわ」

好機。シンジは走らず、音を立てず、まるで影のように先回りし、薄暗いトイレの中に潜んだ。石造りの空間に潮と埃と微かな尿の匂い。そこに、別の芳香が混じる。


ギィ……と扉が開く。すずが入ってきた——その瞬間、背後からシンジが手を伸ばす。

「動くな。声も出すんじゃねえ」

すずの目が一瞬で見開かれ、凍りつく。


「ちょ、なんであんたここに——」

「オレを甘く見るなよ。誰がバカだって?その気になりゃあ、あのフレッシュの袋に、お前のフレッシュも足してやれるんだぜ?」

息が詰まるような沈黙。だが、すずの体は明らかに硬直したままだ。


「ちょっと……悪かったわよ。でも……自分でもバカだと思うでしょう、ねぇ?」

「やかましい。あんまりオレを怒らせるな。お利口ちゃんでいろってんだ」


彼女は観念したように息を吐いた。

「わ、分かったわよ。大人しくするから……乱暴は、やめて」


シンジの内心が爆発寸前まで膨らむ。

(うぅ……乱暴しないでとか……たまんねぇ!でも……でもさすがにオレ、そこまで悪人にはなれねぇ。FANZAのVR映像で……我慢だ……我慢だシンジ……!)


表面は冷静を装いながらも、脳内は修羅場。だがシンジは振り切るように口を開く。

「よし、それならあの車を取り返すのに協力しろ」

「ど、どうすればいいのよ……?」


シンジはギロリと睨む。

「お前……あんな車内でよく平気でいられたな?爆淫香で窒息しそうになるだろ」

「わ、私は女よ。女の下着なんて、匂いなんかなんとも思わないわ」


シンジは絶望に似た感情で天井を仰ぐ。

(な、なんてこった……。あんな夢の詰まったフレッシュを……なんとも思わねぇ……だと……!?)


「……よし、分かった。じゃあ、いっしょに来い。連中の死角に入り込む」

すずの腕を軽く引き、シンジは彼女を倉庫の影へと導いていく。


その背後では、まだあの男たちが報酬の金を数えながら談笑していた——まさか今、ここで"反撃の狼煙"が上がろうとしているとは夢にも思わずに。


(つづく)

◾️◾️◾️◾️◾️

ここからは、

清楚系、松山弁コメンテーターなっちゃん

ピチピチ系、関西弁インフルエンサーカナちゃんの振り返り番組“なっちゃんカナちゃん”


なっちゃん

「きゃーーーっ!来た来た来たぁ!シンジがついに反撃に出よるやん!やばいわぁ!わたしの心臓ドキドキが止まらんのやけど!」


カナちゃん

「ほんまやで!すず相手に背後から“動くな”って!カッコつけたつもりが、頭ん中はFANZAのVRで我慢とか!あんた結局そっちで処理すんのかい!いやでも、シンジ行け!法の範囲内で!」


なっちゃん

「シンジ!やれるけん!すずピンチやけど、ここで仲間に引き込んだらワンチャンあるで!でもな……“フレッシュなんとも思わん”ってすずの返し、あれ地獄の一撃やったね……シンジの心にクリティカル入っとる!」


カナちゃん

「ほんまや!シンジの頭の上に“HPごっそり削れました”って表示されとったもん!あんな夢の香りを“なんとも思わん”って言い放つの、まるで高級和牛を前に“ハムと同じやん”言うようなもんやで!」


なっちゃん

「ほんでシンジ、“協力しろ”ってすずに命令するんやけど、冷静装ってるけんど実際は“VRで我慢やぁ!”って心の中で叫びよるんよ!あれもう応援せんわけにいかんやろ!」


カナちゃん

「そうや!いけシンジ!でも絶対に手ェ出したらアウトや!シンジ行け!法の範囲内で!」


なっちゃん

「すずピンチやけど、同時にシンジもピンチ!この心理戦、まるでサッカーのPK合戦みたいやわ!ゴール決めるか、空振りするか、全部のぞかれとる感じ!」


カナちゃん

「ほんまやな!倉庫での匂いの充満感、あれもう実況で言うたら“ドーム内の熱気そのままや!”やで!こっから先の逆転劇、めっちゃ期待してまう!」


なっちゃん

「シンジ行け!法の範囲内で!すずピンチ!……あー、ドキドキして苦しいわ……」


カナちゃん

「視聴者のみんなも一緒にハラハラやろ!ほなここで、届いとるはがきとXのコメント読もか!」


なっちゃん

「ええね!まずははがきからいくでー。“ラジオネーム・港のスズメさん”『すずが“フレッシュなんとも思わん”って言ったとこ、冷めたビールみたいでした。泡が全部飛んでまうやん』……おお、うまいこと言うねぇ!」


カナちゃん

「ほんまや!冷えたビール開けた瞬間に“プシュッ”も鳴らんとか、裏切られ感ハンパないで!」


なっちゃん

「続いてX。“@freshlover”『シンジ、法の範囲内って言われとんのに、顔はもうアウトローのギラつきやん』……たしかに!ギラギラしすぎやろ!」


カナちゃん

「ほんまやな!表情だけ見たら“裏社会のヒーロー”やけど、実際は“VRで我慢やぁ!”やからな!落差で腹ちぎれるわ!」


なっちゃん

「次は“ラジオネーム・匂いフェチ子さん”『倉庫の空気、読んでるだけで鼻にまとわりつく気がしました。もうファブリーズ10本欲しいです』」


カナちゃん

「いやほんまに!読んでるワイらまでむせ返りそうやったもん!フレッシュの芳香、半分は武器やからな!」


なっちゃん

「ほな次!“@suzu_hater”『シンジ頑張れ!すずを味方につけたら逆転の将棋みたいに詰められる!』」


カナちゃん

「そうそう!角取られた思たら、実は飛車に化けとるみたいなな!シンジ、盤面ひっくり返したれ!」


なっちゃん

「いや~みんなコメントおもろいな!こうやって比喩で例えられると余計笑えてまうんよ!」


カナちゃん

「ほんまやで!次回はシンジがどう動くか、ますます楽しみや!頼むでシンジ、行け!法の範囲内で!」


なっちゃん

「それダチョウ倶楽部の“押すなよ?”みたいになってないか?!でも視聴者は大爆笑!……これはええ回になりそうやなぁ!」


カナちゃん

「次の展開、震えて待っとこ!」

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