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フレッシュ愛の織布輸送ミッションの門出

ソープ街のど真ん中、ネオンも消え果てた廃墟ビルの一室。中はかすかに湿気と古い消毒液の臭いが混じり合ったような空気が漂い、蛍光灯はジジジ……と不吉な音を立てながら点滅している。


シンジは、どんよりとした天井を見上げながらソファに腰を下ろしていた。黒いTシャツにジャージ、足元はつっかけ。やる気のないその姿とは裏腹に、目だけがギラついている。


対面に座るのは、ソープ街の闇を仕切る斡旋人、野崎。真っ黒なスーツにグレーのシャツ。整った髪型と丁寧な物腰、だけどその奥にあるものは、得体の知れない冷たさだった。


しばしの沈黙の後――野崎が口を開いた。


野崎「では、説明しますが……よろしいですね? 聞いたらもう、後戻りはできませんよ?」


まるでホラー映画の第一声みたいなセリフに、シンジは眉一つ動かさず答えた。


シンジ「ああ、構わねえよ。さっさと始めようぜ、どうせ俺にゃあ他に道はねぇ」


言葉は強がっていても、心の中では別の声がうごめいていた。


シンジ(心の声)「いやいや……“フレッシュ”とか言ってたじゃんよ……マジで言うのか?」


野崎は軽く頷き、間を置いて言った。


野崎「これからあなたには、東京まで“あるもの”を運んでもらいます」


シンジ「……“あるもの”って、まさか……洗濯してないパンティだろ?」


すでに察していたとはいえ、口に出して改めて絶望。だが野崎はその一言を軽く受け流し、すっと目線を落として、低い声で答えた。


野崎「それだけではありません」


シンジ「……は?」


シンジ(心の声)「おいおい、何だよそれ……フレッシュの次は何だってんだ……下着以外で変なもんじゃねぇだろうな」


シンジ「“愛の織布”って、パンティのことだろ? 違ぇのか?」


野崎「“織布”とは、パンティに限ったものではありません。今回はブラジャーも、です」


その場に漂う空気が、さらに濃密に沈んだ。


シンジ(心の声)「何真顔で言ってんだよ……もうオレ母ちゃんに見せられねぇわ、こんな姿……」


シンジ「そ、そうかよ。別にブラジャーが増えたところで、難易度が上がるわけじゃねえだろ?」


野崎は、わずかに眼鏡を押し上げた。


野崎「それは甘い考えです。パンティマニアだけでなく、ブラジャーを専門に狙う“プラジャー”が加わることで、マニア層が拡大します。それに比例して妨害リスクも飛躍的に上昇するのです」


シンジ「プラジャーて……なんだよその分類。マニア界の奥深さが怖ぇよ……」


ため息を吐きながら、シンジは問い直す。


シンジ「で? どれくらいの量を運ぶんだ?」


野崎はポケットから小さなメモを取り出し、淡々と読み上げる。


野崎「ポリ袋……10袋分です」


シンジ「……じゅ、10袋!? そんなにたくさんのフレッシュ、どうやって集めたんだ? まさか……盗んだもんじゃねえよな?」


野崎は首を横に振りながら、また例の台詞を繰り返した。


野崎「依頼人からは“違法に入手したものではない”と聞いています。我々と依頼人の間には、法には触れないという信頼関係があります」


シンジ(心の声)「なに言ってやがんだ……舞のフレッシュだって、忍び込んで盗めって言ってたじゃねぇか……信頼って言葉、ガムみたいに噛んでんな……」


シンジ「……まあいいさ。信じるしかねぇ。どうせ信じなきゃ動けねぇ」


シンジ「で、その10袋分のフレッシュ……どうやって運ぶんだ?」


野崎はゆっくりと車のキーを取り出し、無言でシンジの前に差し出す。


野崎「これです。軽のバンで、お願いします」


シンジ「け、軽のバン!? おい、あんた自分で“妨害が予想される”って言ってたよな? 軽で突っ切れってのかよ」


野崎「依頼人からは“その車で運ぶように”と指定されています。我々と依頼人の間には、法には触れないという信頼関係が――」


シンジ(心の声)「軽かどうかって、法に関係ねぇじゃねぇか。なんなんだこの頑固なフォーマット……」


シンジ「で……誰のフレッシュなんだ? なんか……どんなもん運んでるかくらい知っとかねぇと、気合入らねぇだろ?」


野崎は少しだけ視線を逸らし、静かに答えた。


野崎「それはお伝えできません。ただ、袋には名前が書かれているようです。あなたはそれを見てはいけません」


シンジ「いやいや、ちょっとくらいヒントくれよ。こう……気持ちの持っていき方ってあるだろ? 愛ってのはな、知らないと込められねぇんだよ」


野崎は少し間をおいてから、声を落として答えた。


野崎「某アイドルグループ、有名女優多数、アナウンサー多数、有名モデル多数、その他の美形タレント、セクシー女優多数のフレッシュセットです」


シンジ(心の声)「ま、マジかよ……そんなの運んでる最中に何かあったら、全国ネットのスキャンダル爆誕じゃねぇか……てか、車内ムンムンだろ絶対……密閉空間でフェロモンテロかよ……」


シンジ「で、いつまでに運べばいいんだ?」


野崎「本日午後6時までに。遅れたり、妨害で奪われたり、汚損した場合は即ミッション失敗となります。高速道路は極力避けてください。妨害車両に囲まれると、逃げ道がなくなります」


シンジ「わ、分かった……午後6時ってことは、今から18時間か……ふぅ、ギリギリだな」


シンジ「で、ブツはどこにある?」


野崎は背後にある扉の方をゆっくり振り返った。その動きは妙に演出じみていて、まるで背後に禁断の秘宝があるかのようだった。


シンジ(心の声)「……この扉の向こうに、アイドルや女優のフレッシュが眠ってる……って思うと、ドアノブが金色に見えてきやがった……」


野崎は立ち上がり、足音を一つ一つ響かせながら奥の部屋へと歩いていく。


野崎「車はこのビルの下に止まっています。……では、私はこれで」


バタン、と扉が閉まる音がビル全体に響いた。静寂が戻る。


シンジはしばらくその扉を見つめ、重い吐息を吐いた。


シンジ「……マジかよ……やるしかねぇのか……」


深夜のソープ街――今、下着まみれの命がけの任務が、幕を開けた。

◾️◾️◾️◾️◾️

ここからは、

清楚系、松山弁コメンテーターなっちゃん

ピチピチ系、関西弁インフルエンサーカナちゃんの振り返り番組“なっちゃんカナちゃん”


なっちゃん 「うわぁぁぁ来たわぁぁ!!新シーズン開幕やん!え、ちょっと待って……なんや!!“愛の織布ゲット業務”って!!」


カナちゃん 「せやねん!!織布て!めっちゃ偉そうに言うてるけど、結局パンティとブラジャーやん!?もうそれ下着界のファンタジーRPGか!」


なっちゃん 「ほんまよな!“愛の織布”とか言われたら、こっちは“古代の神殿に封印されとる布”みたいなん想像するがね!……開けてみたら、ただのフレッシュ……いやいやいや!」


カナちゃん 「しかも“プラジャー”って!なんやその言葉の破壊力!新しい敵キャラ出てきたんかと思ったわ!“やめろ!プラジャー軍団襲来!”みたいな!」


なっちゃん 「プラジャーって響き、強そうなんやけど実際やっとることはブラ収集やけんね。もうマニア層が多重進化しよる……」


カナちゃん 「ほんで10袋!?おいおい、軽バンで10袋ってそれもう小規模移動販売会やろ!フレッシュ即売会かい!」


なっちゃん 「しかも名前書いとるけん、絶対見てしまいそうになるんよな。ここで“ありな”とか“うんぱい”とか書いとったらどうするんよ!?そらシンジも動揺するがね!」


カナちゃん 「しかも依頼人の“信頼関係”ってワード、連呼しすぎや!もう呪文やん。“我々と依頼人の間には信頼関係がある”って唱えたら、全部違法じゃなくなるんか!」


なっちゃん 「わかるー!ほやけん、軽バン指定すら“法に触れないため”って言いよったけど……軽と法、なんの関係あるんよ!?無理矢理やわ!」


カナちゃん 「ほんまシンジの頭抱えたくなる気持ちわかるで!でもな、ここから新しいシーズンの波乱が始まるんやろ?あぁーもう心臓がドキドキ鳴っとるわ!」


なっちゃん 「わしらも一緒に任務背負わされた気分やけんね!フレッシュの匂いが漂ってきそうなんよ!」


カナちゃん 「じゃあここで恒例の、視聴者からのはがき読もうか!」


なっちゃん 「おー!読も読も!」


カナちゃん 「ラジオネーム“夜風のスカートめくり”さん。『10袋のフレッシュって冷凍餃子の業務用サイズぐらいありますよね?車内パンティまみれの光景、想像だけで渋滞起こしそうです』……いや例えが絶妙やな!餃子と下着一緒にすな!」


なっちゃん 「次はXから。“#愛の織布”でトレンド入りしとるけん!コメント読むよ。“愛の織布って聞くと、RPGの伝説装備にしか見えん。勇者シンジ、下着クエストへ出発!”……うわーこれゲーム化したら絶対CERO Zやな!」


カナちゃん 「ほなこっち。“プラジャーって響きが強すぎて、悪の組織のボスにしか思えん。倒したら巨大ブラ落としそう”……いやラスボス戦アイテムやん!ドロップ報酬ちゃうぞ!」


なっちゃん 「ほんま視聴者の例えが秀逸すぎて、お腹よじれるがね!でもそれぐらい、今回の新シーズンはパワーワード祭りなんよ!」


カナちゃん 「せやせや!この勢いでシンジ、絶対また転落してくやろうけど……同時に彩香とすずの伏線も来る気がしてならん!」


なっちゃん 「うん!新シーズン一話目から、もう沸点突破しとるけんね!次回が待ち遠しいわー!」

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