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新しい任務とは

くたびれたスーツの野崎が、カサリ……と静かに内ポケットに手を入れた。

その動きに、ソファに腰を沈めたシンジは自然と背筋を伸ばす。


野崎はまるでお経の巻物でも出すような慎重さで、紙を一枚、丁寧に広げる。


その表面に、墨で美しく達筆に――そして、異様な違和感を残して、こう書かれていた。


「フレッシュ愛の織布輸送」


沈黙。時計の針が、コツ、コツ、と音を刻む。


野崎「……これはどうですか?」


シンジは紙を見つめたまま、まるでコントの台本を読まされた芸人のように目を丸くし、顔を引きつらせた。


シンジ(心の声)

おい……またかよ。“愛の織布”って時点でもう頭おかしいのに、“フレッシュ”って……洗ってねぇやつ限定じゃねえか……。このオッサン、どんな達筆だよ……手紙の内容と字のギャップがえぐいわ……。


シンジ「な、なんだよこれは。……またパンツか?なぁ、今度は脱がせるとこから始まんのか?」


野崎は唇を曲げもせず、静かに言う。


野崎「これは今までの中でも……最高に危険が伴う依頼になります。成功すれば――あなたの借金100万円は帳消し。それに加えて、ボーナスとしてさらに100万円をお支払いしましょう」


言葉の終わりに、ほんのわずか、口角が動いた。


シンジの瞳がギラッと光る。


シンジ「ま、マジかよ……?なんなんだよそれ。どうせまた、難癖つけて報酬ボツになるムリゲーじゃねぇだろうな……?」


野崎「それは……あなた次第です」


まるで禅問答のような言葉。野崎は冷静な口調のまま、さらに続けた。


野崎「どうですか?やりますか?」


シンジは眉間にシワを寄せて、片手で顔をこすった。


シンジ「ちょ、ちょっと待ってくれ……やるかやらねえかは、どんな仕事か聞いてからだろ?“フレッシュ愛の織布輸送”って、また妙な名前だけど……なんだ?誰のパンティを、どこからどこに運べってんだ?」


野崎「依頼人からの強い要望で、この仕事の内容を知った人は、必ずこの仕事をやるように命じられています。つまり――あなたがこの仕事の詳細を聞いた時点で、拒否する権利はありません」


ピクリ、とシンジのこめかみが動いた。


シンジ「は……?おい、なに言ってんだよ。そりゃヤバすぎるだろ。内容が倫理的にアウトになるようなアレだったら、どうすんだよ。受けても最後までできねえじゃねえか。いや、できるけどカットされるだろ……!」


野崎「……ですから、それはあなた次第だと申しています」


野崎の声は静かで、まるで禅僧のように感情が削ぎ落とされていた。


野崎「あなたがヨコシマなことを考えなければ……規制にはかからないはずです」


シンジの肩がガクッと落ちる。


シンジ「……なんなんだよそれ。“パンティを運べ”って話で、どうやってヨコシマなこと考えずに済むんだよ?!」


野崎「保証はできかねますが……そのはずです」


無慈悲な声。そのくせ口元だけが、何かを楽しんでいるように歪んだ。


シンジ(心の声)

どうする、オレ……。借金100万チャラ、さらに100万ゲット……普通に考えりゃ夢みたいな話だ。いや、悪夢か……?“最高に危険が伴う”って、なんだよ。米大統領暗殺より危険かもしれねぇのか?でも……でもよ……“フレッシュ愛の織布輸送”だろ?文字通りなら、脱いですぐのパンティをどっかに運ぶって話だよな……星野舞の部屋に忍び込んで盗むとか、そういう直接的な行為じゃねぇかもしれない……それに、ぶっちゃけパンティ運ぶだけで200万の話なんて、聞いたことねえぞ……。やるしかねぇよな。もう無一文だし……琴音にも会えねえし……。死ぬなら死ぬで、もういいか……


シンジは立ち上がり、無言で紙を見つめた。数秒、沈黙。


やがて、決意を宿した目で野崎を見返す。


シンジ「分かったよ……やるよ。“フレッシュ愛の織布輸送”ってやつ……オレがやってやるよッ!!」


その瞬間、野崎の目が細くなった。

まるで百戦錬磨の将軍が、新たな駒を手に入れたときのように。


野崎「ふふ……いい返事ですね」


照明が、チリ……と一瞬だけ点滅した。

その不気味な光の下で、野崎の顔は、やはり――笑っていた。

◾️◾️◾️◾️◾️

ここからは、

清楚系、松山弁コメンテーターなっちゃん

ピチピチ系、関西弁インフルエンサーカナちゃんの振り返り番組“なっちゃんカナちゃん”


今夜のテーマ:シンジ、フレッシュ愛の織布を運ぶってよ!



(ジングルのあと、スタジオのカーテンが開いて)


カナちゃん「ちょ、なっちゃん!もうアカンてあれ!爆笑やろあのシーン!」


なっちゃん「シンジがな、野崎の事務所で……『フレッシュ愛の織布輸送』て!なにその業務名!?どんな社名やねん、倒産秒読みの匂いしかしないんよ!」


カナちゃん「さっきは『ゲット』やったやん!?今度は『輸送』って、ピストン輸送しとんか!?どこからどこへ運ぶねん!?しかもフレッシュて!濡れたて!?」


なっちゃん「もう脚本家さんな、意地なっとるよ!意地のフレッシュやけん!頭の中大丈夫なんかいな!?冷蔵庫の奥に腐りかけのキムチ詰め込んだまま書いとるやろ!」


カナちゃん「それかもう脳みそごとパンティ詰めてまうタイプや!『この業務、命がけです』ゆうて、大統領暗殺級の危険度って!なんやの!?パンティ運ぶだけでスナイパー出るんか!?」


なっちゃん(テンション爆上がり)「出るかいな!愛の織布スナイパーて!布団の影からパンティ見てるやつおるんかってのー!まっこと、ばかばかしゅうて涙出るわ!」


カナちゃん「しかもやで?内容聞いたら絶対やらなあかんルールやって!野崎が言うてたもん、『説明聞いた時点で拒否できません』て。そんなんズルいやん!」


なっちゃん「なにそのブラック契約!電子レンジの注意書きより細かいやつやん!ほんで規制にかからんかどうかは“あなた次第”…?」


カナちゃん「シンジやで!?シ!ン!ジ!あの、琴音のパンティ見るためにスロットで全財産飛ばすようなやつやで!?規制線、踏み抜くに決まっとるやん!」


なっちゃん「それどころか、規制線の上で踊るわあの人!ヨコシマにタテシマやで!?もう網タイツ越えてダマスク織りやで!」


カナちゃん「それで100万円ゲット!?借金帳消し!?ほなやるやろ、シンジ。やるんか、やるんか……って、やるんかーーーい!!」


なっちゃん「そう来なくっちゃ!って誰が期待しとったんや!期待も何も……どこ運ぶか分からんパンティに100万の命かける人間おるんか!?シンジ以外おらんやろ!」



(スタジオ照明が柔らかくなり、モニターに視聴者のコメントが映し出される)


なっちゃん「ほな視聴者の反応、見ていこうかね~。まずは……あ、これや!」


《視聴者コメント:『うちの旦那が同じ仕事してたら即離婚してる』》


カナちゃん「そらそうや!『ただいま』言うて帰ってきた旦那が、ランドリーバッグから“輸送済みのフレッシュ”出したら戦争や!フレッシュって言葉が何もかもを台無しにすんねん!」


なっちゃん「うちはその前に実家帰るわ!母ちゃんに『娘がパンティ運ぶ男と結婚しました』言えるかい!」


《視聴者コメント:『野崎さん、いつも言葉遣いは丁寧やのに中身ヤバすぎて笑う』》


カナちゃん「ほんまそれな!?『これはどうですか?』ちゃうねん!普通にヤバい紙や!あれ達筆で書くか!?フォント選びから間違うてるやろ!」


なっちゃん「しかも丁寧なほど怖いよな~。あの感じ、『お茶でもどうぞ』言いながら地獄送りの書類出してくる保険屋の顔やん!」


《視聴者コメント:『シンジの心の声、ギリッギリやけど妙に共感してしまう…』》


カナちゃん「分かる~!『やるしかねぇ』の声がリアルすぎて笑えん!けど笑う!いや笑わせてくれよ!じゃないと泣くわ!」


なっちゃん「シンジが言うたやん?『殺られるんならもうそれでいいか』って。いやそれ、パンティ運ぶ人のセリフちゃうんよ!ガンマンか!」


カナちゃん「もはやパンティ運ぶウエスタン!荷馬車の中身が全部“愛の織布”で、西部のならず者から守るやつや!どんなパンティ・ミッション映画やねん!」


なっちゃん「タイトルつけたるわ、『バンディット・オブ・ラブクロス:シンジ、パンティを護れ』や!!」


カナちゃん「続編あるな、これ。間違いなく次は“ダブルフレッシュ織布奪還作戦”や!」


なっちゃん「は~い、ということでこのシーズンはここまで!視聴者のみんな、コメントありがとね~!このあとも次のシーズンで“シンジのフレッシュ地獄”追ってくけん、覚悟しといてよ~!」


カナちゃん「それでは、また次のシーズンも見てな!『なっちゃん・カナちゃん』で、愛の織布を全力応援!」


なっちゃん&カナちゃん「ほなまたね~!!パンティは計画的に!」


(スタジオ爆笑の中、エンディングジングル)

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