表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/101

伏魔殿“CLUBぺぺ”

薄暗いネオンが街を染める夜。

ゴチャついたビルの一角、「CLUBぺぺ」の扉がガラリと開く。


シンジ、ダボついたジャケットを肩で着て、無精ひげに無理矢理香水を吹き付けたみたいな匂いを漂わせながら入店。どこか堂々とした風を装っているが、目は落ち着きなく泳いでいる。


すかさず、ぺぺのボーイが駆け寄る。

髪型バチバチにキメた若い男だ。


「いらっしゃいませーっ!本日もありがとうございますーっ!!」


爆音マイクコール。

まるで誰か有名人が来たかのような大袈裟な歓迎に、シンジはニヤつく。


ボーイに手を引かれるようにして、照明の落とされた奥の席へ。

薄いソファにどかっと腰を下ろす。


「かしこまりましたー!琴音さーん!ご指名入りましたー!!」


爆音マイクがフロアに響き渡る。


ガラス越しの待機ルームで、香水ムンムンの琴音がピクリと動く。

胸元が強調されたワンピースに、腰のくびれを強調するベルト。

プロとして“男を夢中にさせる仕上げ”は完璧だ。


(誰ぇ〜?……いい客やったらいいのに)


期待を胸に、琴音がにこやかに現れる。

だが、席に座っている男を見た瞬間、心の中にズドンと重いものが落ちた。


(なんだ、シンジかよ……)


琴音、顔では笑った。


「うわ〜嬉しい〜!シンジさん、お久しぶりぃ〜!もう、メールしてるのに全然返事くれなかったからぁ、琴音、心配してたんだから〜っ!」


声は甘ったるく、態度も満点の接客モード。

だが心の声は冷たかった。


(マジかよ……コイツ、最っっ低レベルのケチなんだよね。最初の一杯だけで二時間とか粘るし、私にだって一杯しか飲ませないし。挙げ句アフター誘ってくるとか、マジウザいんだけど。)


シンジ、ヘラヘラと笑いながら足を組み直す。

そして、適当に話を合わせた。


「ごめんごめん琴音ちゃん。オレさ、ドバイの方に海外出張で一ヶ月ほど日本いなかったんだよね」


自信満々に放たれる大ウソ。


心の中では、


(ヘッ、ドバイってどこだよ。こっちは金無さすぎて、ダチに金借りてギリギリ生き延びてたっての。それより、今日はスロットで大勝ちしたからよ……今日は奮発していいボトル入れてやるぜ。ここまでやったらアフターくらい当然だろ)


と、シンジなりの計算を巡らせていた。


琴音、笑顔を崩さずに声を弾ませる。


「すご〜いっ!ドバイに海外出張なんて、エリートじゃないですかぁ〜!琴音も連れて行ってほしかったぁ〜!」


心の中では舌打ち。


(見え透いたウソつくなっての。あんたみたいな小汚いヤツがドバイ行くとか……どう考えてもガーシー案件。海外逃亡くらいしか思いつかんわ)


シンジ、琴音のリアクションにますます気を良くする。

腰を乗り出して、グラスを片手にニヤニヤ。


「嬉しい事言ってくれるじゃん琴音ちゃん。じゃあさ、今度マジで連れてくから……今日はアフターで我慢してくんね?」


またしても浅い誘い。

だがシンジは自信満々。


(おっしゃ、こりゃイケる。琴音もオレにその気あるじゃんよ。まずはアフター意識させとけば、今日は絶対行ける)


琴音は苦笑い混じりに軽く肩をすくめる。

薄いドレスの香水がふわりと漂い、シンジの鼻孔をくすぐる。


シンジ、思わず喉を鳴らす。

琴音の色っぽい仕草に、下心全開でムラムラが止まらない。


まだ、夜は始まったばかりだった。


そしてこの「ぺぺ」での時間が、シンジにとってどこまで甘く、どこまで苦いものになるかは──

誰にもわからなかった。

◾️◾️◾️◾️◾️

ここからは、

清楚系、松山弁コメンテーターなっちゃん

ピチピチ系、関西弁インフルエンサーカナちゃんの振り返り番組“なっちゃんカナちゃん”


\\ なっちゃん・カナちゃん放送開始!! //


カナちゃん、オープニングから爆笑顔。


「ちょ、シンジガラ悪いわ!!」

「こんなんが、のぞゆうシリーズのドラマ出るとか、キツいってぇ〜!!」


なっちゃんもすかさず乗る。


「ホンマよ〜、目ぇ泳ぎまくりやったやん!泳ぎすぎて、今にも津波起きそうやったで!!」

(テンション上がって、松山弁混じり)


カナちゃん手叩いて大笑い。


「虚勢や虚勢!!財布ペラペラなくせに、えらそうな顔して!」


なっちゃん、ツッコミモードで。


「滅多に大金持たへんからな!たまに持ったら、舞い上がってプルプル震えよるがな!」


二人でケタケタ笑う。


カナちゃん、次のシーンに言及。


「ほら琴音ちゃん出てきたやんか!」


なっちゃん、顔をクシャッとさせて。


「いかにもキャバ嬢やったなぁ〜香水ムンムン、服ピッチピチやし!」


カナちゃんも負けずに。


「琴音ちゃん期待して来たら、まさかのシンジやで?!」


なっちゃん、椅子からずり落ちそうになりながら。


「ガックリ都市や!!」


カナちゃん、すかさずツッコミ。


「“都市”は付けんでええねん!何で急に世界一周双六ゲーム始めとんねん!ホーン岬か!!古っっ!!!」


二人、スタジオで爆笑の渦。


なっちゃん、涙目で。


「さすがプロやなぁ、琴音ちゃん。笑顔は崩さんけど……心の声、毒舌バッサバサやったなぁ!」


カナちゃん、ボケ被せ。


「ファーストオーダーがラストオーダーて!新幹線の最終便より早いわ!!」


なっちゃん、松山弁入りながら。


「ホンマケチなヤツよ〜!一杯で二時間は無理やけん!!」


カナちゃん、さらに追撃。


「ドバイに海外出張とか、ようウソつくわ!なぁなっちゃん、ドバイ言うたら?!」


なっちゃん、真顔で。


「私らやったら、ドバイよりまずドブやろ。ドブ川出張や!!」


二人、机バンバン叩いて大爆笑。


カナちゃん、息も絶え絶えで。


「友達に借金して、それも踏み倒す気マンマンやで絶対!」


なっちゃん、目を見開いて。


「それで今日だけあぶく銭振りかざして、ボトル入れるとか、もう見栄晴の親戚やけん!」


カナちゃん、「誰やねん!」とツッコミながらも笑う。


なっちゃん、さらにテンション上がって。


「しかもアフター厨!自分の家、もうラブホ気分で待っとるけん!」


カナちゃん、声ひっくり返して。


「こわっ!!シンジ、心の中ではもう鍵開けて布団あっためてるで絶対!!」


なっちゃん、悶絶しながら。


「琴音ちゃん凄いわ!ガーシー持ち出してくるとか、笑いの破壊力ハンパないけん!」


カナちゃんも。


「ホンマ、私らも負けてられへんわ!!」


なっちゃん、笑いすぎて涙をぬぐいながら。


「もうシンジ、琴音ちゃんからゴミのように見られとるのに、気付いてないけんね!思い上がっとんよ!」


カナちゃん、バッサリ。


「何がアフターや!!お前だけ帰れ!!って言うたれ琴音ちゃん!!」


\\ここで視聴者コメントコーナー!//


スタッフが、スタジオの大画面にリアルタイムでコメントを映し出す。


【視聴者コメント】

「シンジ無理無理無理」

「琴音ちゃんプロすぎ!神対応!」

「ドバイ出張は笑ったwww」

「金ないくせにカッコつける奴一番ダサい」

「琴音ちゃん、心の声で全視聴者の代弁してた!」

「シンジ消えてほしい」

「なっちゃんカナちゃん最高!!!」

「世界一周双六ゲーム懐かしいwww」

「ファーストオーダーがラストオーダーは草」

「のぞゆう返して!!」


なっちゃん、松山弁全開で大はしゃぎ。


「みんなぁ〜!!共感してくれてありがと〜っ!!やっぱシンジ、全国民に嫌われとるけん!!」


カナちゃんも両手を広げて。


「なぁ?!こんなんでのぞゆうシリーズ名乗ったらアカンやろ?!国家反逆罪レベルやで!」


なっちゃん、さらに。


「シンジ、もはや現代の疫病神やけん!疫病神を主人公にするなぁー!」


カナちゃん、「それなっ!!」と大声でハモる。


最後に、なっちゃんがカメラに向かって満面の笑みで。


「みんなぁ!次回も、シンジの迷走っぷり、いっぱい笑う準備しとってよ〜!」


カナちゃん、バシッと締め。


「おもろすぎてお腹よじれるから、湿布とポカリ用意しときやー!!」


\\ なっちゃん・カナちゃん、爆笑のままエンディング //

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最後までお読みいただきありがとうございました! ブクマ・ポイント評価お願いしまします!

私の作っている他の作品もお読みください!

のぞみとゆうの物語 ~ちょっとだけ本当の甘酸っぱい恋。こんな恋ができる学生の頃に戻りたい。

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ