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作戦実行は突然に

——舞のレディースマンションの下、21:30。


昼の喧騒が消え、街がしんと静まり返った夜。煌々と光る街灯の下、シンジはひとり、マンション前の植え込みにしゃがみ込んでいた。膝を抱え、顔を伏せ、時おり空を仰ぐ。見上げた9階には、柔らかな灯りがともっていた。星野舞の部屋の光だ。


シンジ(頭をかきむしるように)

「ダメだ…帰れねぇ…帰れるわけがねぇ…!」


突然、立ち上がって数歩歩くと、ブツブツと自問するように呟き出す。


シンジ

「明後日の夜には2枚のフレッシュを持って行かないといけないんだろ?で、1日に出るフレッシュは1枚だけ。ってことは…今日の分はもう…舞ちゃんの愛の織布は…洗われちまったかもしれねぇ…!」


息が詰まる。喉の奥で泡立つ焦燥。彼の脳裏に、野崎の言葉がリフレインする。


シンジ

「ってことは!明日と明後日…たった2日しかチャンスがねぇ!しかも、明後日中に野崎の所に届けなきゃ終わり。終わりだ、マジでオレ、終わりだ…!」


手のひらに汗がにじむ。鼓動がうるさい。


シンジ(顔をしかめて)

「明後日ゲットできたとして…時間が夜遅かったら間に合わねぇ。ってことは、今夜の分、今ゲットするしかないってこと?……ウソだろ…マジでか……」


ガクリと膝に手をつく。目の前にそびえるレディースマンションが、まるで難攻不落の要塞のように見えた。


シンジ

「くっそ……でもどうやって忍び込めばいいんだよ。舞に気づかれずに?こんなセキュリティ、映画のスパイでも躊躇するだろ…」


たまらずポケットからスマホを取り出す。数秒の躊躇のあと、野崎に発信。


——プルルル……ガチャ。


野崎(落ち着いた口調)

「どうしました?」


シンジ

「オレ、今、舞のマンションの前にいるんだけどさ……どうやって部屋に入ればいいんだよ?」


野崎

「……は?どういう意味ですか?」


シンジ(焦ってまくしたてる)

「いや、そのまんまだよ!フレッシュだろ!?星野舞の部屋に入らなきゃ取れねぇじゃねえか!どうやって中に入るんだよ!?」


野崎

「それはあなたが考えることです。私は仕事を斡旋するだけです」


——プツッ。


シンジ

「おい、ちょっと待てよ……!……ちっ、切りやがった……!」


夜の静けさにシンジの怒声だけが残る。まるで彼の人生そのものが切り捨てられたようだった。


シンジ(膝に手をついて崩れ落ちる)

「くそ……何か手助けしてくれるんじゃねえのかよ……マジかよ……」


舗道の隅でしばし沈黙した後、顔を上げた。目の下に濃いクマ。呼吸が浅くなる。


シンジ(低く、諦めの声で)

「もう……21時半……この時間にウロウロしてるだけで不審者だろ……オレが女だったら通報してるよ……っていうか、今日のフレッシュ……逃したらもう……オレ崖っぷちじゃねえか……」


その時だった。視線の先、マンションのゴミ捨て場。ゴミ袋の山の中に、無造作に放り込まれた一つの段ボール箱が目に留まる。


シンジ(ふと目を細めて)

「ん……あれって……Amazonの箱?」


夜の空気がざわめく。心臓がドクンと跳ねた。


シンジ(ゆっくりと立ち上がり、笑い出す)

「……そうだ。Amazonだ……!」


シンジ(閃いたように右拳を打ちつける)

「Amazonの配達員って佐川とかヤマトと違って私服なんだよな。オレがあの箱持って歩いてりゃ、配達員だと思われてもおかしくねぇだろ?しかもこの時間でも配達してるしな、Amazonなら!」


瞳に光が戻る。何かを決意した男の顔。


シンジ

「完璧じゃねぇか……これは使える……!」


ゴミ捨て場に駆け寄り、段ボール箱を抱える。ぺしゃんこになった箱を器用に元の形に広げる。


シンジ(興奮しながら)

「オレ、配達員になる……いや、オレは今この瞬間……Amazonだ!!」


舞のマンションのセキュリティロックの前で、ひとり、異様なテンションで段ボールを抱えた男が立ち尽くす。


この時、彼が本当に必要としていたのは「フレッシュ」ではなく、「理性」だったのかもしれない——。


(次回へつづく)

◾️◾️◾️◾️◾️

ここからは、

清楚系、松山弁コメンテーターなっちゃん

ピチピチ系、関西弁インフルエンサーカナちゃんの振り返り番組“なっちゃんカナちゃん”


(OPジングル終わり、スタジオにカメライン。なっちゃん&カナちゃん登場)


カナちゃん(元気いっぱい)

「はーい!今週も始まりました、なっちゃん・カナちゃん〜!」


なっちゃん(笑顔ではんなり)

「今宵はどんなアホが飛び出すんか、ワクワクが止まらんよ〜!」


カナちゃん

「というわけで、今放送されたばっかのドラマ!タイトルは……」


二人同時に(声を揃えて)

「夜の密偵、Amazonと共に〜〜!!」


(どっと拍手と笑いのSE)


カナちゃん(ツッコミ気味に)

「タイトル、ふつうにアウトやからな!!Amazon巻き込んだらあかんて!!」


なっちゃん(すでに吹き出して)

「Amazonの中の人、めっちゃ目ぇ見開いとるよ絶対!」


カナちゃん

「まずさ、シンジ気づいたんや。ええ事に!」


なっちゃん

「そうやよ!?やっと気づいたんよ!?フレッシュは……1枚だけちゃうねん要るのはっ!」


カナちゃん(ハイテンション)

「せや!フレッシュ2枚必要やのに、1日に1枚しか出ぇへんって!!どないすんねん!」


なっちゃん(爆笑)

「ニワトリかて1日1個しか産まんのに!舞ちゃんはニワトリか!!パンティ界のチャボやないか!」


カナちゃん(頭抱えて)

「しかも、今日の分はもう“出荷済み”って……フレッシュに“出荷”て!!物流流れてもてる!」


なっちゃん(松山弁が混じりだす)

「もう物流センターでラベリングされとるけん!“舞の愛の織布(21:00便)”やけん!」


カナちゃん(机バンバン)

「おまけに、明後日に手に入っても“間に合わんかもしれん”って今ごろ焦りよって!」


なっちゃん(呆れて)

「今気づくなて!3日で2枚要るん、はじめから分かっとったやろが〜!」


カナちゃん(巻き舌で)

「アホすぎて可愛いか思たけど、やっぱアホや!!」


なっちゃん(急に泣き真似)

「もう今から忍び込まなあかん…ッ!……ママー助けてーッ!!」


カナちゃん(大爆笑)

「ほんで野崎さんに電話して、真顔で“どうやって入んの?”て!!」


なっちゃん(ガチャ切りの再現)

「ピッ…『それはあなたが考えることです』…ガチャ。って!!」


カナちゃん(崩れ落ちる)

「野崎さん、切るときの静けさプロすぎるやろッ!!もうね、バイトリーダーの距離感!!」


なっちゃん(涙拭きながら)

「おいちょっと待てよ、て言うたとこで、もう電話切れてるけん!ひゅ〜ん…て音が聞こえてきそうじゃわい!」


カナちゃん

「でな、見つけたんよ。Amazonの箱!」


なっちゃん(ハイテンション)

「Amazonの段ボールをな!?拾って持って!?“オレAmazonや”言い出したけん!!」


カナちゃん(椅子からずり落ち)

「もう笑い死ぬか思たわ!!これAmazonさんに訴えられるぞ!!」


なっちゃん(真顔で)

「良い子は絶対真似しんとってね。絶対よ?」


カナちゃん(ニヤッとしながら)

「良い子はせえへんけど、悪い子は真似するからな!?“あっ、段ボール発見!侵入開始!”て!」


なっちゃん(松山弁混じりで)

「ほれ、なんか段ボールかぶって忍び込む亀みたいやけん!甲羅干しちゃうで!」


カナちゃん

「いや〜今週もツッコミどころ満載のシンジ劇場!もう一回フレッシュって単語出るたびに笑うてまう!」


なっちゃん(しみじみ)

「フレッシュって響き、めっちゃキレイなんに……中身、アレやけんね。パンティやけん!」


カナちゃん(うんうんと頷きながら)

「愛の織布て!もう、金曜ロードショーのタイトルやん!」


なっちゃん(ニッコリ)

「じゃあここで、視聴者のみんなの反応!SNSから拾ってきたんで紹介するよ〜!」


カナちゃん(どんどん読む)

「“Amazonさん、こんな使われ方するとは思ってないやろ”」


なっちゃん(ツッコミ)

「そらそうよ!段ボールの気持ち考えてみ!?まさかパンティ回収に使われるとは思わんやろ!」


カナちゃん

「“舞の愛の織布ってワード、詩人かド変態しか出てこん”」


なっちゃん

「ド変態寄りじゃな!?詩情はギリあるけども!!」


カナちゃん

「“野崎さんのガチャ切り、アカデミー賞級。余韻がスゴい”」


なっちゃん

「シンジが『おい!』って叫んでるのに、相手の声ゼロやけん。虚無の演出やけん!」


カナちゃん

「“今夜から段ボールが怖くなった”」


なっちゃん(ニヤリ)

「そらそうよ。夜道で段ボール持ったおっさんおったら、それは…Amazonちゃうで、シンジやけん!」


カナちゃん(締めに)

「はいっ!というわけで、今週の『なっちゃん・カナちゃん』はここまで〜!」


なっちゃん(松山弁で)

「ほやけん、来週も忘れんと見てや〜!笑う準備はしとってな!」


カナちゃん

「せやで!ツッコミ用のタオルと、笑いすぎ用の氷水、忘れたらあかんで!」


なっちゃん・カナちゃん(同時に)

「ほな、また来週〜〜〜!!」


(エンディングジングルと共に、笑い声と観客の拍手)

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