第三話
――自室にて。
「あーさっぱりした。」
「僕もお湯、いただいちゃったよ〜…」
「なにしれっと人んちの物使ってんだよ。」
「僕たち結婚するんだからいいでしょ!?」
「しねえわ!!」
どこまで言えば気が済むんだコイツは……
いきなり現れて求婚なんておかしいったらありゃしない。
結婚詐欺かなにかか?
「結婚結婚って、何でそんなに結婚したいんだよ……」
「……」
目を瞑って深く考え込むフレア。
深い記憶の根底を手繰るような。
そんな様子だ。
長いな。
「ん?どうした?」
「……僕は君のせいで生きてるのに。」
どういうことだ。
"君のせい"で生きてる?
理解が追いつかない。
「き、君のせいってなんだよ…」
「僕は、君に生かされたんだよ。」
生かされた?どういう事だ?
内容が全然入ってこない。
「と、とりあえず、何があったか話してくれないか? その、前世の俺ってのも気になるしよ…?」
「……じゃあ二つだけ条件。つけてもいい?」
「お、おう。」
とぼとぼと俺の方へ寄ってくるフレア。
そして、俺の手を両手で握りながらこう言う。
「僕を信じて。ずっと愛して――。」
お読み下さりありがとうございました!
応援よろしくお願いします!