第一話
――俺にとって何気ない休日。
いつもと何ら変わらない休日。
だったのだが。
"コイツ"の登場により、その状況はがらっと変わってしまった。
「ねぇ優斗〜結婚してよ〜」
「絶対しねぇよ…てか急すぎるだろ……。」
俺の部屋で堂々とくつろいでいるコイツは、フレア・メイレー。
なにやら、前世で俺に恋していたらしい。
ま、前世なんて何の事かわかんねぇけどな。
「前世で結婚するって約束したのに!?」
「そんなもん覚えてねぇよ…覚えてる方がおかしいだろ……」
前世の記憶など、あるはずがない。
まず、前世があったのかどうかすらも怪しいしな。
「君の方から、転生したら結婚する〜、って言ったくせに!」
「そんなこと言ったかよ!?」
「言ったから来てるんだよ!?」
「だから前世は分かんねえよ!?」
とりあえず、来てからずっとこんな感じで、キリがない。
「てか、どうやってこっちに来たんだよ…」
「ふっふ〜ん…?気になるんだ…?」
「なんだその言い方。変なやつ。」
「そこまで言う必要ある!?」
反応がいちいち大きい。
そして騒がしい。
「その格好もおかしいし、傍から見たら不審者だぞ?」
「ふ、ふしんしゃ!?」
「おう。不審者。」
「ぼ、僕…不倫なんて…したことないよ……?」
「不倫じゃねぇよ!不審だよ!」
聞き間違いにも程があるだろ!?
ふざけてるとしか思えねぇ……。
「とりあえず一言だけ言っていいか?」
「な、なにさ…」
「とりあえず俺、寝るわ。」
「……え?」
寝る。眠てぇし。
「じゃ、おやs…」
「ちょ、ちょっと待ってよ!! 僕にもいっぱい話したいことがあってさ!? しかも、こんな可愛い子を放って寝るなんてありえないって言うかさ!?」
「あーうるせ。」
隣で喚いているやつがいるが、まあ無視しとくか。
今一番の優先事項は、睡眠だ。
そして俺は、"雑音"を聞き流しながら眠りについた。
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