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泥濘の奥に潜む秘密

泥濘の王国に足を踏み入れた私は、すでに心がウキウキしてる。近くの河原にあるこの湿地は、私だけの秘密の遊び場だ。太陽が泥水に反射してキラキラ輝き、少し生温かい土の香りが鼻をくすぐる。膝まで泥に浸かった私は、ジャージの裾が重たくなってきてるのを感じながら、さらに奥へ進むことにした。深いところに行くほど、泥が私の体を優しく包み込むみたいに絡みついてくる。この感覚がたまらないんだ。


歩くたびに、靴の中の泥水が「グチュ、グチュ」と鳴って、リブハイソックスがさらに茶色に染まっていく。最初は足首だけだった染みが、ふくらはぎまでじわじわ広がって、ハイソックスの生地が濡れて足にぴったり張り付いてくる。冷たい泥水が靴の隙間から染み込んでくるたびに、指先までしっとりしてきて、まるで足全体が泥と友達になったみたいだ。ジャージの長ズボンが泥に浸かって、膝から太ももまでべっとり茶色に染まり、白いラインがうっすら見えなくなってくる。紅白帽子からは、さっき頭からかぶった泥水がぽたぽたと滴って、肩の辺りでジャージに小さな染みを作ってる。


「もっと泥んこになっちゃおう!」って小さくつぶやいて、私は勢いよく走り出した。泥がピチャピチャ跳ねて、ジャージの裾や袖に茶色の水玉模様が広がっていく。ジャージズボンの中のブルマはまだ泥に直接触れてないけど、ズボンの隙間から少しずつ泥水が染み込んでくるのが分かる。走ってるうちに、足が泥に引っかかってバランスを崩しちゃって、そのまま「ドシャッ!」と転んだ。柔らかい泥が私をふわっと受け止めてくれて、仰向けに寝転がったまま空を見上げた。青い空と白い雲が泥濘に映って、まるで私が泥の海に浮かんでるみたい。笑いがこみ上げてきて、思わず「気持ちいい!」って叫んじゃった。


起き上がって、手で泥をつかんでジャージに擦り付けてみる。えんじ色の生地がどんどん濃い茶色に変わって、白いラインが完全に隠れちゃう。ハーフジップを少し下げてジャージをめくると、その下の半袖体操服がまだ白いままだった。でも、裾の辺りは湿ってて、うっすら茶色の染みができ始めてる。ショーツの裾にも泥水が染み込んでて、冷たい感触が太ももにじんわり広がってるのが分かる。「もっと染めちゃおうかな」って思って、バケツで泥水をすくって、今度は半袖体操服に直接かけてみた。白い生地に泥水が染み込んで、みるみるうちに茶色い模様が広がっていく。首回りのえんじ色のラインが泥に濡れて濃く光って、なんだかカッコいい感じになったよ。


全身が泥だらけになってきたところで、私は深いところに挑戦することにした。腰くらいまである泥濘にゆっくり入っていくと、泥が体にまとわりついてきて、まるで私を飲み込むみたいに動きが重くなる。ジャージのポケットに泥水が入ってきて、ズボンがさらに重たくなってくると、歩くたびに「ズブズブ」って音がする。靴の中はもう完全に泥水で満たされてて、ハイソックスがびしょびしょになって足首にぺったりくっついてる。ショーツにも泥水が染み込んで、冷たい感触が下着全体に広がっていくのが気持ちいいんだ。


深い泥の中で泳いでみることにした。手を伸ばして泥をかき分けると、腕に泥が絡みついてきて、ジャージの袖がずっしり重くなる。顔を泥水につけると、小さな土の粒が「じゃりじゃり」って頬に当たって、口の中に入ってくる。目を閉じてその感覚に浸ってると、全身が泥と一つになってるみたいで、心がふわっと軽くなる。泳ぎながら、時々ジャージをめくって半袖体操服を確認する。さっきかけた泥水で、左胸の校章や名札ゼッケンまで茶色に染まってて、なんだか新しいユニフォームみたいでワクワクするよ。


ふと、泥濘の奥に何か見慣れないものがあるのに気づいた。木の枝かと思ったけど、よく見ると古びた木箱の角が泥の中からちょこっと顔を出してる。「何だろう?」って好奇心が湧いてきて、私は泳ぐのをやめてそこに近づいた。泥の中で手を伸ばしてつかんでみると、確かに木の感触。引っ張ってみると、「ズルッ」と音を立てて泥から出てきた。小さな木箱で、蓋には錆びた金属の留め具がついてる。泥にまみれてて中身は見えないけど、なんだか冒険の宝物を見つけたみたいで胸がドキドキした。


「これ、家に持って帰って開けてみようかな」って思ったけど、全身泥だらけのままじゃ重くて動きにくい。とりあえず木箱を浅いところに置いて、私はもう少し遊ぶことにした。木箱のことは頭の片隅に置きながら、泥水をバケツですくって、今度は服の中に流し込んでみる。ジャージの襟元から泥水を入れると、冷たい水が半袖体操服を伝って流れ落ちて、ショーツやスリーマまでびしょびしょに染めていく。服の中で泥水が動く感触がくすぐったくて、思わず笑っちゃった。紅白帽子にも泥を擦り付けて、白と赤のツートンがすっかり茶色一色に変わると、なんだか達成感が湧いてくる。


全身が泥んこになって満足してきたところで、私は浅瀬に移動することにした。その前に、ふと尿意を感じた。「どうせこの後泥を落とすんだし、ここで思いっきりしちゃおうかな」って思って、そのままおもらししちゃった。暖かいおしっこがショーツから流れ出て、泥水と混ざりながら靴の中に溜まっていく。歩くたびに「グチュグチュ」って音がして、泥の音と少し違う響きが新鮮でドキドキする。ハイソックスがさらに濡れて、足首からふくらはぎまでびしょびしょになってるのが分かる。泥と混ざったおしっこが靴の中で泡立つ感じが、ちょっと悪いことしてるみたいで楽しいんだ。


浅瀬に移動して、川の冷たい水に浸かると、泥が少しずつ流れ落ちて、ジャージやズボンにこびりついた茶色い汚れが薄くなっていく。でも、半袖体操服やショーツにはうっすら染みが残ってて、それが私の泥んこ冒険の勲章みたいだ。木箱を手に持って、私は家に帰ることにした。


茶色に染まったユニフォームのまま、私は河原から家までの道を歩き始めた。ジャージは泥水をたっぷり吸ってずっしり重く、歩くたびに「ズブ、ズブ」と靴が地面に沈む音がする。ハイソックスはびしょびしょで、足首からふくらはぎまで泥水とおしっこが染み込んでて、冷たい感触が気持ちいい。ズボンの裾から泥水が滴って、地面に小さな茶色の水たまりを作りながら進む。紅白帽子はすっかり茶色に染まってて、風に揺れるたびに泥の匂いがふわっと鼻に届く。半袖体操服はジャージの下で湿ってて、時々ズボンの隙間から見えるブルマの端にも泥水が染み込んでるのがチラッと見える。


田んぼのあぜ道を通ると、遠くで農作業してるおじさんがこっちを見て目を丸くしてるのが分かった。「あの子、また泥まみれだよ」とでも言いたそうな顔。でも、私は気にしない。だって、この泥んこ姿が私の誇りなんだから。道端の小さな水たまりに映る自分を見ると、全身が茶色に染まったユニフォームがまるで戦士の鎧みたい。泥水がジャージからぽたぽたと滴って、足跡の横に小さな染みを残していくのがなんだか楽しい。時々、風が吹くと濡れたジャージが体に張り付いて、冷たい感触が全身に広がる。歩きながら木箱を手に持つと、泥にまみれたその感触が、私の冒険の証みたいに感じられるんだ。


家の近くまで来ると、近所の子供たちが自転車で遊んでて、私を見つけると「ミユキ、また泥んこ!」って笑いながら指さしてきた。私は「うん、そうだよ!」ってニヤッと笑って、そのまま庭に向かった。泥だらけのまま歩く姿を人に見られるのはちょっと恥ずかしいけど、同時に「私の泥んこを見て!」って少し自慢したくなる気持ちもある。だって、この茶色に染まったユニフォームは、私が泥濘の王国で過ごした時間を全部詰め込んだ宝物なんだから。


家に着くと、庭のシャワーの下に立って水をかぶる。泥水が足元に流れ落ちて、茶色の小さな川ができる。木箱をそばに置いて、私はシャワーを浴びながら「これ、何が入ってるんだろう?」って考える。泥んこ遊びの後のワクワクが、まだ胸の中で続いてるみたいだ。シャワーを終えて、別の体操服に着替えた私は、汚れたユニフォームを洗う準備を始めた。木箱のことはあとでゆっくり調べよう。だって、今はまだ、泥濘の王国の余韻に浸っていたいんだ。


洗濯用のバケツにぬるま湯と洗剤を入れて、泥だらけのジャージや半袖体操服を漬け込む。靴をブラシでこすりながら、私は今日の冒険を思い返してニヤニヤしてる。木箱の中身が何か分からないけど、それを見つけた瞬間から、私の泥んこ遊びがもっと楽しくなりそうな予感がしてるんだ。次はどこで遊ぼうか、またどんな泥濘に飛び込もうか。そんなことを考えながら、私は洗濯を進めていく。

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