泥濘の王国への第一歩
私の名前はミユキ、11歳。田舎の小さな家に住む、ごく普通の女の子だよ。家の周りは自然がいっぱいで、小川がキラキラと流れ、畑が緑の絨毯みたいに広がってる。田んぼは水をたっぷり湛えて、晴れた日には青い空を映してまるで鏡のよう。そんなのんびりした風景が、私の毎日の遊び場なんだ。でも、私にはちょっとだけ特別な秘密がある。それは、全身泥んこになって遊ぶのが大好きってこと!恥ずかしくて他の子には絶対に言えないけど、私にとっては心が躍る最高の時間なんだ。
他の子たちは泥んこになると「汚い!」って顔をしかめて、親にこっぴどく叱られるみたいだよ。「服が台無しじゃない!」とか「すぐお風呂入りなさい!」なんて怒鳴られてる声を、近所の家の窓から聞こえてくることもある。でも、私の両親は全然違う。お母さんは「ミユキが楽しそうならそれでいいよ」って優しく笑ってくれるし、お父さんは私が泥まみれで帰ってきてもニコニコしてる。お父さんったら、私が泥んこ遊びから帰るたびに「今日も楽しかったか?」って聞いてくるんだ。そして、私のために庭に小さなシャワーまで作ってくれた。錆びた鉄パイプと緑のホースでできたそのシャワーは、私の「泥んこ基地」の大事な入り口。泥だらけの体操服のままシャワーを浴びると、水と泥が混ざって足元に茶色の小さな川ができて、それがなんだか冒険の終わりを飾る儀式みたいで大好きだよ。
私の泥んこ遊びには、こだわりの「ユニフォーム」がある。それは学校指定の体操服だよ。白い半袖体操服は、首回りと袖にえんじ色のラインが走ってて、左胸に校章と名札ゼッケンが縫い付けられてる。触るとちょっとザラッとした生地が、泥にまみれるたびに私の相棒みたいに感じられてくるんだ。その上に長袖ジャージを重ね着してるから、最初は半袖体操服が泥に触れることはないよ。ブルマもえんじ色で、サイドに白いラインが2本入ってて、動きやすくて泥の中で跳ね回るのにぴったり。長袖ジャージはハーフジップで、同じえんじ色に白いラインがカッコよく映える。長ズボンジャージは右のお尻にポケットがあって、足掛け付きだから泥の中でズルッと脱げちゃう心配がない。頭には紅白帽子をちょこんとかぶって、準備は完璧だよ!
下着は、白い綿のジュニアショーツとラン型スリーマ、それにリブハイソックス。靴は白い通学用の紐靴で、泥水が染み込むたびに「グチュグチュ」って音がするのがたまらない。何度も泥んこ遊びをしてるから、体操服も下着も薄く茶色に染まっちゃってる。特にショーツの裾とか、スリーマの肩の辺りは、泥の染みがうっすら残ってて、それが私の冒険の記録みたいで気に入ってる。お父さんが生地が傷んでくると新しいのを買ってくれるんだけど、真っ白な体操服で遊べる日は特別なご褒美みたい。新しいユニフォームを手に持つと、まだ泥に触れてないピカピカの生地が、これからどんな茶色に染まるのか想像して、胸がドキドキしてくるんだ。庭で新しい体操服を着て、くるっと一回転してみると、まるでこれから戦場に立つ騎士みたいな気分になっちゃうよ。
普段はいつでも泥んこ遊びができるように、このユニフォームを着てる。学校では普通の制服だから、帰ったら一度全部脱いで、この「泥んこセット」に着替えるんだ。下着もね。学校ではちょっとおしゃれなのを履いてるよ。ピンクの花柄とか、フリルのついたやつとか。でも泥遊び用は子供っぽくて泥色に染まってるから、ちゃんと分けてる。だって、学校で友達に「ミユキの下着、泥臭いね」なんて言われたら、もう恥ずかしくて生きていけないもん!家に帰って着替える瞬間は、まるで秘密のヒーローに変身するみたいで、鏡の前でポーズをとって「泥んこ少女ミユキ、参上!」なんてつぶやいちゃうこともあるんだ。
私の秘密の遊び場は、近くの河原にある湿地だよ。そこは私の「泥濘の王国」。水と土が混ざり合って、数センチの浅いところから腰くらいまでの深いところまであって、太陽の光が泥水に反射してキラキラした茶色の世界が広がってる。草の匂いと土の湿った香りが混ざって、鼻をくすぐるたびに「ここが私の場所だ!」って思うんだ。一人で遊ぶのが好きで、誰にも邪魔されず、思う存分泥と戯れられるのが最高。友達と遊ぶのも楽しいけど、泥んこ遊びは私の特別な時間だから、誰にも教えたくない宝物なんだ。
その日も、学校から帰ってきてすぐにユニフォームに着替えた。新しい体操服じゃないけど、昨日洗ったばかりで、まだちょっと洗剤のいい香りが残ってる。紅白帽子をかぶって、白い紐靴の紐をギュッと結ぶと、心がウキウキしてくる。家の裏口からそっと抜け出して、河原に向かうよ。田んぼのあぜ道を歩いてると、カエルの「ゲロゲロ」って声や、風に揺れる稲の音が聞こえてきて、まるで自然が私を歓迎してるみたい。河原に着くと、湿地の端っこに立って深呼吸。目の前に広がる泥濘は、まるで私を待ってたみたいに静かに波打ってる。
「よし、いくよ!」って小さくつぶやいて、まずは一歩踏み出す。靴底が泥に触れた瞬間、「ズブッ」って音がして、冷たい泥水が靴の中に染み込んでくる。白い紐靴の隙間からじわっと水が入ってきて、リブハイソックスが徐々に泥水に染まっていくのが分かる。最初は足首の辺りが湿って、茶色い染みが広がってくると、ハイソックスの生地が重たくなって足にぴったり張り付いてくる。歩くたびに「グチュ、グチュ」って音が響いて、まるで泥が「おいでよ」って誘ってるみたいだよ。
少し走ってみると、泥がピチャピチャ跳ねて、長ズボンジャージの裾やブルマの端に茶色の水玉模様を描いていく。勢いよくジャンプして着地すると、泥が膝まで跳ね上がって、ジャージにべっとりくっつく。重くなった生地が体に張り付いてくるのが、なんだか気持ちいいんだ。わざと転んでみると、泥が柔らかく私を受け止めてくれる。仰向けに寝転がって、空を見上げると、青い空と白い雲が泥濘に映ってて、まるで自分が泥の海に浮かんでるみたい。手を伸ばして泥をつかんで、ジャージに擦り付けてみる。白いラインが茶色に染まっていくのを見ると、なんだか芸術家になった気分だよ。
立ち上がって、バケツで泥水をすくって頭からかぶってみる。髪から滴る泥水が顔を伝って、口に入ると小さな土の粒が「じゃりじゃり」って感じで歯に当たる。しょっぱくはないけど、土の素朴な味が広がって、泥と私がもっと近づいた気がするんだ。目を閉じてその感覚に浸ってると、全身が泥と一つになってるみたいで、心がふわっと軽くなる。
まだ遊び始めたばかりだけど、すでにジャージは泥だらけ。ちょっとハーフジップを下げてジャージをめくってみると、その下の半袖体操服が少しだけ湿ってて、裾の辺りにうっすら茶色の染みができてる。ショーツの裾にも泥水が染み込んでて、冷たい感触が太ももに広がってる。「まだまだこれからだよ!」って自分に言い聞かせて、私は泥濘の奥へ進むことにした。深いところに近づくにつれて、泥が膝から太もも、腰まで上がってきて、まるで私を飲み込むみたいにまとわりついてくる。この感覚がたまらなくて、私はもっともっと泥んこになりたいって思うんだ。