135 愛の試練はクリアしたんだけど、僧侶の好感度が下がったかいまいち分からない
愛の神殿で、愛の大精霊による愛の試練をクリアしたオレ達。
字面だけ見るとなんとも愛溢れる感じだが、その結末は真逆と言っていいはずだ。
愛の試練に参加するために必要な準備や情報は多いが、前提として絶対に必要なのはこの2点。
・ 主人公と女性の二人パーティであること
・ 女性の好感度が非常に高いこと
あるいは、初期の強制メンバーであること
白の勇者オスティンなら、女騎士のエルマ。
黒の魔剣士カーロンなら、元奴隷のターシャ。
初期強制メンバーである彼女達ならば、例え好感度が規定値に達していなくても、愛の試練に同行させることができる。
パーティ条件を満たし、呪文を唱えてパンツへの愛を叫ぶことで、特別なフラグ等なくても神殿へ挑戦することができるのだ。
パンツの妖精達が繰り出す三つの試練を突破し、同行したヒロインのパンツCGをゲット。
愛の大精霊を倒すことで、愛の試練はクリアとなる。
報酬は、愛の大精霊戦で使った光のパンツと、愛のイヤリング。
それから素材の山と、追加報酬があれば3人の妖精達との回想シーンです。
あ、もちろん3人の妖精は、お礼の際にはきちんと美少女化します。はい。
マッチョ犬とかマッチョ虎とかハニワとか、需要ないのでのーせんきゅーです。いや本当に返品です。
そこは美少女ゲーム、CGになる時にはきちんと彼女らも美少女化するので安心でございます。
ただし、今回のお礼は回想シーンじゃなくて現物だったんですけどね!
最強クラスの頭装備です、はい。見た目と好感度を気にしなければ。
で、報酬とはちょっと違うんだけど、イベントのクリア後。
同行したヒロインの好感度が、イベントの結果として激減するのだ。
まあそりゃぁそうだよな。
ちょっと、想像してみてほしい。
オスティン「エルマ、一緒に来て欲しいところがあるんだ!」
エルマ「仕方ないわね、どこでもついて行ってあげるわ」
オスティン「パンツ嗅ぎます」
オスティン「パンツめくります」
オスティン「第三試練は女性限定だから、エルマがパンツ脱いでね!」
エルマ「は?」
――そしてこの後は、パンツをお互いに履かせ合う。うん、どう考えてもアウトですよね!!
そういうわけで、好感度が激減します。
それはもう、一周目を一番好感度高い状態でクリアした後のメイデンでも、愛の試練クリア後には仲間になった直後と同じ程度になるくらい、好感度が激減します。
これだけ聞くと酷いデメリットか罠に聞こえるんだけど、周回前提で考えると話が違ってくるんだ。
周回プレイで好感度を引き継いだ場合。
初回プレイの時に気に入って愛情を注いだキャラ(仮に、一周目ヒロインと呼ぼう)の好感度は、当然だがパーティ加入した時点で一番高くなっているだろう。
その状態のまま2周目をプレイすると、一周目ヒロインの好感度が一番高いので、好感度の高いキャラが選ばれるイベントにおいて、他キャラのイベントとか分岐が見れなくなってしまうのだ。
特に影響が大きいのが、前半から後半への切り替わりとなるイベント。
この時点で一番好感度の高いメイデンが選ばれるため、二周目で新たに仲間になったキャラでは、切り替わりイベントまでの間に一周目ヒロインの好感度を上回る事は非常に難しい。
結果として、いつまで経っても一周目ヒロインの好感度を追い抜かせず、切り替わりのたびに同じメイデンが好感度トップとして選出されてしまう。
そういう状況を防ぐために、愛の試練を使って好感度を下げれることもメリットとなるわけだ。
なお『好感度を引き継ぎしない』ということは可能なので、必ずしも愛の試練がなきゃどうにもならない、ってことはないです。
むしろ二周目開始時点で愛の試練に行けるだけの情報が揃ってる方がレアケース。
wiki見れば多分行けるけどね!
とまぁ、説明が長くなってしまったが。
ようするに、愛の試練をクリアすると、同行した女性の好感度が壊滅的に下がるというわけです。
――わけ、なんですけれど。
「セーナ」
「どうかしましたか、ハルトさん」
二人で一緒に、馬の背に揺られながら。
オレの前で手綱を握るセーナに、小さく問いかける。
「えーっと、愛の試練に付き合ってくれてありがとうな。
どうだった?」
「想像以上に、とんでもないところでした……
本当に、心から、ハルトさんは困った人だと再認識させられましたよ」
「いや、あの……愛の試練の内容とかは、大精霊のせいだからね?
オレが行きたかったのは、あくまでメイデンのため、世界のためで」
憤慨するセーナに、控えめに言い訳をする。
そんなオレの様子に、くすくすと笑うと。
「分かってますよ、ハルトさん。
むしろ、他の女性と来ようとしていたら、その方が怒ってます」
意外に穏やかな声で、セーナは答えた。
その声だけで、いつも通りの優しげな微笑が目に浮かぶようだ。
「来ない方が良かった、とか思ったんじゃないの?」
「私はあなたの共犯者ですからね。
例え、どれほど酷い愛を見せつけられることになろうと、他のひとのもとへお嫁に行けないほどの恥辱に塗れさせられようとも!
未来永劫、あなたの行く場所へ、どこへでもご同行いたしますからね」
「……あ、ありがとう」
言い方の酷さに、愛の試練内容への怒りを感じてびびりつつ。
お礼とともに、こっそりとためいきを吐く。
「――ずっと、あなたと、二人で」
そんなオレの耳に、聞き間違いかと思えるほど微かに、セーナの呟きが響いたのだった。
セーナを連れて、二人で愛の試練をクリアしたから。
きちんとセーナの好感度、下がってるんだよね?
今のセーナなら、盗賊に愛想を尽かしたから、勇者の仲間になってくれるよね?
そう心の中で思いつつも、真実を確認するのが怖くて何となく言葉に出すことは出来ず。
セーナの腰に腕を回し、同じリズムで馬の背に揺られて。
風にたなびく銀の三つ編みが夕日に照らされて煌めくのを、目を細めて眩しく見つめながら。
試練を終えて目的を果たしたオレ達は、一路フェイルアードを目指すのであった――
愛の大妖精「どこへでも同行してくれるの? じゃあ次は、愛の試練 ブラジャー編でぼくと握手!」
- - -
なっっがかったぁー!
まだ武闘大会の途中ではありますが、レベル1での攻略は完了したということで第三章はこれにて終了ですっ!!
いやほんと、何これ?ってくらいパンツ長すぎじゃね?
パンストのように! パンストのように!(パンツの妖精風)
かなり前から予定していた、セーナと二人でのパンツダンジョン。
楽しんでいただけましたでしょうか。
実際は目隠しされたりハルトが脱いだり、酷い有様ではありましたが!
ひとまずは、約束を守り通すことができ、一安心でございます。
にしても、三章も今話も非常に長かったですね!
もう、この第六話だけで一章分くらいあったよ……
タンスに詰め込まれたパンツのように、詰込み過ぎました。詰め込まれたパンツのように!
ぶっちゃけ、やりすぎたーっ!
もう、ごりごりとブックマークが減って後悔ひとしおでございましたよハハハ超泣いた。
ともあれ、修行パートはこれにてひと段落。
次回の四章は、再び武闘大会の会場に戻って今度こそ試合開催でございます。
メイデンを救うため、エリクサーを求めて再び/初めての戦いの舞台へ!
ようやく、ちょっとだけ冒険ものっぽくなります。
とは言え、そこは勇者ではなく盗賊Aのエロゲーマー。
毎度お約束のどたばたを繰り広げ、仲間たちに呆れられたり唖然とされたり叫ばれたりしつつ、目的だけはぶれずに突き進むことでしょう!
そんなわけで、三章終了のご挨拶にあわせまして、恒例のお願いとなります。
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★の数で、武闘大会後の好感度ランキングが大荒れになるかもしれません。
あるいは、第二の愛の試練、ブラジャー●が早期実装されるかもしれません!
セーナさんの胃が心配になりますネ。
ブックマークやイイネもいつも励みになっております。
誤字報告や感想も心から感謝いたします! いずれも、本当にありがとうございます。
今後も引き続き楽しんでいただけるよう、是非ともご声援の程よろしくお願い致します。
なお、新キャラが居ないので、今話はwikiはお休みです。
そもそも全然需要と人気が無さそうですので、今後おまけページをどうするかはちょっと悩むところですね。
wiki書いてる暇があったら本編進めろという説も? むむむ。
おまけで書いて欲しい内容やwikiのページなどがあれば、ネタバレや本編に支障をきたさない範囲で検討しますので、お気軽に。
次話からは、武闘大会の決着に向けて誰かの快進撃の始まりです。
乞う、ご期待!