134 大精霊はまたも卵の話をしだすんだけど、このアイテムもこんな展開も全く知らない
そんなわけで、全ての報酬をもらい終わり。
「それじゃ、色々世話になったな。
もらうもんもらったし、これで失礼するよ」
オレ達は、フェイルアードへ帰ろうと暇を告げ――
「待ちなさい、挑戦者たちよよ」
そんなオレ達に、大精霊が待ったを掛けた。
セーナが、まだ続くんですか?とばかりに、嫌そうな顔をオレに向けていた。
「あなたはすでに、他の大精霊と出会い『卵』を託されているようですねね」
「卵……」
言われて思い出すのは、金の大精霊との邂逅。
「これのことか?」
「ええ、そうですす」
懐から取り出したのは、ペンダント状にして首から下げた、ビー玉よりも少し大きめの鮮やかな明るい赤色の球体。
金の大精霊から渡された、精霊の卵に似た何かだ。
「経験については、過剰なほどに満たされているようですねね」
「そりゃまぁ……あんたとの戦闘があったからなぁ」
精霊の卵の孵化には、経験値と一定の期間が必要になる。
これが精霊の卵だとしたら、ここで愛の大精霊と戦い倒したことで、経験値についてはぶっちぎりで必要量を満たしたはずだ。
「その卵に、愛の祝福を授けましょうう」
傍によった愛の大精霊が、手のひらを卵に翳す。
特に手からビームが出たりもせず、数秒して作業が終わったのか、手を下ろすと大精霊は元の位置に戻った。
外見上は、卵に変化はない。
色が変わったり光を放ったり巨大化することもなく、夕日のように赤い、ガラスのような球体というだけだ。
「いったいこの卵?は、どういったものなんだ?」
大精霊に問いかけるが、返事はなくこちらを無言でじっと見つめたままで。
やがて、俺にこたえるでもなく、彼女はぽつりと言葉を零した。
「大精霊と竜を探すのですす」
「……え?」
卵を見ているオレ達に掛けられた、唐突な大精霊の言葉。
大精霊と、竜?
「あなたの行く道と選択が、神々とこの世界を救い、分かたれた絆を紡ぐ光となることを願っていますす」
それは、金の大精霊からも聞いた願い。
愛の大精霊の言葉に、我知らず卵を握りしめたまま。
まだ見ぬイベントの予感に、オレは胸を高鳴らせた――
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【 愛の試練 パンツ編 】
~ クエストクリア ~
●Result
・ スキルポイント獲得 ハルト/セーナ +5
・ セーナの好感度 ●●
・ 称号『パンツ愛』 入手!
・ 光のブーメランパンツ、光の紐パン 入手!
・ 愛のイヤリング×2 入手!
・ 妖精達のパンツ 入手!
・ 緋色の卵 ???
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そうりょ「……あの、なぜでしょうか?」
とうぞく「ん、どうかしたのか?」
そうりょ「なぜ、クエスト名の愛の試練の後に、わざわざ『パンツ編』と書いてあるんでしょうか……?」
とうぞく「……」
そうりょ「……ちょっと、何とか言って下さいよ」
とうぞく「つっ、続きはまたの機会に!」
そうりょ「続きなんて絶対にいりませんからねっ!」